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ビルを殴ってコースを破壊、飛んでるボールに体当たり。巨大ロボたちの“ゴルフ”バトルゲーム『100ft Robot Golf』で決めろ必殺スーパーショット!

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そろそろアニメの放送クールが切り替わるシーズンだ。気に入っていた作品の最終回に涙し、新しい作品に期待を寄せる。アニメファンの皆さんは今、さぞかしそわそわされていることだろう。さて、今回はそんなアニメへの愛が詰まったゲーム『100ft Robot Golf』を紹介しよう。

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『100ft Robot Golf』はアメリカ、シアトルに拠点を置くインディゲームディベロッパーNo Goblinが開発した作品だ。このゲームが発表されたのは2015年のPlayStation Experience。PS4は発売よりインディゲームの配信に力を入れており、本作もそうした作品の一つとして大舞台で発表された。

No Goblinは、海外ゲームメディアのEurogamer.netなどで評価された『Roundabout』の開発として知られており、あの有力なディベロッパーの新作がPS4で!と世界に発表されたのである。筆者の私もこれはすごいぞと当時興奮していた。

だが、悲しいかな。そこはインディゲームである。世界に向けて情報が発信されようとも、ローカライズされるとは限らない。本作は2016年10月にPSStoreで発売されたが、日本向けのローカライズはなされず日本のPS Storeでは配信されなかった。非常に残念なことではあるが、仕方のないことだ。本作に注目していた日本のファンは、正規の方法で遊ぶ方法はないと半ばあきらめていたのである。

だが、そんな暗闇に突然光明が差した。Steam版が配信されたのである。これに日本のファンは沸いた。ついに!ついに『100ft Robot Golf』が遊べるぞ!

ただ、PS4版の売りのひとつであったPSVRモードは、HTC ViveやOculusに対応せずオミットされた。VRゲームとして本作に期待していた人は、PS4版の日本ストアでの発売を待ってほしい。

スイング&デストロイ!バーディーチャンスは自ら作れ!

本作は『100ft Robot Golf』のタイトル通り、100フィートの巨大ロボを操作するゲームだ。プレーヤーは多種多様なロボに操り、アツいバトルへと身を投じる。

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だが、このゲームのバトルとは格闘戦のことではない。そう、ゴルフだ。このゲームは巨大ロボを操り、ボールをカップめがけてショットする紳士のスポーツ「ロボットゴルフ」で勝利を目指す巨大ロボバトルゴルフゲームなのだ。

このゲームは1人プレイだけでなく、4人までのローカル対戦とインターネットマルチプレイに対応しており、いつでもお友だちとロボットゴルフで雌雄を決することができる。

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ではロボットゴルフとはいかなるスポーツなのか?

その基本となるゴルフ部分は一般的なゴルフゲームとそう変わらない。風や勾配を考慮してショットする場所を決め、ボールの打点を調整し回転をかけ、ゲージを狙ったところで止めてショットする。巨大ロボに乗ってはいるが、意外なほどまっとうにゴルフゲームをしている。

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しかし、このゲームでボールを打つのはロボだ。そのためショットの成否を左右するゲージのシステムがロボによって変わってくる。一般的なゴルフゲームと同じタイプ、2人のパイロットが息を合わせるタイプ、ロボとのシンクロ率をゲージで図るタイプ、コントローラーの左右トリガーでアクセルを踏んでパワーを調整するタイプなどいくつかのショットシステムが搭載されている。

難しく見えるが、どのシステムでも飛ばしたい場所を指定すればゲージをどこで止めればよいかロボが計算してくれるようになっている。慣れればどのロボでもかなり正確なスイングが行えるだろう。

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だが、ロボットゴルフはコース上にビルや橋などの建造物があるのが常である。巨大ロボ用の専用コースなんて巨大な平地があれば、人間が住んでしまうのはしかたがない。だが、これらの建造物は我々ロボットゴルファーにとって障害物となる。これではいくら正確なスイングができたとしても、カップインなどできはしない。どうすればいいのだろう?

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……お前は何に乗っている。その巨大ロボの屈強な腕で、ビルを破壊してしまえ!

クラブはボールを打つだけでなく、剣のように振り回すことができる。邪魔なビルは殴って破壊し、バーディーへの道を切り開くのだ。住人の安否なんて細かいことを気にしているようではロボットゴルフでいい成績を残せない。

ゴルフコースは大混雑!敵を蹴散らし勝利を掴め!

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さて、巨大ロボでゴルフをするということがどういうことか分かったところで、ロボットゴルフという競技のルールにも注目しよう。

最も特筆すべきルールは、パッティングを順番に行うわけではなく、全員でそろってスタートし、全員でボールを追いかけコース上を歩き回るところだ。普通のゴルフは、他人の邪魔にならないようパッティングを順番に行うわけだが、そういう気づかいはロボットゴルフにはない。

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ただでさえ巨大なロボが4体もコース上を歩き、各々が好き勝手にクラブを振り回すわけである。となれば、打ったボールが他のロボに当たってしまうのはもはや必然である。ロボットゴルフではロボのボディは飛んでいる鳥と同じだ。当たっててコースが変わってしまっても、打ち直しにはならない。

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ならばと気づいた方もいるだろう。そう。飛んでいるボールに体当たりすれば、敵のボールのコースを変えることができてしまう。他にも、コース上にビルの残骸をばらまいて邪魔するなんてことも許されてしまう。おお、巨大ロボに乗っているのになんとせこい妨害作戦か。

しかし、競技がゴルフである以上この妨害は致命的だ。なんとしても妨害されることは避けねばならない。ならば、相手よりもコースを早く回ることが重要になる。相手よりも前にいれば妨害は受けにくいし、逆に妨害をする余裕も生まれる。だが全員一斉にスタートし、なおかつ正確なショットを打てるロボットゴルフにおいて、相手よりも一手二手先に進むのは難しいのではないか。

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……だからお前は何に乗っている。ロボバトルで相手を叩きのめせ!

このゲームのロボはどれも頑丈で破壊することはできないが、強い衝撃を与えることで吹き飛ばすことができる。敵ロボを吹き飛ばしてボールから引き離すことができれば、敵のショットは遅れ、自分が先にショットを打つことができるというわけだ。だが注意してほしい。スイング体制に入っているロボに攻撃は効かない。むしろ相手のスイングの衝撃で逆に吹き飛ばされてしまう。あくまでロボットゴルフは紳士のスポーツ。相手のスイングまで妨害するのはマナー違反ということだろうか。……マナーとは一体。

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一般的なゴルフはショット数を競うものだが、このゲームではショット数ではなくカップインまでの早さで順位を争う独自のルールが基本となっている。もちろんショット数を競うモードもあるが、早く回らなければやはり妨害の餌食になってしまう。このゲームにおいてコースを回る早さこそが全てだ。

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いかに敵より早くコースを回り、有利なポジションにつくか。自分だけでなく、敵もそれを考え、妨害を仕掛けてくるのはわかっている。ならばこの泥沼の戦いをいかに制するか?ここで重要になるのが各ロボの特性だ。

ロボには武器と必殺ボールがそれぞれ搭載されている。武器は遠隔から建造物を破壊できるバルカン砲、一気に整地と妨害を行える爆撃、迫る敵を吹き飛ばす光り輝く剣などがあり、これらはクールダウンさえ終われば何度も使えるので主力兵器として活躍する。必殺ボールはショットするたびに少しづつ貯まるエネルギーが100%になると発動できる。カップに自動で近づいていくマグネティックボールや、ボールに近づいた敵ロボが一定時間踊ってしまうパーティボールなど強力な能力を備えている。

これらと先述したショットシステムの差で、各ロボに特徴が生まれている。ボールコントロール重視のテクニカルロボ、妨害が得意な爆撃ロボ、すばやい移動で差をつけるスピードタイプ、ゴルフゲームとしては破格の性能だが格闘に弱いロボなど、それぞれに一長一短がある。自分の操作するロボと敵ロボの特性を理解することで、勝利への戦略が見えてくるわけだ。なかなか奥が深い。

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だが、実際プレイするとわかることだが、勝利を考えない荒らしプレイが簡単にできてしまうし、ゲームバランスが取れていない部分も大きい。強いロボはとことん強いので、競技性が担保されているようなゲームでは決してない。それこそ紳士協定を結んだ間柄でないと不快な思いをしてしまうかもしれない。競技として盛り上がるというよりは、パーティゲームとしてみんなでワイワイ楽しむゲームという印象だ。

しかし、そういったバランスの悪さを差し置いてもロボバトルとゴルフというアンバランスな組み合わせと、そこからくるドタバタのゲームプレイは他のゲームにはない魅力がある。ぜひ『100ft Robot Golf』でお友だちと対戦し、紳士のスポーツから離れに離れたロボットゴルフを体験してほしい。

ロボット作品への愛とユーモアでいっぱい

対戦ゲームとしての『100ft Robot Golf』の魅力を紹介したが、では本作は一緒に遊べるお友だちがいないと遊べないゲームなのか?そんなことはない。このゲームには1人プレイ用のキャンペーンモードがあり、これがロボアニメとその流れにあるロボット作品へのリスペクトに溢れた素晴らしいものなのだ。

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まず目を引くのがストーリーに登場するパイロットたちのキャラクターデザインである。80~90年代の日本アニメを意識したキャラクターデザインは非常に濃い。まさか2010年代後半にさしかかろうという今になって、この濃いキャラデザと出会えるとは思わなかった。

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加えてロボデザインにもぜひ注目したい。いわゆるロボアニメらしいデザインや、生物的なラインを持つバイオロボ、原色5色で構成されたいかにも合体してそうなロボまで、様々なデザインのロボが並ぶ。これらも長く続くロボット作品の文脈から抽出されたものであろうことは容易に想像がつく。

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もちろんリスペクトは見た目だけにとどまらない。ストーリーはパロディの連続だ。ニヤリと笑えるユーモラスな展開が待っている。残念ながら日本語ローカライズはSteam版でもされていないが、英語でもロボット作品好きならすぐにそれとわかる展開ばかりなので、問題なく楽しむことができるだろう。

ロボットゴルフの陰に潜む計画。交錯するパイロットたちの運命。謎のインフィニティボールの存在。そして物語は月面ロボットゴルフトーナメントへと収束する。キャンペーンの最後にパイロットたちを待ち受けるものとは?ぜひあなたの手で確かめよう。

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ただ、英語がわかればなお面白いゲームなのは事実。というのも、このゲームはプレイ中常に実況と解説がつくのだ。キャンペーンだけでなく、マルチプレイのようなストーリーのないゲームであっても実況してくれる。ゴルフ中継の雰囲気をよく出ており、様々なシチュエーションに対応したパターンが数多く用意されている。ゲームのユーモラスな雰囲気を支える大事な要素なだけに、日本語がないのが非常に惜しい。

英語だと避けず、ぜひ遊んでほしい作品

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日本語ローカライズがされず、長らく日本から正規に購入ができなかった『100ft Robot Golf』。やっと日本から遊べるようになったとはいえ、言語の壁は高く避けてしてしまう人も多いかもしれない。だが、本作はロボットアニメとそれに続く文化への愛とリスペクトで満ちている。ならばたとえ言葉がわからなくとも、ロボット文化に浸って育った日本人ならこの作品を楽しめるはずだ。

やっと海を越えて届いたロボットアニメへのラブコール。遊ばないのはもったいない。ぜひハチャメチャなゲームプレイと、愛に溢れるパロディを楽しんでほしい。

[作品情報]
タイトル 『100ft Robot Golf』
制作者 No Goblin(制作者様サイトはこちら)
対応OS 64-bit version of Windows 7 with SP1 or later, Windows 8, or Windows 10
プレイ時間 1マッチ15~20分程度、キャンペーンクリアまで4~5時間程度
価格 1,980円

購入はこちらから


大爆走フリゲアクション『Elemental Warrior』上半身裸の部族の男が、超高速で地を、壁を、天井を駆け抜ける!

