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ADV『被虐のノエル』Season9公開、ビジュアルノベル『ハルカの国』明治越冬編公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は連載型ADV『被虐のノエル』の最新エピソード公開など8本です。

伝奇アドベンチャーゲーム『被虐のノエル』Season9公開

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連載型の伝奇アドベンチャーゲーム『被虐のノエル』の最新話となるSeason9が21日に公開された。

カナヲ氏が株式会社バカーのゲーム配信サイト「ゲームマガジン」でフリーゲームとして連載している作品。契約によって願いを叶える悪魔が実在する世界の港町「ラプラス市」を主な舞台に、両手両足を奪われた少女ノエルと大悪魔カロンのコンビによる復讐の物語が描かれる(紹介記事)。Season9はシリーズ初のノエルやカロン以外の人物を主人公としたエピソードで、シミュレーションゲーム的なシステムによる市街戦もポイントとなっている。

ビジュアルノベル『ハルカの国』明治越冬編公開

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同人サークルスタジオ・おま~じゅは15日、ビジュアルノベル『ハルカの国』の明治越冬編を公開した。

第10回ふりーむ!ゲームコンテストにて大賞を受賞したフリーゲーム『キリンの国』や昨年同人ゲームとしてリリースされた『雪子の国』(関連記事)に続く、「国シリーズ」の第4弾。天狗や「化け」と呼ばれる獣の様子を残しながら人の姿をした者が存在する架空の日本が舞台となっている。

『ハルカの国』 はのちに賢狼と呼ばれる狼の化けであるハルカと、狐の化けであるユキカゼを主人公に明治から平成までの物語を描いていく作品で、「100年のビジュアルノベル」と謳われている。「明治越冬編」はその最初のエピソードで、北国を舞台にハルカとユキカゼの出会いの物語が描かれる。公称プレイ時間は3時間程度。

爆発パズル物理アクションゲーム『ムラサキ劍』Steam/PLAYISM配信開始

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PLAYISMは19日、カタテマの爆発パズル物理アクションゲーム『ムラサキ劍』のSteam配信を開始した。PLAYISMでも配信されており、PLAYISMで購入した場合はSteamキーも提供される。合わせてサウンドトラックのダウンロード配信も開始された。

2014年にリリースされた『ムラサキ』の続編で、今年3月にフリーゲームとして公開された。シューティングゲームのように弾を撃って画面上のブロックを爆発させて敵を倒すシステムが特徴で、同じ色のブロックを接触させるように弾を当てることで連鎖的に大爆発を起こすことが可能。ブロックを複製するといった必殺技も用意されている。

Steam版はSteamの実績やクラウド機能に対応する。

音楽格闘ゲーム『PHRASEFIGHT』Nintendo Switch版リリース

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ゲーム開発スタジオ超OKの音楽格闘ゲーム『PHRASEFIGHT』のNintendo Switch版が20日に配信開始された。

2人対戦およびCPUとの対戦に対応し、楽曲に合わせてボタンを押すことで攻撃し合うという、リズムゲームと対戦格闘ゲームが融合したような作品(関連記事)。PC版が今年2月にリリースされている。

ブラウザRPG『World Wide Adventure』Nintendo Switch移植版リリース

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浮田建設株式