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風を身に受け、景色を流し、人を追い抜き、1分1秒でも素早くたどり着く。自らを研ぎ澄ましていく感覚。”速さ”への欲求というのは、人間の根源的な部分のひとつではないか、と考えることがある。

速さ、スピード感というのはアクション性のあるゲームにおいても重要な要素といえる。今回紹介する『Elemental Warrior』(エレメンタル・ウォーリア)も速さを追求した作品のひとつだ。

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『Elemental Warrior』はbunaguchi氏の制作による横スクロール型アクション・フリーゲームである。2月17日よりVector、ふりーむ、夢現、itch.ioなどフリーゲームサイト各所にてダウンロード可能だ。

部族の危機に立ち上がれ

舞台は文明社会から遠く離れたとある部族の村。精霊の加護のもと、大自然と共にある太古から変わらぬ平穏な暮らしをしていたが、ある日突然空から「災い」が訪れ、村が荒らされるようになってしまった。

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困り果てた人々は救いを求めて祈祷を行った。そして精霊からのお告げにより、部族いちの俊足を持つ若者「ヨパガ」が、「災い」を食い止めるべくその根城である「プンゲ山」へと向かう事になった。

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ところでこの「災い」、どこからどう見てもアダムスキー型飛行円盤…典型的な宇宙人というやつである。宇宙人の概念を知らない部族の民の目から見ればこのような認識になるのだろうか、とクスリとさせられる一幕だ。

壁を、天井を、ありとあらゆる場所を突っ走れ

本作はスタンダードな2Dアクションゲームとなっており、プレイヤーは俊足の若者「ヨバガ」を操作し、ゴールを目指して進むことが目的となる。

ヨパガは左右移動やジャンプ、スライディングといったアクションのほか、ナイフ攻撃やアイテム消費で画面全体にダメージを与えるボム攻撃などを行うことができる。敵や針山などに接触してしまうとライフが減り、ライフの数が0になるとミスとなる。

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本作の最大の特徴は冒頭でも述べた「スピード感」にある。主人公・ヨパガは左右に移動し続けると徐々に加速していき、一定以上の速度で体が発光する「高速状態」となる。高速状態では体当たりで敵を倒したりヒビの入ったブロックを破壊できるようになる。

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また、高速状態で壁に張り付いたときに、壁と並行方向へキー入力することで、地面から壁へ、壁から天井へと駆け上がる「キックターン」を行うことができる。
上半身裸の部族の男が超高速で駆け抜けながら立ちふさがるものを粉砕し、壁を駆け上がり天井を走り抜ける圧倒的なパワフルさは一見の価値ありだ。

後半になると連続キックターンで輪を描くようなシーンや、天井走り中に上下逆転でスライディングを入力して針を潜る難易度の高いポイントもあるので、キックターンの操作に慣れることが攻略への第一歩だ。

更にアイテム「エレメント」の入手やナイフ攻撃で敵を倒すと蓄積される「ブーストゲージ」を高速状態の時に使用すると「オーバーブースト」が発動し、最高速度の上限を上昇させ更なるスピードアップをはかることができる。最終ステージではオーバーブーストが必須テクニックとなるので、ナイフ攻撃によるブーストゲージの蓄積を意識にいれておこう。

ゆっくり進んでも楽しいアスレチック・アクション

バックストーリーの「プンゲ山」でピンときたフリーゲームファンも居るかもしれないが、本作はかつて開催されていたフリーゲームのコンテスト「3分間ゲームコンテスト」を意識した作品となっており、全4ステージを3分以内にクリアすることで真のエンディングに辿り着くことができる。オーバーブーストなどはまさにタイムアタックのためのテクニックといえるだろう。

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ではタイムアタックをしなければ絶対に楽しめないのかというとそうではなく、残機数15以上でクリアすることでも真のエンディングへと到達することができる。操作に自信がない人でも1upアイテムを拾い集め、残機を増やしながらじっくり進んでもよいという点は嬉しい配慮だ。

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タイムアタックにこだわらずとも、ステージの構成を把握し、スライディングやキックターンなどのテクニックの使い方をひとつづつ身につけていき、難所をスイスイ進めるようになると気持ちがいい。短篇ながらもアスレチック・アクションの原始的な楽しさを感じられる作品になっているといえるだろう。

[基本情報]
タイトル: Elemental Warrior
制作者: bunaguchi
クリア時間: 3分~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア

↓ダウンロードはこちらから
(Vector)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/game/se515225.html

(itch.io)
https://bunaguchi.itch.io/elemental-warrior

鞭ではなく、耳がしなる!『ファラオリバース』はウサ耳トレジャーハンターの荒唐無稽・遺跡アクション

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2016年冬期のダークホースと称され、2017年の同時期にはその人気に応える形で二期も放送されたアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』。その二期のブルーレイ、DVDの初回限定版には『復活のベルディア』なるPC用アクションゲームが特典として付いてくる。

……唐突に、アニメの話から入ってしまったことをご容赦願いたい。しかし、この特典ゲーム『復活のベルディア』は、実はこれまでに『モグラリバース』、『アクションモグラ』などのアクションフリーゲームを手掛けた制作者・クロボン氏率いるゲーム制作グループ「ladybug」が作った作品なのである。

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今回は『復活のベルディア』を機にクロボン氏を知った方々にも向け、氏が手掛けた直近の作品、『ファラオリバース』を紹介。

鞭ではなく、耳がしなる荒唐無稽な遺跡探検アクション

ゲーム内容は横スクロールの探索型アクション。過去の冒険でウサギの姿にされたトレジャーハンターで主人公のジョナサン・バンフィールドを操作し、自らにかかった7日以内に死ぬ呪いを解くべく、そのカギとなる「7つの聖杯」を探し求め、エジプト各地の遺跡を探索していくというものだ。

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ゲームはエピソードごとの舞台として用意された遺跡を探索し、その最深部で待ち構えるボスの撃破を目指す形で進行。いわゆるステージクリア方式で、広いマップの隅々を調べていく探索型アクションとしては珍しい、明確な区切りの設けられた構成になっている。

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主人公のジョナサンは、ウサギに変えられた元人間の設定に則った、ユニークなアクションをお披露目。最大の特徴は耳を使った技で、ウサギらしさと荒唐無稽さの二つが入り混じった、個性的なアクションに完成されている。収縮自在の耳を鞭のように振り回し、目前の敵を狩る。その様子だけでもご意見無用・突っ込み上等、細かいことは気にするなの精神が炸裂しており、プレイする者に鮮烈な印象を残す。

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そんな注目のアクション部分だが、ゲームが進む度に使用できるアクションは段階的に増えていく。その内容も、耳を紙飛行機のような形にして滑空したり、特定のフックに耳を引っ掛けてワイヤーアクションをしたりなど、「そんなまさか!」と思わず声が出てしまう荒唐無稽なものばかり。それでいて、「ウサギだからできて不思議じゃない」と納得させる(謎の)説得力に満ちている。

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もちろん、それらの習得によって行動範囲が広がる、探索型アクションの醍醐味も万全だ。既にクリアしたエピソードに戻ってみることで隠されたアイテムを入手できたりなど、様々な恩恵を得られるので、ドット絵で作られた美しいマップの隅々まで調べ尽したくなる面白さがある。

キャラクターの可愛らしさ、基本アクションの荒唐無稽ぶりから、軽い印象を抱くかもしれないが、その手応えは本格的。奇抜な見た目からは想像もつかないテクニカルな操作、それに連なるスリリングな探索を楽しめる内容にまとめられている。ヘンテコさと堅実さの二つを求め、プレイヤーをあっと言わせる。そんなコンセプトが敢行されたアクションゲームに仕上げられているのだ。

ステージクリア方式の取っつき易さとやり応えを突き詰めた構成

取っつき易いゲームデザインも魅力の一つ。先の通り、今作はステージクリア方式で進行する仕組みになっていて、明確な区切りが設けられている。

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探索型アクションというと、複数のエリアで構成された広大なマップを隅々まで探索し、最終目的の達成を目指すというのが基本的な流れだ。裏を返せば、そこに到達するまでゲームがずっと続く。ストーリーに関連したイベントが終わっても、ボスを倒してもゲームは止まらず、最終目的達成まで続いていく。

自ら止め時を設定するのを考えないと、延々とやり続けることになる。極端な話だが、それが探索型アクションの特色であり、恐ろしいところ。また、区切りが最後の最後にしかないことが初めて探索型アクションを遊ぶプレイヤーにとって、最も戸惑いを覚える箇所でもある。

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そこを今作はステージクリア方式を起用することによって、初めて探索型アクションを遊ぶプレイヤーも戸惑いなくプレイできるようにしている。基本、ステージ最深部で待ち構えるボスを倒せば、エピソードクリアという一区切りになり、ゲームが小休止する。そして、そこからそのまま続けるもよし、今日は止めて明日続きをやるも良しの選択を気軽に行える。

このような区切りがあるので、初めて探索型アクションゲームを遊ぶプレイヤーでも目的意識が持ち易く、それでいて適切な止め時を意識してプレイできる。最終目的達成に長いこと縛られることもなければ、止め時を設定する意識をする必要もなく、気の赴くままに本編を進めていけるのだ。

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また、ステージクリア方式ならではの起伏に富んだ展開の数々も大きな魅力。巨大ヘリの襲撃、道なき道をジープで突き進むなど、エピソードごとに舞台が変わる強みを活かした、多彩なイベントの数々はプレイヤーを退屈させない。

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マップも広すぎず狭すぎず、複雑な分岐を設けずの適度なバランスでまとめられているので、テンポ良く進めていけるのが気持ちよい。時には僅かなミスも許さない操作が求められる難局も立ちはだかるが、事前にセーブポイント(リトライポイント)を設ける配慮を施し、再開時のストレスを緩和させる措置も万全に成されている。そう言った遊び易さと手ごわさを両立させているのも絶妙で、初めて探索型アクションを遊ぶプレイヤーから熟練者までフォローする調整の妙を実感させられること請け合いだ。

今、ウサギと亀のアドベンチャーがエジプトの地に燃える!

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丁寧に描き込まれたドット絵で彩られたグラフィックも素晴らしく、特にエピソードの終盤で登場するボス達はその真骨頂とも言える出来。見た目だけでなく、攻撃パターンも個性的で、プレイヤーの予想をいい意味で裏切る行動をお披露目する。中にはジョナサンの耳アクションに匹敵する、荒唐無稽な攻撃と動きで攻めてくるボスもいるので必見だ。

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ボリュームもエンディングまでは大体3~5時間ほどだが、隠されたアイテムの収集などの寄り道、やり込み要素は豊富。ストーリーもコメディあり、シリアスありの見応えのある内容で、特に中盤以降の熱い展開にはつい見入ってしまうものがある。

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探索型アクションゲーム初体験なプレイヤーに優しく、熟練者の欲求にも十分に応えてくれる密度と手応えを誇る今作。可愛いウサギが耳を振り回しながら、遺跡の探検と敵との激しい戦闘を繰り広げていく様は今作でしか体験できないものがあるので、興味を抱いた方はぜひ、機会があったらプレイしてみて欲しい。

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なお本作は2015年5月27日、ニコニコ動画内の「ニコニコゲームマガジン」にて公開されたフリゲ作品で、連載形式で同年10月16日までの約5ヶ月に渡り、ステージ及びエピソードが追加されていった(全4話)。2016年3月18日には、フリゲ版にはない多くの新要素を実装し、システム周りにも改良を施した有料版『Pharaoh Rebirth+』がSteamで配信されている。

現在もフリゲ版、有料(Steam)版の二つを選べるが、筆者としては後者、有料版をお薦めしたい。充実した内容もさることながら、難易度選択機能の搭載によって、アクションゲームに苦手意識のあるプレイヤーに優しく、かつ更なる難しさを求めるプレイヤーにも適応した作りになっているからだ。他にも操作性の改良を始め、細かなパワーアップも施されているので、どうせプレイするのなら骨の髄までしゃぶり尽せる方を…というのなら、ぜひご検討のほどを。

[基本情報]
タイトル: 『ファラオリバース(Pharaoh Rebirth+)』
制作者: クロボン(KROBON station)
クリア時間:3時間~5時間(※やり込み要素のコンプリートを除く)
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料(電ファミニコゲームマガジン版)、¥980(Steam版)

https://gamemaga.denfaminicogamer.jp/pharaoh/download.html

『ワンダと巨像』等に影響受けたアクションゲーム『救う』がSteam Greenlightに登録 ドット絵で描かれた巨大竜に、少女が立ち向かう

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4月1日、個人ゲーム開発者のいくちおすてご氏は、巨大なドラゴンと少女が戦うアクションゲーム『救う(SHE SAVE)』を、「Steam」の配信プロセスであるSteam Greenlightに登録した。現在、同ページにてゲーム概要と開発中動画を視聴することができる。

『救う(SHE SAVE)』Steam Greenlightページ

上記ページによると、『救う』は、角の生えた少女が何かを「救う」ための戦う短編アクションゲームとのこと。開発中動画では、ドット絵で描かれた巨大なドラゴンの印象的な姿をみることができる。彼女が課せられた使命を果たすには、それら大きな力を持つ竜たちと戦うことが避けられないようだ。

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プレイヤーキャラである彼女は、竜の攻撃を飛び越えるようなジャンプなどは出来ないが、剣での攻撃や、盾を使用した防御、魔法での回復といったアクションが可能。一方で、登場するドラゴンたちも多様な攻撃パターンを持っており、現段階では、ドラゴンの巨大な体躯と爪を活かしての攻撃や、画面全体に放たれる放電攻撃、口から放出される炎のブレスなどを確認することができる。

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本作は、2017年1月に開発中の動画の一部が公開された際に大きな反響のあった作品だ。制作者のTwitterによると、本作は主人公の青年ワンダが「巨像」と呼ばれる巨大な敵と戦う『ワンダと巨像』などに影響を受けているとされている。

なお、対応言語は日本語・英語が予定。Greenlightを通過した場合の具体的なリリース予定時期は明らかとはなっていないが、今後の情報を待ちたいところだ。

【基本情報】
タイトル『救う(SHE SAVE)
制作者 いくちおすてご氏
対応OS PC/Mac

フリーホラーゲーム『ナイトメアホルン』 外れない「着ぐるみ」を被せられた主人公の脱出録

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さてさて、数々の名作が存在する「RPGツクール」製のフリーホラーゲームから、今回はさくっとできる短編『ナイトメアホルン』をご紹介。

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おおお、なんか怖そうだ。

主人公は、なぜか着ぐるみの頭をすっぽりとかぶせられた「アクター」。鍵のかかった部屋で目覚めた彼は、同じ境遇らしい「ジャック」とともに、閉じこめられた屋敷からの脱出を目指す。

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ゲーム内容としては、各部屋の謎を解きつつ、追いかけてくる異形から逃げ回るというものになっている。もちろん異形に触れた時点でゲームオーバーだ。ちょうど『青鬼』とかと同じゲームシステムだ。

ただこの作品は、シンプルで印象深い演出やセリフの連続で、恐怖を積み重ねていく。暗い屋敷の中の、基本的に無音(BGMがない)の空間で、不意に音が鳴り、笑い声が起き、明るい部屋に出る。

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そして「初見殺し」の罠も・・・

このゲームではキャラクターどうしの会話などは控えめで、黙々と1~3階まである屋敷を駆け回ることになる。ダッシュしても微妙に遅いアクター君は、時に部屋に入ったところで背後から襲われたりしながらも(つまり、死んで覚えるタイプのゲーム)、パズルのように一つ一つの問題を解いていく。

変な信号機とか、ウサギとか、大正時代の大学生風の男とかの殺意をかわしつつ、謎とも問題ともつかない「課題」が、次の謎とも問題ともつかない事態へと連鎖していく。

適当にボタンを押して試行錯誤していれば解決するといった類いの謎ではなく、実際に頭をひねる要素もある。手元に、メモ用紙とペンを用意して、プレイに望んだ方がいいだろう。

「謎解きが苦手」という、そんなあなたも、安心して欲しい。

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ゲームが進行できなくなったときの「詰み」対策もちゃんと実装済みだ。部屋ごとにヒントが聞ける。
 
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屋敷の各部屋は脈絡がなく、でっかい時計があったりブランコがあったりするところもある。誰かの思い出か? それとも屋敷の意思か?

必要なアイテムを集め、各階の人物の提示する問題を解き、部屋を一つ一つ突破すると、いよいよ玄関のカギが手に入る。

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やった! 出口だ! そして……
 
これまでの紹介でこのゲームに興味を持った人は、ぜひ自分の手で出口まで脱出してみてほしい。いろいろと考えさせられる余地を残し、恐怖は続く。そのあたりの演出も、まさに正統派ホラーといった感じだ。

作品のプレイ時間は20分~40分。シンプルながらも恐怖の要点を突き、ほどよい謎解きでストレスもフリー。主人公を追う「異形頭」たちは、制作者がTwitterで募集した有志たちがそれぞれ作成したもので、どれも個性的だ。

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『ナイトメアホルン』。夜寝る前のちょっとした空き時間や、暗い雨の日で外に出る気が起きない休日などに、プレイするのがおすすめなゲームだ。

【基本情報】
タイトル『NIGHTMARE HORN』
制作者WH氏
クリア時間20~40分
対応OS Windows
価格無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14248

短編フリーゲームRPG『木陰のアンチクリスト』魔女と教会の因縁と、一人の少女の“小さな想い”

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今回は、鍵虫氏によって制作された短編フリーゲームRPG『木陰のアンチクリスト』を紹介します。本作では、魔女と教会の因縁と、一人の少女の小さな想いの物語が描かれます。ゲーム全体は少し暗めな雰囲気で、難易度もやや高め、謎解き要素が強くなっています。

特徴としては、短いながらまとまったシナリオ、惹きつけられるキャラクターたちの会話、基本は単純ながら戦略性のある戦闘システム。さらには極力ストレスを減らすよう配慮された細かい工夫も特徴のひとつです。

なお、シナリオには少量の女の子同士の恋愛要素、いわゆる「百合」が含まれています。しかし強めの表現はないので、よほど苦手でもない限り大丈夫です。(制作者曰く「苦手な人はこれを期に好きになってみませんか。」とのこと)

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魔女と少女の、教会からの逃避行

魔女の弟子である、魔法少女チコリー。ある日、師匠の魔女ウルティカが教会の処刑人に捕まったと聞いたチコリーは、師匠のいる「封印の樹海」の最奥に乗り込みます。しかし当のウルティカ本人はまったくの無事。むしろ脱出が少し面倒になったなぁというようなことを言われつつ、2人で協力して魔物を倒し、謎を解き、追手から逃れることになります。

立ち絵や顔グラフィックはないものの、僅かなドットの動きや口調からしっかり感情が伝わってくるのが魅力の作品です。

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チコリーの師匠、魔女のウルティカ。クールでいつでも余裕のある雰囲気を持っています。
 
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魔女ウルティカの弟子のチコリー。まだまだ幼く、言動もかわいらしいですが、れっきとした魔法剣の使い手でもあります。
 
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教会からの刺客。チコリーが必死に反論しようとしますが、聞く耳を持たない様子です。
 
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幕間に挟まれる、教会側と思しき人物たちの会話。さまざまな思惑が絡んでいるようです……。
 
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休憩中、ふと恋愛の話に。会話の流れから少し慌てだすチコリー。どうやら想い人が……?

ストレスを排した、戦術・謎解き重視のゲームデザイン

このゲームの魅力の一つである、戦闘システム。基本的には単純なターン制です。一番の特徴は、毎ターンMPが1ずつ回復すること。ウルティカはMP15、チコリーはMP10と少なめの値ですが、毎ターンのMP回復を考えて、どう魔法を使っていくかが鍵となります。
 
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蘇生方法は通常のHP回復と変わりないので簡単ですが、それだけ戦闘不能になることも。
 
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属性は2つしか存在せず、敵味方ともどちらかの属性は持っているので、それを考慮にいれた戦術も大切になります。
 
ボス戦では、敵は一定ターンごとの決められたパターンで攻撃してきます。その中でどう行動するべきか考えるのは、もはやパズルゲームに近い感覚でやり応えがあります。戦略を組むのが苦手な人向けに、やさしめの難易度や、負けたときにヒントが見られる仕組みなどがあり、配慮も行き届いています。
 
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数ターンに一度の大威力の魔法に合わせて、魔法をキャンセルさせる技を使うなど、敵の行動パターンを把握して戦術を組みましょう。
 
戦闘以外でも、たいていのマップには謎解きが仕掛けられています。どうしてもわからなくなったら強行突破も使えますが、解くことができればボーナスがもらえます。戦闘でも探索でも思考が必要なゲームと言えます。
 
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謎解きはマップ全体に散らばっているものから、一か所で解くパズルのようなものまで。
 
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宝箱にも謎解きが仕掛けられていることが。ストーリーを進めるための謎解きより、やや難しめです。
 
頭を使う場面が多い一方で、それ以外にプレイヤーのストレスになるような要素は極力取り除いてあるのも特徴のひとつです。たとえば、戦闘はシンボルエンカウント方式なので、敵を避けて移動することが可能。戦闘時では、負ければすぐにリトライするかの選択肢が出現。イベントスキップ機能もあり、マップの切り替え時でさえ、待ち時間を置かずにすぐ切り替わります。とことん頭の使用量をゲームの内容に割いて集中できるように作られています。
 
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再挑戦がしやすく設置されたリトライ・イベントスキップ機能。難易度が高いゲームだけに、嬉しい配慮です。
 
常に考えながらゲームを進めていくことになるので、あまり頭を使わずに爽快感やアクション性を得たいという人には向いていません。戦術で悩むことが多い人は、プレイ時間が4時間やそれ以上になることもあるかもしれません。ゲームを隅から隅まで遊びたいという人は、よほど戦術に自信がない限りはやさしめの難易度で始めたほうがいいでしょう。

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歯ごたえある難易度のために攻略を諦めたくなることがあっても「魅力的なキャラクターたちの会話が見たい!」という思いが努力に繋がることもある作品でした。少し重めの雰囲気の物語が好きという人にはオススメできるゲームです。

[基本情報]
タイトル 『木陰のアンチクリスト』
制作者 鍵虫 様
クリア時間 2~4時間程度
対応OS Win 95/98/2000/NT/ME/VISTA/7/8
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14126

制作者サイトはこちら
http://tktkbousi.wixsite.com/neoteny

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『ib』『魔女の家』風のフリーホラーゲーム『ファウストの悪夢』 Steam版が配信開始

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4月9日、台湾のインディーゲームサークルLabORat Studioは、フリーホラーゲーム『ファウストの悪夢(Fausts Alptraum)』の配信を開始した。現在、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」にてダウンロード可能となっている。対応言語は日本語・英語・中国語の3ヶ国語。

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『ファウストの悪夢』Steamページ

本作は海外のフリーゲームでありながら、日本国内の名作ホラーアドベンチャー『Ib』や『魔女の家』の雰囲気を感じつつ、かつ本作の強い独自性を持って作りこまれており、「物語」と「謎解き」の絶妙なバランスが特徴となっている。

またイラストレーションも、日本のフリーゲームの雰囲気とはやや異なりつつも、かわいらしくも残酷性の見える童話的な絵柄が目を惹くものとなっている。

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物語としては、父を亡くした少女「イリザベス」が主人公となる。イリザベスは父の葬式の後、叔母に連れられてとある屋敷にやってきていた。屋敷に入った叔母の後を追うイリザベスは、不思議な格好をした悪魔に出会う。逃げようとするイリザベスだが、屋敷の外に出るための扉が消えてしまっていた。そして突然現れた黒い猫に導かれるように、狂気と謎に満ちた屋敷の中を探索することになる……。

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主人公であるイリザベスの体力と、プレイヤーの見える視界の広さが比例しているシステムに加え、「世界観に合致した謎解き」をしっかりと作りこむ丁寧さが印象的な作品。探索アドベンチャーにおいて、「世界観」や「物語」の無いところに無理やり「謎解き」を置こうとすると、ともすれば「鍵を集めて、扉を開ける」ことを繰り返すゲームになってしまいがちだが、本作は「物語の上に、自然と謎解きが乗っかっている」という巧みな設計を感じさせてくれるゲームだった。

本作は既に「ふりーむ!」等のダウンロードサイトにて日本語版が配信されている。Steam版のリリースにあたり、今後、ダウンロードコンテンツとして設定資料集など電子書籍の頒布も行われる予定とのこと。未プレイの方は、今回のリリースを機会に遊んでみてはいかがだろうか。

[基本情報]
タイトル 『ファウストの悪夢』
制作者 LabORat Studio
クリア時間 5~10時間程度
対応OS Windows 7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから

中編フリーゲームRPG『ファントムルーラー』配信開始 闇に侵食された世界で成長する王女の物語

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3月19日、ゲーム制作者のKOU氏は、心優しき王女の苦難と成長が描かれるフリーゲームRPG『ファントムルーラー』の配信を開始した。対応OSはWindows。本作は、フリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」からダウンロードできる。

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物語は、遡ること300年前。7人の者たちの手によって世界の大半が闇に覆われてしい、僅か3つの国しか残ることができなかった。闇の侵食から300年後。月に1回、魔物を生み出す「呪いの夜」と呼ばれる現象に悩まれされつつも、残された国の1つ「リヴァイアス王国」の人々は平和に暮らしていた。呪いの夜が残り3日に差し迫る中、主人公である、国の次期女王候補「アーネスティン・レンフィース」は、騎士団長のウェインと城外に出ていた。そんな時、突如として呪いの夜が発生してしまう。

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本作は、敵に触れることで戦闘が起こるシンボルエンカウント。キャラクターの速さによって行動順番が変化するカウントタイムバトル方式となっている。戦闘の難易度は「ノーマルモード」と敵のパラメーター、行動、技の威力が変化する「リアルモード」2種類から選ぶことができる。緊張感のあるバトルを楽しみたい方はリアルモードをおすすめする。

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本作の魔法習得には、戦闘後のリザルトに入手できる「結晶」が必要となる。装備以外にパラメーター強化できる要素となっているため積極的に活用していきたい。結晶集めが攻略のカギとなりそうだ。

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魔法にはそれぞれ属性が割り振られており「炎・氷・風・地・雷・水」に加え「+・-」が付属されている。戦闘中どの唱える魔法にアイコンが付いているため、戦闘中は、アイコンにてどの属性で「+か-」を一目で確認できるので相性さえ覚えてしまえば難しくない。

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物語を進めていると加わる「戦術」は、戦闘を有利にするシステムだ。連続ターンでMPの消費も無いが、1回の戦闘につき1回しか使用できず発動条件付きのも存在しているため、タイミングが重要となってくる。キャラクターごと戦術が違うため、その場の状況や後続のことも考える必要がある。

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プレイヤーがアイテムを取るために壺を壊したことで、悲しむ老人

このゲームには、RPGで当たり前にやってしまう行為にも躊躇するようなプチイベントが用意されている。他にも、コミカルなイベントシーンもあるのだが、徐々にシリアスな展開になっていき、アーネ達の行く末に引き込まれていくことだろう。

[基本情報]
タイトル 」『ファントムルーラー』
制作者 :KOU
クリア時間:15時間~
対応OS:Windows
ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14361


フリーホラーゲーム『204に眠る』 自らの存在をさぐりつつ、無人の世界から脱出する

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閉じ込められた空間から脱出する「脱出系」のゲームは、いつでも根強い人気があるものとなっている。今回は、そんな脱出系のゲームとして、2017年初頭に発表された『204に眠る』を紹介する。フリーゲームでありながら声優付きの、豪華な短編だ。

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主人公の「メグミ」は気がつくと、自分の部屋の床に横たわっていた。「もうこんな時間」とリビングに降りると、父も母も、飼い猫のシーもいない。玄関も内側から開かない。家を探索すると、変なところにアイテムや隠し階段があり、尋常な様子ではない。

少女メグミの、脱出劇が始まる。

と、ここまではよくある脱出ゲームだけど、このフリーゲームはそれだけにとどまらない。一言で言うと、自分の妹を名乗る明らかな人外の存在から逃げつつ、商店街、学校、そして病院の仕掛けを解いていくゲーム、になる。

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この妹、狂暴につき注意!
 
この子の名前は「ユウ」ちゃんという。主人公の妹を名乗るだけあって、姿も声もそっくりな女の子だ。

主人公の手に触れるとその手に呪いがかかったような文様を浮かび上がらせ、しかも見つけると執拗に追いかけてくる特性を持つ。やっかいなことに足も速い。

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彼女の最初の攻撃をかわせた、そんなあなたはニュータイプです。

「見つけた~」
「そこにいたか~」

そんな、可愛らしいボイスで死をお届けにやってくる女の子。ちょっとしたトラウマものだ。彼女からはただ逃げるしかなく、隠れてやりすごす工夫さえも必要になる。

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幸いユウちゃんは頭(AI)がそんなに「高性能」なわけではないので、遮蔽物を利用して直線に逃げたり、真後ろからちょこちょこ後をつけて出口に近づいたらダッシュする、といったやり方が可能だ。

というか、こういった手を使わないと、彼女を振り切るのはむずかしい。特に店のほとんどが閉まっている商店街では、カギで開けられる店を求めて、ヘタしたら数分間彼女と追いかけっこをするはめになる。

と、ここまで書いたが、この物語の目標は決して彼女から逃げることではない。閉鎖空間から脱出することだ。

このゲームの醍醐味は、謎を解いていくと過去に主人公に何があったのかがわかるところだ。それは床に落ちている「日記」の断片だったり、「しおり」をめぐる思い出だったりする。

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どうやら、メグミには過去に経験した「二つ」の重大な事件があって、そのため閉鎖空間にいて「妹」に追われているのだ。

「一つ」の事件を解いていくゲームはあるけれど、「二つ」となると、それらをまとめる作者の技量も必要になってくる。その点『204に眠る』は、シンプルでわかりやすい演出とコンパクトなシナリオにより、ゲームとして上手く短編に落とし込むことに成功している。

演出の面でもう一つ付け加えるなら、BGMの使い方が印象的だ。通路を歩いている時はおどろおどろしいBGMが流れているのに、部屋に入ると一転して時計とかの効果音のみの空間になる。単純なようだけど、こういった演出を物語の世界観にあうように設定するのは、なかなか難しいと感じる。

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で、最大の山場となるのが学校だ。仕掛けが多く、建物は複雑で、妹の追撃が頻出する。筆者はここでもっとも手こずった。

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なお、このゲームには時間制限がある。正確には「歩数制限」で、15,000歩以上を歩くとめでたくタイムオーバーだ。

妹の追撃から逃げ回るときも、もちろん歩数はカウントされる。ただクリアを目指すのではなく「効率よくクリアする」プレイングが必要だ。そのため、複数のファイルに分けての小まめなセーブを推奨する。

いちおう救済策として、妹から逃げるイベント発生直前に、オートセーブが施される。場所は20番目のファイルだ。

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これで、ニュータイプではない画面の前のあなたも安心なわけだ。

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妹を避け、商店街、学校と抜けると、いよいよ物語は最終局面だ。まるで歩数をかけさせようとしているような長い森を抜けた先にある、意味深な病院へとたどり着く。もちろん安定の無人状態だ。

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パスワードが散らばっている本の数だったり、人形に包帯を巻いてドアを開けたり、首のとれた地蔵をもとに戻したりとしていると、さすがにこの空間が実在する世界ではなく、一種の心像世界だということがわかってくる。明らかに、幼い子どもの目線で構成された閉鎖空間に、主人公は閉じ込められたわけだ。

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一体誰がこの世界を作ったのか? 少女はなぜ閉じ込められたのか? 妹とは何か? 「204」の意味とは?

秘められた世界の謎と過去の真相は、あなたの手で解決して欲しい。

『204に眠る』。少し暗い雰囲気で、最後には明るい演出もある。「ホラーは好きだけどバッドエンドは苦手」という人もプレイできるし、心臓が弱い人も安心だ。

毎晩の寝る前に「家」「商店街」「学校」「病院」とクリアしていってもいいし、雨の日の休日に一気にやってもいい、そんな良作ホラーアドベンチャーだ。

【基本情報】
タイトル 『204に眠る』
制作者 sIVA氏
キャラクターデザイン・CV えをん
製作ツール WOLF RPG エディター
クリア時間 50分~2時間半
対応OS windows
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/14070
 
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フクロウと協力して進むドット絵2Dアクション『Eagle Island』Kickstarter開始

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4月11日、イギリスのディベロッパーNick Gregory氏らによるインディーゲーム作品『Eagle Island』のKickstarterプロジェクトが開始された。目標金額は2万ポンド(約274万円)、日本時間で5月16日までの実施予定だ。

『Eagle Island』のKickstarterページ

本作ではプレイヤーは青年Quillとなり、相棒のフクロウKojiと共に巨大なワシArmauraに立ち向かうため、森や洞窟、遺跡などを巡ることになる。

冒険の舞台となるArmauraの棲まう島、イーグルアイランドのマップは自動生成され、縦へ横へと伸び迷路のようになったマップ構成はメトロイドヴァニアのジャンルの影響を受けているという。

そして本作の最大の特徴はフクロウのKojiとの協力プレイだ。主人公はそのままではジャンプやダッシュなどのアクションしか出来ないが、Kojiを使役することで敵に攻撃を仕掛けることが可能となるのだ。

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この独特のアクションは鷹狩にヒントを得たという。最も使役するのはタカではなくフクロウだが。
 
敵に連続で攻撃を当てるとコンボが発生し、より多くの報酬を得ることが出来るが、攻撃を外してしまったり、Kojiが敵に捕まってしまうなどするとたちまち不利になってしまうため、戦略的なプレイが必要となりそうだ。

また、マップで手に入る“トーテム”というアイテムを使うことでKojiに炎や氷、雷などの力が宿り強力な特殊攻撃をすることが出来るようになる。
マップは9つのテーマエリアに分割されており、トーテム以外にもKojiをパワーアップさせるためのアイテムを手に入れることが出来たり、それぞれのテーマエリアごとの強大なボスに挑むことも可能のようで、とても探索のしがいがありそうである。

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氷のトーテムの力。

本作は上記のメトロイドヴァニアのジャンルの他、『ヨッシーアイランド』を始めとする16ビットのレトロゲームに大きな影響を受けているようで、その美しいドット絵のグラフィックからもそれが伺える。だがそのアートワークはレトロ風に留まらず現代的なアプローチがされており、ゲームに新鮮な空気をもたらしている。この美しく彩られたマップをKojiと共に探索するのがとても楽しみだ。

本作はPC、Mac、Linux向けに2018年中頃の発売を予定している。また本作はSteam Greenlightにも登録されているので気になった方はそちらもチェックしてみると良いだろう。

公式サイト:http://pixelnicks.net/

何度も死にながら国を治めるSLG『Reigns』 2択の決断を繰り返した先に待つ、王国の行く末とは

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人間なら誰しも、日々決断しながら生きている。ランチに何を食べるかという些細なものから、どの進路に進むべきかという重大なものまで。そして、一つ一つの決断が人生を形作っていく。

ときには、目の前に広がる膨大な数の選択肢に対して、物事がもっとシンプルだったらいいのに、と思うこともあるだろう。そう、たとえば2枚のカードから1枚を選ぶような、シンプルな選択肢が欲しいと。

2択の決断で自分の人生が、そして国の行方が決まっていく――そんなゲームが、今回紹介する『Reigns』である。

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王となり、国の存亡に関わる「2択」を選び続けよ

プレイヤーは王となり、次々に迫られる2択の選択肢を左右のスワイプで選び続け、王国を繁栄させていく。

ストーリーは以下のようになっている。
若き王の前に、亡霊が現れて告げる。「4つの勢力の均衡を保ち、王国を繁栄させるべし」と。また、王は死んでも記憶を継承し、王朝が続く限りその呪いは終わらない。解放されるには、悪魔の力を借りるしかないと言うが……。

様々な人物が王の前に現れ、決断を迫る。プレイヤーは問いに対して、2択で答える。YESかNOか。関心か無関心か。戦争か和平か。その答えによって、王自身の行く末が変化し、王国の歴史が紡がれていく。

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4つの「パワーバランス」で国家を調停する

前述のとおり、プレイヤーは王として2択の決断を次々に下していく。その結果として、「教会、人民、軍事、国庫」の4つのパワーバランスが変化していく。 4つのうちいずれかのパラメータがゼロ、あるいはMAXになると王は死んでしまう。 ゲームの目的は、このパワーバランスをうまく維持して、できるだけ長く生き永らえることだ。

たとえば軍事パラメータがMAXになると軍によるクーデターが発生し、ゼロになると隣国に攻められ城が陥落してしまう。どちらに転んでも王は悲劇的な最期を迎えることになる。

ここで求められるのは、筋が通った一貫性のある言動ではなく、あくまでバランスを取ること。優しいだけでも、厳しいだけでも国の運営は成り立たないのだ。

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可愛いグラフィックだが、王に迫られる選択は非常にシビア。

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死してなお治世 繰り返しのプレイが楽しい

運悪く王が死んでしまっても終わりではない。むしろ、そこからが長い治世の始まりである。

何度も死を迎えることで、どの選択肢がどのパラメータに影響を与えるかを徐々に覚えていき、次の王の選択に活かすことができる。よりよい選択は王を延命させるだろう。
一人の王の在位期間は記録として残るので、ハイスコアを目指すのがやりこみ要素の一つだ。

また、選択肢によっては新しいキャラクターがアンロックされたり、選択結果が王の功績として記録されたりする。繰り返しのプレイでこれらのコンプリートを狙うのも楽しい。

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YES/NOの選択肢を選び続けるというシンプルな操作が特徴の『Reigns』。しかし中身は奥深く、繰り返しのプレイが楽しい良作である。

スマホ版とSteam版が販売されているが、個人的にはスマホ版がおすすめだ。片手の親指のみでサクサク操作できるので、満員電車など、吊革を掴みながらでも快適にプレイすることができる。通勤・通学のお供を求めている方にはぜひおすすめしたい。

[基本情報]
タイトル Reigns
制作者 DevolverDigital (制作者様サイトはこちら)
クリア時間 6〜10時間
対応OS Android/iOS/Windows/Mac/Linux
価格 ¥360 (iOSでの価格)

ダウンロードはこちらから
App store
https://itunes.apple.com/jp/app/reigns/id1114127463?mt=8
Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.devolver.reigns&hl=ja
Steam
http://store.steampowered.com/app/474750/

カオスを超えた2Dアクション『魔神女子』 敵の残骸を食べて“女子力”アップ、オシャレコーデに謎クイズ

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今回紹介する『魔神女子』は「ああくろいど」の制作した横スクロール型アクションゲームである。3月17日よりDLsite.comにてダウンロード販売が行われており、販売ページからは最初のボス戦までプレイ可能な体験版もダウンロード可能となっている。

先に率直に述べさせて頂くと……、いかんとも筆舌に尽くしがたい作品である。
シックな色合いのビジュアルに狂気をにじませるキャラクター、戦いのなかで失った「女子力」を宇宙人を貪り回復、戦闘中になぜか挿入されるクイズに答えて「主砲発射」で敵を倒す……と、何をどう説明しても謎は深まるばかり。

筆者の拙い文章から、魔神のごとき人智を越えた存在に出会った衝撃が多少なりとも読者の方々に伝わってくれることを願うばかりだ。

ゆけゆけぼくらの女子魔神

本作はビルの高さほどの巨大な身体を持つ女子魔神「山田院花子」を操作し、月より侵略してきた魔神軍団を撃退していく2Dアクションゲームとなっている。

操作は上下左右の方向キー、銃撃ボタン、アクションボタン、4つの解答ボタン(詳細は後述)を使って操作を行う。

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女子魔神は方向キー2度押しでのダッシュと、空中ダッシュである「お尻ジェット」を駆使することで、巨体でありながらも軽快な機動力を発揮する。

しかし後ろを振り向きたいときには「アクションボタン+後ろキー」と入力する必要があり、やや小回りは効きにくい。敵に密着されてしまうとかなり苦しくなるので、機動性を駆使した立ち回りが重要だ。

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攻撃面では銃撃ボタンを二度押しホールドすることで、地上では上下に狙いを定められ、空中では射角を固定できる「女子エイム」を発動させることができる。

加えて、後ろ以外の方向キーとアクションボタンの組み合わせで、キックや踏みつけ攻撃をはじめとした様々な格闘攻撃を繰り出す。技のコマンド入力は隠されているので様々な操作を試してみよう。

これらの他にも地上で下キー+アクションボタンで遠くを見渡す「千里眼」を使えるほか、アクションボタン二度押しホールドで武器を廃棄し、地上下キー+アクションボタン二度押しホールドで念力で武器を引き寄せることができる。

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敵の攻撃を受けた際には体力が減るほか、手足を失ってしまうことがある。
減った体力や失った手足は時間経過で回復するが、引き換えに女子力を消費する。女子力は倒した敵の破片を食べることで回復可能だ。

女子魔神の出撃シーンや、女子魔神が敵を倒しては食らう様は、さながら大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のそれである。女子とは、女子力とは一体……
だが自分が特撮怪獣かアニメロボットにでもなったかのように盛大に暴れまわることができるのは至極痛快であり、本作の魅力のひとつと言って間違いのない部分だろう。

”爆弾を投げるたび、きっとあなたは天才になる!!”

大正時代の写真を思わせるセピアカラーのビジュアルの街並みを背景にして、高層ビル並の巨大さの女子がマシンガンを手に、地球を侵略してきた宇宙人に対してガンファイアとグラップルで制裁を加え、あまつさえ倒した宇宙人を食す…と一息に説明してみた時点でも相応にシュールな本作だが、本作をとりわけ奇異なものにしているのが「出題機能」…すなわち画面左上部に表示されているクイズの存在である。

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クイズは英単語および地名から出題され、解答はプレイステーションのボタン表記の○×△□に対応した4つのボタンに対応付けられている。解答ボタンを押し、クイズに正答することで、なぜか女子魔神が敵に爆弾を投げつける。

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…わけがわからないと思うが安心してほしい。筆者にもわからない。

クイズに正答することで発動する爆弾攻撃は、銃撃や格闘では稼ぎ切れない手数をフォローできる頼りがいのある攻撃手段となっている。
実際に忙しく戦闘を繰り広げている最中にはクイズどころではないのだが、クイズに正解して爆弾をどんどん投げつけていかないと敵の物量に押し負けていく…というジレンマに駆られることになるだろう。

また、この爆弾攻撃は所持している武器や解答ボタンの長押しなどで内容が変化し、敵を食べ続けて画面右上の心臓マークがチャージされていれば大量の爆弾を一気に投げる「主砲発射」が行える。

解答ボタンがナチュラルにアクションの体系として組み込まれており、動作が細かく作りこまれている点もまた、なぜクイズなのかという解決されることのない疑問を引き立てている。

魔神だってオシャレしたい!ハイカラコーデで差をつけろ!

ゲーム開始時に魔神女子が登場する出撃口の位置で下キーを押し続けると、一時的に地底へと帰還することができる。

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一時帰還した際にはスコアや入手したお金アイテム、民間人への被害などに応じたボーナス・ペナルティが算出され、「お店」でのアイテム購入に充てるためのお金を入手することができる。
魔神女子の体力がゼロになり倒されてしまうと、それまで入手したお金もパーになってしまうので、出撃口付近で戦うようにしながら定期的に帰還してお金を集めていくのがよいだろう。

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お店で買えるアイテムは純粋なパワーアップや新しい武器のみならず、上から髪型、上着、手袋、眼鏡やマスク、リボンやウサギ耳などの髪飾り、下はソックスや靴にいたるまで充実のラインナップを誇る各種衣装を購入することができる。

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ゲーム内に搭載されているスクリーンショット機能は女子魔神の部分のみを透過png形式で撮影することもできるので、ぜひ服装を可憐にキメて他の画像と合成して楽しむとよいだろう。(画像はゲーム中の説明によれば「作者が文句を言わない限り自由に使用可能」とのことである)

服装以外にも、好きな画像や動画をゲーム中の背景にしたり、好きな音楽をBGMとしてランダム再生させる「劇場機能」や、クイズの出題内容を編集する、苦手問題を登録して頻出にするなど、これでもかという位の幅広いカスタマイズが可能になっている。

クイズの内容を編集しておき、他の人にプレイさせるという遊び方もまた一興、かもしれない。奇怪ながらも妥協なく作り込まれた本作、一度遊んでみてはどうだろうか。

[基本情報]
タイトル: 魔神女子
制作者: ああくろいど
クリア時間: 30分~
対応OS: Windows
価格: ¥1620

ダウンロードはこちらから
http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ196590.html

ゼルダ風アクションアドベンチャー『オーシャンホーン』 短いボリュームの中に詰まった「冒険の醍醐味」とは?

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アクションアドベンチャーの草分け的存在で、国内外を問わず、根強い人気を誇る任天堂の『ゼルダの伝説』シリーズ。インディーゲームにおいても、ゼルダに影響された作品は数多く、今日に至るまで様々な派生作が誕生している。

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今回紹介するのは、そんな派生作の中で、特にゼルダ色の強い作品『オーシャンホーン 未知の海にひそむかい物』だ。フィンランドのインディーデベロッパー・Cornfox&Brosが制作し、2013年にiOS、Android用ソフトして発売された。

2015年にはWindows PC版がSteamにて販売。翌年、2016年のアップデートでMacにも対応した。更に同年、海外ではプレイステーション4、XboxOneのコンシューマ機へ進出。2017年には、ニンテンドースイッチ版の販売が計画されている。

スクリーンショットを見るだけでも、ゼルダから強い影響を受けているのが分かる今作。本編もまた、同作に対する敬意とアクションアドベンチャーの醍醐味を余すことなく注ぎ込んだ内容に完成されている。

ゼルダ全開なゲームシステムと冒険の醍醐味が詰まったレベルデザイン

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はるか昔、世界に大災厄を招き、今なお生き続ける怪物「オーシャンホーン」。その怪物に息子が巻き込まれぬよう、旅に出た父親。息子である主人公の少年はそんな父親を捜し出すべく、オーシャンホーンの謎に迫る旅に出る…という形で今作は幕を開ける。

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ゲーム内容は敵と戦ったり、仕掛けを解いたりしながら進めていくアクションアドベンチャー。ストーリーに沿って世界各地に点在する「島」を訪れ、ダンジョンを探索したりしながら、オーシャンホーンに繋がる手がかりを探っていくというものだ。

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身も蓋も無く言うと『ゼルダの伝説』そのもの。厳密には『ゼルダの伝説 風のタクト』で、島を巡りながら進めていくところはそのまま同作を踏襲している。島を巡る際も船で大海原を渡るという、これまた同作をなぞったもの。航行の際に機雷、モンスターが行く手を阻み、それらを大砲で撃沈していく展開もあったりする。

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システム周りも、特に『ゼルダの伝説 時のオカリナ』以降のシリーズをなぞっており、盾による防御、ボタンごとにアイテムをセットするシステムなどが実装されている。フィールドマップもグラフィックこそ3Dで高低差があるが、基本は2Dの見下ろし視点の初期のゼルダ仕様。

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更には『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』で初登場し、最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にも継承された、ダッシュなどのアクションを使うに当たって消費する「がんばりゲージ」もある。

敵を倒したり、島ごとに用意された「チャレンジ」を達成すると「探検家のクリスタル」が手に入り、それが一定量に達するとレベルが上昇する独自要素もあるが、全体的には徹頭徹尾、ゼルダなゲームデザイン。何らかのシリーズを遊んだことのあるプレイヤーなら「そのまんま」の感想が出てくる内容になっている。

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そんな「ゼルダ全開」であるところをフォーカスしてしまったが、では今作の魅力とは何か?

それはコンパクトなボリュームの中に詰め込まれた、冒険の醍醐味の数々だ。
率直に言って、今作のボリュームは少ない。舞台となる島のマップが狭く、行動範囲が絞り込まれた構造をしているので、矢継ぎ早に本編が進んでいく。その為、クリアまでの所要時間も大体10~15時間程度と短めで、ゼルダのような大作感は薄い。

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しかし、裏を返せば密度が濃い。マップが狭いからこそ、謎解き、戦闘、イベントの三つがテンポ良く、且つバランス良く展開されていくので、文字通りに波乱万丈な冒険の旅を堪能できるのだ。

ロケーションも多彩。自然で覆われた緑豊かな島、大きな街とお祭りが特徴の島、砂漠だらけの島、更には近未来的な要塞が建造された島など、ファンタジーあり、SFありのバラエティーに富んだ個性付けの数々は、プレイヤーに未知の島を訪れていく冒険の面白さを存分に提供する。スクリーンショットを見れば分かるように、グラフィックも非常に綺麗なので、その風景見たさに訪れたくなってしまう魅力もあり、制作者の狙い澄ました作り込みが光る。

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ストーリーを進めるだけなら、全ての島を訪れる必要がないのも秀逸。これによって世界の隅々を調べ尽す探索の楽しさを演出し、島のマップ攻略での物足りない箇所を補強している。それらの島を訪れることで便利アイテムの入手、レベル上昇による主人公強化の機会も作れるなど、メリットをちゃんと設けているのも上手いところだ。

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唯一、ゼルダ由来でないシステムであるレベルの概念も、寄り道によって攻略の違いに繋げているところに独自色を出す製作者の工夫が現れている。また、狭いからこそ、目的地を見失い難いのも大きな強み。中盤以降になると、複数の島を巡りながら謎を解くイベントも発生するが、狭いからこそ総当たり攻略がしやすく、プレイ時間が間延びすることもない。

狭いことにネガティブな印象を抱くかもしれないが、実際は狭いなりの強みを存分に活かした作り。ジャンルの醍醐味を損ねず、プレイヤーを退屈させずのサービス精神に則った、高い充実感のある内容にまとまっているのだ。

長時間の拘束を防ぎつつ、バランスの取れた謎解き

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謎解きの出来も良く、テンポに重きを置いた作り込みが成されている。その象徴が複雑なパズルの抑制。ブロックを動かして道を作ったり、像を法則性のある配置にする謎解きのことだが、基本的にその場で完結させる作りを徹底。プレイヤーに他のフロアにあるオブジェクトを運ぶ手間を強要させ、それによって間延びさせぬよう、そして見た瞬間に解法が想像できるよう、気を遣った作りに落ち着かせているのだ。

その他のカギ探し、スイッチ動作などの謎解きもそのような配慮を凝らし、テンポを重視。サクサクと目前の障害を取り除き、真相に迫っていく面白さを演出する。

謎解きはアクションアドベンチャーの醍醐味だが、塩梅を誤れば、プレイヤーに大きなストレスを与える要因となる一面も持つ。特に複雑なパズルは最もそうなりやすい。その懸念をゼルダシリーズを遊んで研究したのか、今作は「謎解きで長時間拘束しない」をモットーとするバランス調整が図られ、テンポの優れた遊び心地を実現させている。

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かと言って簡単、という訳ではない。複数の島を巡って貴重なアイテムを運ぶなどの複雑な謎解きも立ちはだかる。

戦闘も手応え十分。特にボス戦はゼルダのように謎解きをしながら弱点を探す展開を絡めつつ、攻撃の回避も堅実にこなしていく、アクションゲームの緊迫感に満ちた手に汗握る展開が繰り広げられる。更に今作では、ボスを倒しても主人公の体力の最大値が増えないので、それに関連したアイテム「ハートのかけら(※原文そのまま)」を集め、強化を図っていかなければ、どんどん難しくなっていく。

レベルに関しても、上げることによってアイテムの使用回数が増えるところがあるので尚更。それが返ってプレイヤーに色んな島を巡ることの重要性を促しているのも、今作の一筋縄ではいかぬ難易度を表現していて面白い。

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あくまでも、遊び易さ重視。手応えを求めるプレイヤーも楽しめ、初めてアクションアドベンチャーに触れるプレイヤーも楽しめるのを大事にしたバランスだ。ここまでの流れから、アクションアドベンチャー手慣れたプレイヤーには物足りない内容と思うかもしれないが、実際に遊んでみれば、決してそうではない「本気」を実感させられるだろう。

あのコンポーザーも楽曲を提供

音楽も冒険活劇の題材にマッチした、オーケストラ調の楽曲が華を添える。しかも、一部の楽曲はファイナルファンタジーシリーズで知られる植松伸夫氏、サガシリーズで知られる伊藤賢治氏の御二方が手掛けている。両氏の音楽が好きなファンにとっては、特筆すべきセールスポイントと言えるだろう。しかしながら、両氏が手掛けた楽曲を聴けるのはiOS、Android版だけ。PC版で聴くことはできないので、楽曲目的でプレイする際はその点に注意して頂きたい。

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褒められない難点もある。特に奇妙なタイミングで改行が行われる日本語テキストは非常に読み難い。更にiOS、Android版では文字フォントにフチが無く、明るい背景だとテキストがそこに溶け込んでしまう。翻訳は概ねまとまっているだけに、原文の英語に日本語テキストをそのまま当てたような作りになってしまっていて惜しい。こればかりは、日本人が読むのをもっと考慮したローカライズを実施して頂きたかった。また中盤終わりのノーヒントなおつかいイベント、何故か戦闘以上に難易度が高い魚釣りも、もうひと工夫と配慮が欲しかったところだ。

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とは言え、全体的な出来は良く、短い時間でゼルダっぽいアクションアドベンチャーを堪能できる作品に完成されている。謎解きの難易度も控え目なので、苦手意識のあるプレイヤーも安心。フィールドは狭いけど、冒険盛り沢山の島巡り、体験してみませんか?

[基本情報]
タイトル: 『オーシャンホーン 未知の海にひそむかい物』
制作者: Cornfox&Bros
クリア時間:9時間~15時間(※やり込み要素のコンプリートを除く)
対応OS: iOS、Android、PC(Windows、Mac)、PS4(※海外のみ)、XboxOne(※海外のみ)
価格: ¥1080(iOS)、無料(Android:本編開始時に課金が発生)、¥1480(PC)

iOS
https://itunes.apple.com/us/app/oceanhorn/id708196645?mt=8
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.FDGEntertainment.Oceanhorn.gp&hl=ja
Steam
http://store.steampowered.com/app/339200/?l=japanese

鳥となって空を飛ぶ癒やしゲーム『Copoka』で人間社会を観察しよう!

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暖かい日差しが気持ちいい。春がやってきた。みなさんも、道ばたに咲き始めた小さな花に春の息吹を感じていることだろう。なんとも気分の良い季節だ。だが、春は新生活が始まるたいへんなシーズンでもある。もしかすると新生活で毎日に疲れを感じている人も多いかもしれない。今日はそんな人におススメな癒し系ゲーム『Copoka』を紹介しよう。

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『Copoka』はインディディベロッパー「Inaccurate Interactive」が開発したオープンワールドゲームだ。といっても「Inaccurate Interactive」は会社ではない。スウェーデンのシェブデ大学の学生が主体のチームだ。このゲームは大学のコースプロジェクトとして作られた。平たく言えば、学生作品なのである。学生が授業で作った作品でこのクオリティとは恐れ入る。

学生チーム制作という経緯からか、本作は販売ルートに乗せる予定ではなかったようである。本作は当初、チャリティゲーム販売サイト「The Humble Bundle」の月額定期購入プラン「Humble Monthly」で配信された。この購読プランには「Humble Original」というプラン加入者にしか遊べないゲームが一本毎月送られるのだが、これもそのうちのひとつであった。プラン加入者が事前にお金を払っておかなければ二度と手に入らない。この作品は本来そういうものだったのだ。

だが、「このゲームはそんなところで終わる作品じゃない!」と誰かが思ったのであろう。インディディベロッパー「Guru Games」のメンバーDaniel Strömさんが同大学で講師をしている関係からか、本作は「Guru Games」パブリッシングでGreenright登録される。結果、本作はGreerightを見事通過。2016年2月16日に発売へと至った。現在、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて498円で販売されている。

学生チームの作品がそのまま世界に向けて発売される。これもまたインディゲームらしい例であろう。余談ではあるが、北欧にはこうしたゲーム制作を志す学生や小規模団体への支援を行う団体、優秀者に資金を提供するコンペディションがいくつかあり、これらの支援を得て会社を立ち上げたディベロッパーも多い。

あと、当然のことであるが『Copoka』は英語しかサポートされていない。スウェーデンの学生に多言語サポートを求めるのは間違っている。スウェーデンの公用語ではない英語でゲームを作ってくれただけでもありがたく思おう。

鳥となって空を飛び、人間社会を鳥瞰しよう

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さて、肝心のゲーム内容の紹介に移ろう。『Copoka』は一つの街を舞台にしたオープンワールドゲームだ。プレイヤーは鳥となり、空を飛びまわり、巣の材料を集めることになる。

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舞台となる街はコポカ。自然豊かで美しい街だ。だが、この街には独裁政権が敷かれている。市街地には四六時中プロパガンダ放送が垂れ流され、軍人たちが市民に厳しい目を光らせる。市民は圧政と、貧困からくる病に苦しみながら、政府への不満を募らせている。

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人間にとって住みよい街とはとても言えないところだが、プレイヤーは鳥である。圧政だろうがなんだろうが知ったことではない。大事なのは巣をより立派なものにして、タマゴを守ることだ。

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プレイヤーは街に散らばる巣の材料を探して、この狭いようで広いコポカを飛び回らなくてはいけない。オープンワールドゲームによくあるマップに隠されたアイテムを探す部分だけを切り出し、独立させてゲームに仕立てあげたようなシステムだ。

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この手のアイテム探しは割とストレスが溜まって嫌になってしまうことも少なくない。が、このゲームはそういうストレスを感じにさせぬよう、ある程度飛び回ったり、ある程度イベントをこなすと巣の材料の場所が光って表示されるようになっている。他にもストレスになりそうなものとして時間制限や敵の存在が挙げられるが、こういったものも一切ない。プレイヤーはストレスを感じることなく、箱庭の中を飛び回り、気の向くままにアイテムを集めることができる。

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ゆったりとしたBGMが雰囲気と非常にマッチしていて、美しい風景を眺めながら空を飛ぶと、清々しい気持ちが湧いてくる。ストレスのない美しい箱庭で自由に飛び回るのは心が癒されるようだ。

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だが、時間制限も外敵もなければ、ゲームとして成り立っていないのでは?と感じる方も多いであろう。そう、このゲームは敵と戦って目的を達成したり、テクニックで記録を競うようなものではない。

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このゲームはインタラクティブな読み物というのが近い表現になるだろう。先ほども書いた通り、この街に住む市民は不満を抱え、貧困と病に苦しんでいる。この抑えようのない悲しみや怒りは、街のどこかであふれ出している。プレイヤーはこうした人間の内緒話や、愚痴、噂話に聞き耳を立てることができる。

だって鳥だもの。人間様は鳥がその話を聞いていようがいまいが知ったことではない。

もちろんプレイヤーも人間のいざこざなんて知ったことではない。プレイヤーが巣を完成させていくにつれ街の様子も次第に変化していくが、鳥のプレイヤーには関係のないことである。街がどう変わろうとやることは変わらない。せっせと巣の材料を集めるだけだ。

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本作は街に住む鳥という傍観者になり、人々の思いを、街の変化を、ただただ眺めるゲームだ。市民の思いに心揺さぶられてもいいし、市民のしみったれた話なんて聞かずそのまま飛び去ってしまってもいい。そこに込められたストーリーを読むか読まないかも、プレイヤーの自由である。

箱庭の中で起きる事件を当事者ではなく、ただの傍観者として文字通り鳥瞰する。ゲームのストーリーを傍観者としての見せる構造に加え、見ない自由も用意しているという非常に珍しい構造のゲームである。アクションゲームとしてみるならばあまり楽しいものではないかもしれないが、インディゲームらしい芸術的な作品として魅力のある作品だ。

ストレスのない気持ちのいい箱庭で癒されよう

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最初に癒し系と書いたわりには、独裁政権とそれに苦しむ市民という重苦しいストーリーが描かれた作品を紹介してしまった。

だが、プレイヤーは鳥だ。辛い人間社会から隔絶された、このゲームにおいて唯一自由な存在なのだ。プレイヤーだけはどこへでも飛んでいけるし、なんの不自由を感じることもない。そんな鳥からすれば、彼らの悩みも自分本位で、大局が見えていないものに映る。傍観者の視点に立つことで、彼らの抱える問題の見え方もまるで違ってくるのだ。

新生活で辛い思いをしている諸君。ぜひこのゲームをプレイしてほしい。人間社会から離れ、自由に飛び回るだけでも癒されるだろうし、自分の悩みが広い視点で見えるようになるかもしれないぞ!

[作品情報]
タイトル 『Copoka』
制作者 Inaccurate Interactive(制作者様サイトはこちら)
対応OS Windows 7 x64, Windows 8 x64, Windows 10 x64 (64-bit OS Required)
プレイ時間 1時間半程度
価格 498円

購入はこちらから

対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム「∀kashicforce」体験版が公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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こんにちは。フリーゲームやインディーゲームと日本ファルコム作品の紹介を中心に活動しているライター兼編集者の中村友次郎です。インプレスのソフトウェア紹介サイト「窓の杜」の編集長を経て、フリーとなった後も同サイトにてゲーム関連の連載「週末ゲーム」「インディーゲーム・週間ダイジェスト」を先日の連載終了まで担当してきました。

今回より「今週のフリゲ・インディーゲームトピックス」として、毎週土曜日にわたくしや編集部がピックアップした、フリーゲームやインディーゲームに関するここ1週間の話題をお届けすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。


対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム「∀kashicforce」体験版が公開
 
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同人サークルエンドレスシラフより、“対戦格闘アクションシューティング落ちもの音楽ゲーム”という斬新なジャンル名を謳う「∀kashicforce(アカシックフォース) -inundation of brigade-」の体験版が公開された。合わせて作品公式サイトも開設されている。現在開発中の作品で、完成版は今年8月中旬にリリース予定。

格闘ゲームのようなコマンド入力で強力な攻撃を繰り出せるシューティングゲーム「∀kashicverse(アカシックバース) -Malicious Wake-」を開発したサークルによる最新作。本作でもそのゲーム性を一部継承しており、落ちものゲーム風のフィールドでブロックを破壊してゲージを溜め、コマンド入力により“メソッド”と呼ばれる特殊技を発動し、画面上部の“天命”ゲージを奪い合うというゲーム内容となっている。さらに、条件を満たすと利用可能になるメソッド“エリミネーター”の発動時はフィールドが音ゲー風に変化するなど、さまざまな要素を駆使して戦っていく。

今回公開された体験版ではCPU対戦とローカルでの2P対戦、およびチュートリアルを兼ねているmissionモードをプレイ可能。なおエンドレスシラフは5月14日に開催予定の東京インディーフェスに出展予定で、こちらでも体験版が展示予定となっている。


長編ノベルアドベンチャーゲーム「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」限定特典付きプロローグ版がコミティア120で頒布
 
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創作サークルあまてる。の長編ノベルアドベンチャーゲーム「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」の限定特典付きプロローグ版が、本日5月6日に東京ビッグサイトで開催されるオリジナル同人誌即売会コミティア120にて頒布予定となっている。

「コルヌ・コピア-不思議の住む街-」は、神話や伝説、御伽噺に出てくるような不思議な力を持った獣“ふしぎけもの”が住む街を舞台にした作品。日本からの留学生である主人公のコウタと、さまざまなふしぎけもの達の交流が描かれていく。

プロローグ版は現在、Web上でも公開中。コミティアで頒布されるバージョンはシナリオの収録範囲は同じだが、「用語辞典」「次の選択肢へ」などのシステムメニューと、クリア後のおまけコンテンツが実装されているという。また、限定特典としてタイピングミニゲーム「こるこぴ!」と、描きおろしL判カードが付属する。


犬と猫最新作、鍛冶屋経営シミュレーションゲーム「王国のソウルスミス」リリース
 
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同人サークル犬と猫より、鍛冶屋経営シミュレーションゲーム「王国のソウルスミス」の配信が開始された。体験版も公開されている。

フリーゲーム「レミュオールの錬金術師」をはじめ、数々のやり込み系シミュレーションゲームをリリースしている同サークルによる最新作。鍛冶師を雇って武器を作ったり、探索者と契約してダンジョンで資源やお宝を入手しながらゲームを進めていく。


シューティングゲーム「ヴァルシュトレイの狂飇」体験版が公開

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スタジオシエスタのシューティングゲーム「ヴァルシュトレイの狂飇」の体験版がSteamにて配信開始された。

「ヴァルシュトレイの狂飇」は宇宙を舞台に、人類と謎の機械構造体との戦いを描くSFシューティングゲーム。画面全体を覆い尽くすような超兵器「バリオンレーザー」や、完全無敵の体当たり攻撃「グラバスター」、さまざまなサブウェポンなどを駆使し、大量の敵機を破壊していく爽快感が魅力の作品だ。

作品自体は2015年末にリリースされているが、今回新たに体験版が公開された。体験版ではアーケードモードとストーリーモードを2面までプレイ可能。自機は1種類のみ選択できる。


科学史シミュレーションゲーム「PRINCIPIA: Master of Science」のスマートフォン版がリリース
 
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インディーゲームデベロッパーのtomeappより、科学史シミュレーションゲーム「PRINCIPIA: Master of Science」のAndroid版およびiOS版がリリースされた。

「PRINCIPIA: Master of Science」は、17世紀のヨーロッパ科学界を舞台に、アイザック・ニュートンをはじめとする当時実在した12名の科学者のうちの1人となって研究活動を行っていくシミュレーションゲーム。PCでは2016年9月にリリースされている。


フリーゲームADV「トラウマ*トラウム ~翠眼の人形~」ダウンロード版が公開
 
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ゲーム制作サークルブリキの時計の探索アドベンチャーゲーム「トラウマ*トラウム ~翠眼の人形~」のPC向けダウンロード版がふりーむ!にて公開された。

ホラーアドベンチャーゲーム「クロエのレクイエム」や「幻想乙女のおかしな隠れ家」などで知られる同サークルが昨年10月にリリースした作品。思春期の少年少女達を主人公に、トラウマを具現化した異世界を探索していく内容となっている(関連記事:『クロエのレクイエム』の「ブリキの時計」、新作フリーゲーム『トラウマ*トラウム』を公開)。

これまではWeb上でのみプレイ可能だったが、今回新たにダウンロードしてのプレイも可能となった。ダウンロード版ではデータのロードによる演出遅延等が改善されているとのこと。


「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」授賞作発表会の観覧申し込み受け付けが開始

同人ゲーム紹介サイトおすすめ同人紹介が主催する同人ゲーム表彰イベント「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2016」の授賞作発表会の観覧申し込みの受け付けが開始された。

ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心に、2016年4月~2017年3月に発表された作品から同サイトを運営するみなみ氏がさまざまな部門で授賞作品を選考し発表するイベント。現在サイト上にてノミネート作品が発表されている。

受賞作発表会は6月4日、東京水道橋で開催予定。観覧申し込みは必須ではないが、申し込みをしていない場合は立ち見になる可能性があるとのこと。なお、授賞作発表会はネット配信も予定されている。

また合わせて、授賞作発表会の休憩時間に会場で流すPVの募集も行われている。


フリーゲームRPG『ひびかけ色のキセキ』のスマホリメイク版がリリース。よりシンプルに洗練されたシステムで魔法使い達の戦いを描く

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ゲーム創作サークルecoddrのステージクリア型アドベンチャーRPG『ひびかけ色のキセキ~portable~』のAndroid版が5月6日に、iOS版が9日に配信開始された。広告や課金要素などもない完全無料のアプリとして提供されている。

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『ひびかけ色のキセキ~portable~』

『ひびかけ色のキセキ~portable~』は、同サークルが昨年、Windows向けにフリーゲームとしてリリースしたRPG『ひびかけ色のキセキ』(関連記事)のリメイク版。オリジナル版はアクティブタイムバトルをベースに敵の攻撃に合わせてガードする要素を加えた戦闘システムや、ポイント割り振りによるスキル強化を何度でもやり直せるなど自由度の高いスキルカスタマイズ、買い物や消費アイテムといった要素を排したノンフィールド型のシンプルな進行などが特徴。魔法使いの女の子たちが苛酷な状況を戦い抜く様子やキャラクター同士の交流が描かれる、シナリオも充実した中編作品となっている。(株)ドワンゴの開催したゲームコンテスト「ニコニコ自作ゲームフェス2016」では「窓の杜賞」を受賞している。

スマートフォン向けにリメイクされた『ひびかけ色のキセキ~portable~』でもこうした内容を引き継ぎつつ、さまざまな要素がリファインされている。スキル装備枠が減少するなど、全体的によりシンプルな形でシステムが再構成されているようだ。ユーザーインターフェイスもタッチ操作向けに練られたものとなっており、スマートフォンでも手軽にプレイできるだろう。
 
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敵の攻撃にタイミングを合わせてガードする要素が重要となる戦闘システム
 
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ポイントを割り振って任意のスキルを強化できる。強化は何度でもやり直しが可能
 
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苛酷な状況を生き抜いていくキャラクター達や、それぞれの想いが描かれていく
 
一方で、通常のスキルで消費したMPに応じて溜まる“TP”がフルになると発動できる“スペシャルスキル”といった新要素も実装。インターフェイスもオリジナル版のフラットでクールなものからファンタジーRPGらしい格調を感じさせるものへと一新されており、新規プレイヤーはもちろん、オリジナル版をプレイした人も新鮮な感覚でプレイすることができそうだ。
 
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スペシャルスキルは使える機会が限られているぶん、強力なものが揃っている

[作品情報]
タイトル:『ひびかけ色のキセキ~portable~』
開発元:ecoddr
価格:無料

ダウンロードはこちらから
Android版
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.pronama.hibikake

iOS版
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%B2%E3%81%B3%E3%81%8B%E3%81%91%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%82%AD-portable/id1179764122?l=ja&ls=1&mt=8

『よいこの君主論』作者が手がけるアナログゲーム『戦闘破壊学園ダンゲロス』 押切蓮介氏なども参加しゲームマーケットで発売

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2017年1月、アナログゲーム『戦闘破壊学園ダンゲロス』制作のためのクラウドファンディングが実施された。プロジェクトは現在完遂されており、目標金額54万円に対し、最終的に220万円の支援を獲得。押切蓮介氏などの有名イラストレーターの方々がキャラクターイラストを手掛けていることも特徴の作品となっている。5月14日に開催されるゲームマーケット(ブース:A41)にて発売される予定だ。

パッケージ
 
そんな本作の制作者は、架神恭介氏。彼の名前にピンときた方もいるかもしれないが、マキャベリの名著である『君主論』の入門書として、小学五年生「ひろしくん」を主軸とした小学生同士のハードな権力闘争が描かれる破天荒なベストセラー実用書『よいこの君主論』などを手がけた作家・漫画原作者である。


『よいこの君主論』

今回、作者の架神氏から機会をいただき、4月に行われた本作の試遊会に参加することができた。試遊会の参加者は制作者である架神氏のほか、もぐらゲームス読者の方はご存知であろうフリーゲーム制作サークル「アンディーメンテ」主宰であり小説家、かつ「ジェバンニP」の名前でボーカロイド楽曲を送り出してきた泉和良(ジスカルド)氏、『大日本サムライガール』『羽月莉音の帝国』など、政治や経済といった事象を巧みに絡めたライトノベル・小説を手がける小説家・至道流星氏、そして魔法のiらんど文庫にて『天使は、二度泣く。』などを執筆した柳なつき氏という豪華なメンバーとなっていた。


試遊会でのプレイの様子は、順次動画としてアップロードされている

本作『戦闘破壊学園ダンゲロス』はいったいどんな内容なのか?今回、試遊会を観覧してきた感想を踏まえて、本作を紹介していこう。

プレイするほど味がわかるゲームシステム

まず本作を目にすると、それぞれ特徴のあるキャラクターカードの存在に気がつくだろう。そのため、一見すると「キャラクターモノのゲーム」と思われてしまうかもしれない。しかし、その実、内容としてはゲームデザインを理解して相手を出し抜くことを楽しむ作品となっており、「システムを読み解く面白さ」が味わえる作品だ。プレイ時間としてもワンプレイ2~4時間ほどで、お手軽に短編アナログゲームを楽しむというよりは、じっくりと腰を据えて遊ぶゲームが好きな人のための作品となっている。

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押切蓮介氏や「地獄のミサワ」がキャラクターカードのイラストを担当

このゲームは、プレイヤー各自が戦力を増強しつつ各地のボスを倒していく「探索」パートと、探索を経たプレイヤー同士で戦い合うバトルロイヤルの「決戦」パートに分かれている。ゲームシステムとしては、一言で言うと「トレーディングカードゲームとボードゲームを組み合わせた作品」といった内容で、ボードの上でコマを進めつつ、仲間やアイテムといったカードを集めて戦力を強化、決戦のための準備をおこなっていく。

探索パートでは、まずは全員マップ中心の「泉」からスタート。各地に点在するボスを目指してコマを進めていく。このパートではプレイヤー同士の争いなどは発生せず、マップ上のイベントで発生する敵との戦いや、ボスを倒したりアイテム回収をすることで戦力を増強していくのだ。
 
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ゲームの舞台となるボードマップ
 
探索パートは、手持ちのリソースの割り振りを考えるワーカープレイスメントの要素もあり、限られたリソースで、ターン内における移動力や戦闘力の強化、そしてアイテム入手などを行うことができる。リソースは手持ちの仲間の特殊能力の発揮にも使用するため、リソースを何に分配するかを常に考えなければならない。

たとえば、リソースを全て戦闘能力の強化に振ると、敵との戦闘面では有利となる一方、移動などの探索の面で不利となってしまう。リソースはターン毎に振り直すので、それぞれのターンで何をするか、という目的意識を持つことが重要になるのだ。

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ボード右下「作戦会議」にリソースを割り振っていく。戦闘能力の増加にリソースを振ると、アイテム入手や移動の強化ができなくなるトレードオフも存在する

決戦パートでは、探索パートで手に入れた仲間やアイテムをフル活用し、最後の1人となるまでプレイヤー同士の戦いが行われる。ここでは単純に強い仲間などを持っているプレイヤーが勝つのではなく、弱者同士の共謀により、強者へ集中攻撃することも可能となっているため、最後まで気の抜けない戦いが行われる。

カード
決戦パートでは、これまで得たモノをフル活用して戦うことになる

基本的なルールも、手番を何回かこなす頃には自然と頭のなかに入ってくるため、友人たちとじっくり楽しむことに向いているボードゲームとなっている。今回参加した4人の作家の方々は、数ターンを終える頃にはスムーズにプレイを行っていた。

ゲームでは、仲間の特徴を組み合わせてのコンボなどさまざまな戦術が存在する。たとえば「相手の性別を変える」という一見意味の無いような能力も、「相手の持つ男性キャラを全員破壊する」能力を持つ仲間と組み合わせることで、形成逆転も狙えるほどの効果となる。こういった組み合わせを探していくことも楽しめそうだ。

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カードの組み合わせによっては意外なコンボも

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本作は、5月14日に開催されるゲームマーケット(ブース:A41)にて発売される予定だ。アナログゲームショップでの体験会もこれまで複数回実施され、ゲームマーケット後も定期的に本作で遊べる場が催されるとのこと。気になった方は公式ページ作者アカウントなどをチェックしてみてはいかがだろうか。まずは一度、遊んでみてほしい作品である。

[基本情報]
タイトル 『戦闘破壊学園ダンゲロス』
制作者 架神恭介
プレイ時間 2~3時間程度
価格 4,980円(税抜)
公式ページ

システム独自開発のフリーゲームSRPG『インペリアライザー』新体験版が公開 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は、期待のシミュレーションRPGの体験版公開やゲームエンジン開発に関するものなど9本です。


システム独自開発のフリーゲームSRPG『インペリアライザー』新仕様の体験版が公開

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個人開発者の渡烏氏がフリーゲームとして開発中のシミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』の新しい体験版が公開された。

『インペリアライザー』は大陸の果ての地にして六大国家が争う「ラグメル」を舞台に、その中央を治める帝国の第二皇女「ラウフェイ」を主人公として描かれる地域制圧型の戦略シミュレーションRPG。ヘクスマップのアクティブターン制で、近接攻撃などは対象ユニットと重なることで行うという射程ゼロの概念などが特徴。

システムは既存のゲーム制作ツールを使用しない独自開発によるもので、場面に応じたヘルプの表示機能など、インターフェイスも練り込まれている印象だ。クラシカルな趣を感じさせるドット絵によるキャラクターグラフィックや、戦記物らしい雰囲気を演出する音楽も自作となっている。

今回公開された体験版は、以前公開されていた先行体験版からさまざまな仕様が変更されており、序盤にあたる第5章までをプレイ可能。ラウフェイが指揮官として頭角を現していく中、「真なる脅威」が浮かび上がっていくさまが描かれる。公称プレイ時間は約3~6時間。なお、開発途中での公開は今回の体験版が最後になるとのこと。

合わせて、本作のPVも公開されている。


マップ自動生成型アクションゲーム『常世ノ塔』ファーストトレイラームービーが公開、東京インディーフェスに開発版を展示

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インディーゲーム開発サークル//commentout.infoが開発中のアクションゲーム『常世ノ塔』のファーストトレイラームービーが公開された。

『常世ノ塔』は、モンスターやトラップが待ち受けるダンジョン「常世ノ塔」を舞台としたサイドビューの2Dアクションゲーム。ダンジョンは現実世界の24時間ごとにサーバー上で自動生成され全プレイヤーが共通のマップに挑むという仕組みが特徴で、「鬼畜なダンジョンを他プレイヤーと競い合って遊ぶ」というコンセプトで制作されている。可愛らしいキャラクターなどアートワークも魅力の作品だ(関連記事)。

同サークルは5月14日に秋葉原で開催される東京インディーフェスに出展予定で、現行開発バージョンの展示と各種グッズの配布を行うとのこと。また今後は死んだ場所に書き置きを残すといったゆるいソーシャル機能の実装や操作キャラクターの追加を行い、2017年中のリリースを予定している。プラットフォームはPC/Mac/iOS/Androidを予定しているほか、現状でパブリッシャーと話をしているわけではないもののコンシューマ(PS4/Nintendo Switch)での展開にも意欲を示している。


記憶喪失の少女達が過去と向き合っていく短編フリーゲームADV『廃憶のレヴァリエ』が公開

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個人開発者のおばけ氏による短編アドベンチャーゲーム『廃憶のレヴァリエ』が7日、フリーゲームとして公開された。

生と死の間にあるという「プルガトリウム」に流れ着いた、記憶のない3人の少女達が主人公の作品。現れる船に乗って記憶が再現された世界へと向かい、自らの過去と向き合っていく。公称プレイ時間は約1時間程度。

雪の夜がずっと続くプルガトリウムや廃墟のような記憶の世界など、仄暗く物寂しい雰囲気がマップデザインや音楽で表現されている。主要なイベントシーンはボイス付きなのも特徴。なお性的および残酷な表現があるためとして自主的にR15指定がされているのでご留意いただきたい。


Reminisceの3Dアクション『Link: The Unleashed Nexus』のフルリメイク版がPC/PS4でリリース決定、作品サイトが開設

Reminisceの3Dアクションゲーム『Link: The Unleashed Nexus』のフルリメイク版がPCおよびPS4でリリースされることが決定し、作品サイトが開設された。ファーストトレイラームービーも公開されている。

『Link: The Unleashed Nexus』はReminisceが2014年にリリースした作品。空中を滑空したり壁を蹴って跳躍したりとさまざまなアクションを駆使してフィールドを駆け抜けていくハイテンポなゲームとなっている。フルリメイク版ではアクションやゲームデザインの大幅な改修、ストーリーの追加などが予定されている。


TORaIKI、RPG『アストロメイデン/アポストロ』スピンアウトボイスドラマのダウンロード販売を開始

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オリジナルゲーム制作サークルTORaIKIのファンタジーRPG『アストロメイデン/アポストロ』のスピンアウトボイスドラマ『アストロメイデンボイスドラマ「アリムとミアリスのはじめての二人旅」』のダウンロード販売が開始された。

『アストロメイデン/アポストロ』は、前後編の2作で展開されるRPGの前編にあたる作品。後編は現在開発中となっている。王女とその騎士、異世界からきた女子高生など主要キャラクターが女の子ばかりである点や、パーティメンバー間でスキルを繋げるコンボが重要となるサイドビューバトルなどが特徴だ。

4組の主人公達によるオムニバス作品である点も特徴で、ボイスドラマはその中から、キャラクター人気投票でもとくに人気だった「アリムドーテ」と「ミアリス」のコンビが主役となる。そのほかのキャラクターもゲスト的に登場し、賑やかな内容となっている。また、「ゲームより百合度高め」とのこと。


HTML5ベースのノベルゲームエンジン『Lily Engine』開発プロジェクトが開設

HTML5ベースのノベルゲームエンジン『Lily Engine』の開発プロジェクトが、オープンソース開発のホスティングサイトであるGitHubにて開設された。プロジェクトを立ち上げたのは同人ゲーム制作サークル4th clusterの代表でもあるWeb&ゲームプログラマーのあおみかん氏。現在プロトタイプの開発が行われている。

仕様としてはHTML5+WebGLによるマルチプラットフォーム対応、ネイティブアプリ化(Windows/Mac/Android/iOS)のサポート、JavaScriptによる拡張などが検討されている。スクリプトの記法は現在広く使われているKAG3に近いものとなるようだ。

プロジェクトのページでは、さまざまな技術的課題などの検討も行われており、GitHubのアカウントがあれば意見を述べることもできる。個人ベースの開発であり、実用に耐えるエンジンになるまでにはまだまだ時間がかかるとのことだが、質の高いエンジンとなることに期待したい。


『RPGツクールMV』オープンソース版コアスクリプトのバージョン1.2が公開

(株)KADOKAWAのゲーム制作ツール『RPGツクールMV』のコアスクリプト(ゲーム実行部分)のコミュニティ版の新バージョンとなるcommunity-1.2が8日に公開された。なお9日にはcommunity-1.2で指摘された不具合を修正したcommunity-1.2bが公開されている。

コミュニティ版コアスクリプトは、動作の安定性向上や高速化などを目指してオープンソースで開発が進められており、製品標準のコアスクリプトと差し替えて利用することが可能。また、その成果は『RPGツクールMV』本体にもフィードバックされる。

community-1.2では「ゲームが止まることを防ぐ」ことに主眼が置かれており、リソースの読み込み失敗時にリトライする機能の追加や、画像のメモリ量の節約といった改良が施された。そのほかにもいくつかの不具合修正や改善が行われている。


Unite 2017開催を記念しUnityアセットのセールが実施、ビジュアルノベルツール『宴』が30%オフなど

ゲームエンジン『Unity』のアセット(素材やスクリプト、エディタ拡張など)を販売するUnity公式のアセットストアにて、Unityの開発者イベント「Unite 2017 Tokyo」の開催を記念したセールが行われている。セール期間は5月25日の21:59まで。

たとえばUnity用ビジュアルノベルツールの定番である『宴』が、80ドルから56ドルと30%オフで提供されている。『宴』の公式ブログによると、『宴』セールはリリース直後以来で3年ぶり2度目となり、滅多にない機会であるとのこと。


PLAYISM、6周年記念セール開始

ゲーム配信サイトPLAYISMは11日、開設6周年を記念してセールを開始した。同サイトで配信されているインディーゲーム等、100本以上のタイトルが最大で90%オフとなっている。セール期間は2週間、25日まで。

SMILE GAME BUILDERで楽しむゲーム制作 第4回:カナヲ『虚毒ノ夢』①

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※本記事は、1月7日より開始した「SMILE GAME BUILDER」制作実演の連載です。

フリーゲーム作者による「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載が開始 完成作はダウンロードして遊べる!

Qpic『スーパーフックガール外伝』 制作連載 / 2 / 3 / 完成作品ダウンロード


 
こんにちは、「SMILE GAME BUILDER」制作実演連載・第二回を担当するカナヲと申します。

2013年よりゲーム制作サークル『てりやきトマト』の代表として、数々のフリーゲームを制作してきました。シナリオ、グラフィック、作曲と、必要に応じてひととおりの制作をすべて個人で担当しています。また近年はEntyを中心とした同人活動のほか、フリーランスのクリエイターとして活動しており、『心霊写真使い涙歌』『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』など、企業との関わりのあるプロジェクトにも参加しています。

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カナヲ氏の代表作の1つ『虚白ノ夢』(紹介記事:フリーホラーゲーム『虚白ノ夢』。運命に囚われた少女の物語と、巧みな恐怖演出が味わえる

代表作は、RPG『はじめての宿屋さん』『積層グレイブローバー』や、探索ホラーADV『虚白ノ夢』など(こちらは小説版も発売中です)。現在はダークファンタジー『被虐のノエル』を連載中。今後とも特定のジャンルにこだわらず、幅広いコンテンツを手がけていきたいです。

制作するゲームは、3D探索ホラーADV『虚毒ノ夢』!

今作は、2015年公開の探索ホラーADV『虚白ノ夢』と世界観を共有し、そこから数年がたった後の世界が舞台の番外編『虚毒ノ夢』です。ただし登場人物のほとんどが新規キャラで、物語の理解に前作の知識が求められることもほとんどないので、前作に触れていなくても今作単体で楽しめるようになっています。

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ではどこに『虚白ノ夢』シリーズたる要素があるか、などの話はまた別の機会に語るとして、ここでは今作のキモになるゲームシステムについてご紹介したいと思います。

主人公の未散(ミチル)は記憶障害を抱えており、眠るとその日あったことをすべて忘れてしまいます。そのため、毎日『記憶ノート』に今日の出来事を記し、それを次の日の自分に伝えているのです。リハビリをしながら日々を細々と生きていくミチルを支えているのは、3LDKのマンションに同居している優しい兄ただ一人。

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そんなミチルですが、ある日『記憶ノート』の一部に不自然な黒塗りを見つけます。まるで書いてあったなにかを封印するかのような黒塗りの下になにが書かれていたのか、そもそもそれは過去の自分が塗りつぶしたのか、それとも……? 兄に『保護』され、外出すらできない3LDKの我が家を舞台に、ミチルは兄の目を盗んで隠された記憶の手がかりを探していきます。

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今作では、SMILE GAME BUILDERならではの機能のひとつである『主観視点』を最大限に活かし、

・目の前しか見えない限られた視野の中で、
・同じ3LDKの部屋のどこかにいる兄に気取られないよう背中を気にしながら、
・まるで監禁犯の目を盗んで外に助けを求めるかのごとく、部屋を調べていく

といった要素をゲームのメイン要素にしています。

今テレビをつけたら、音で隣の部屋にいる兄にバレないか? 兄がシャワーを浴びている間にこそ調べられる場所はないか? 余計なことをしているのがバレれば兄は静かに背後から忍び寄り、そこで今日のミチルは終わり、なにも覚えていない明日のミチルが目覚めるだけでしょう。

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これ、けっこうドキドキします。いつの間にか音もなく後ろに人が立ってるのってかなりホラーですね。僕もホラーは苦手です。

3Dホラーゲーム「ならでは」のポイントとは?

今作はとにかく「SMILE GAME BUILDERにしかできないことをしよう」という一点に尽きました。

従来のRPGツクールなどのゲーム制作ツールとの最大の違いは3Dの世界を簡単に作れることだったので、「3Dのマップで」なおかつ先ほども記した「主観視点で」一番映えるゲームを考えたところ、それは目の前と背中を気にして緊張しながら遊ぶホラーゲームなんじゃないかと思い至ったというわけです。それらの要素を最大限活かすため、目の前と背中を気にして緊張しながら遊ぶことに関係ない要素はすべて削り、シンプルな内容を目指しています。

ただし、3Dならではの欠点も忘れてはいけません。主観視点で遊ぶならとくに、3Dは細かく素早い移動操作を苦手とします。例えば、2Dのホラーゲームでは定番となった「追いかけられイベント」は移動の負担を大きくするので、今回は避けることにしました。「広いマップ」も、ゲーム画面が主観視点で固定だとマップを覚えるのに苦労しそうです。となれば、今作は「アクション要素がなく、狭いマップを行き来する」ゲームになりそうですね。

作りたいゲームの雑感が決まれば、あとはそれをより魅力的にするフレーバー、すなわち物語を肉付けするだけです。僕の場合は、ゲームの構造に『虚白ノ夢』に似た構造を感じたので、いい機会だと思い、以前から薄々考えていた続編的なアイデアをアレンジして活かそうという形になりました。

次回の記事ではより具体的なシーンや物語の登場人物についても触れつつ、SMILE GAME BUILDERの使用感などについても書きたいと思っています。どうぞ引き続き『虚毒ノ夢』にご注目ください!

※本連載で制作しているゲームは完成後、作品を遊べるようにダウンロード形式で公開することに加え、SMILE GAME BUILDERを持っている人向けに、ゲームの実装の中身を見ることができるプロジェクトファイルも合わせて公開する予定です。

結界を駆使して戦う同人シューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』がフリー化 ほか ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は同人シューティングゲームの無償化や、今週末に開催されるイベントに関するものなど7本です。


結界を駆使して戦う同人シューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』がフリー化
 
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同人ゲームサークルProject Noiseが2015年にリリースしたシューティングゲーム『雪晶石 -Malice Eater-』の無償公開が13日に開始された。

雪晶石 -Malice Eater-』は、敵弾にカスって溜めたエネルギーを攻撃や防御に転じて戦うシステムが特徴の縦スクロール弾幕シューティングゲーム。敵弾にカスることでゲージが溜まり、フルになることで結界を発動可能。結界の発動中は被弾を1回無効化できたり、特殊な攻撃を繰り出すことができる。結界の発動中にさらに敵弾にカスり続けることで、残機やボムを増やせるのもポイントだ。

酷寒の大地を舞台に妖や精霊が登場する世界観が、描き込まれたドットグラフィックやキャラクターイラスト、BGMなどで表現されているのも見どころ。ゲームの進め方によって展開が変わるマルチエンディングも特徴となっている。

なお、Project Noiseは本作のリリース後に役目を終えたとして解散しており、メインスタッフのうちMimaki SiON氏とkuu氏は同人サークル秋空シンセシスに所属。今回の無償公開も同サークルのWebサイトにて行われている。また、同じくメインスタッフの一人であるCaras Ohmi氏は個人サークル萬楽破天孔を立ち上げ、現在2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』を開発中(次項にて関連ニュースを掲載)。


萬楽破天孔、2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』Web体験版を更新

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萬楽破天孔は17日、2Dワープアクションゲーム『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』の新体験版を公開した。Web上でプレイ可能となっている。

『ライジング・アーチ -雷火交わせし試練の塔-』は、ワープ能力や雷の弓を駆使してステージをクリアしていくサイドビューのアクションゲーム。操作はマウス(または画面タッチ)のみで行う形で、クリックした場所に瞬間移動しつつ、ドラッグで弓を引くという独特の操作感が特徴の作品となっている。今回のWeb体験版ではワールド1の10ステージとボス戦をプレイ可能。

なお同サークルは、20~21日に京都で開催されるインディーゲームのイベントBitSummitに出展し、体験版のダウンロードカードなどを頒布予定。


オートリ電子、横スクロールSLG『MagicScrollTactics』デモ動画を公開

同人ゲームサークルオートリ電子は16日、横スクロールSLG『MagicScrollTactics』の作品ページを開設、ゲーム画面やデモ動画を公開した。動画からは2Dサイドビューのフィールド上でコマンドを選択して戦う場面などを見て取ることができる。

作品はWindows/Android向けに2017年リリース予定。なお同サークルは21日に京都で開催されるインディーゲームのイベントMegabit Conventionに出展予定で、ゲームの展示やノベルティの頒布が予定されている模様。


ノンリニア、東京大学の学園祭「五月祭」にてゲーム試遊企画を実施

東京大学発の同人サークルノンリニアは18日、20~21日に東京大学の本郷・弥生キャンパスにて開催される学園祭「五月祭」への参加情報を公開した。

同サークルでは企画として「ゲーム試遊空間」を設置。世界に音楽を取り戻すリズムアクションアドベンチャーRPG『Coilion』や迷宮探索型2.5D横スクロールスタイリッシュコンボアクションゲーム『ウロボロスの函』など、開発中のものを含め10作品以上のゲームが試遊可能となるようだ。また、同企画内および五月祭の同人誌即売会企画「コミックアカデミー」にてゲームの頒布も予定されている。


アクションゲーム『Emil’s Task Plus』体験版が公開、Windowsデスクトップアプリ版の配信も開始

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インディーゲーム作成サークルInukagGamesは15日、アクションゲーム『Emil’s Task Plus』の体験版を公開した。

さまざまな種類が用意されている魔法を駆使してモンスターを討伐していくステージ選択型の作品。新たな魔法を購入したり、ドロップや購入により入手できる装備品でキャラクターをカスタマイズするRPG的な要素も特徴となっている。

体験版は難易度の異なる3つの体験版用ステージを選んでプレイ可能。体験版では使える魔法や装備品が固定となっているが、ステージごとにそれぞれ異なる魔法を利用可能だ。

また、同作はこれまでWindows 10用のWindowsストアアプリとして配信されていたが、体験版の配信と同日より、デスクトップアプリとしてのダウンロード販売も開始された。対応OSにはWindows 7が追加されている。


ミナプラス、フリゲRPG『ふうらい奇譚』PR動画を公開

フリーゲーム制作サークルミナプラスが制作中のRPG『ふうらい奇譚-太陽の霊廟-』のPR動画が13日に公開された。

昨年、RPG『リベロアストーリア』を公開した同サークルの次回作。家族で旅をする冒険者達が古代の遺跡に挑んでいくといった内容となるようだ。公称プレイ時間は10~15時間程度で、夏頃の公開が予定されている。


フリゲSRPG『インペリアライザー』デバッガー、マップクリエイター募集

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シミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』のデバッガーとマップクリエイターの募集が開始された。

『インペリアライザー』は個人開発者の渡烏氏がフリーゲームとして開発中の作品(関連記事)。マップ制作についてはマップチップと専用エディターが用意されており、これを利用しての制作になるとのこと。

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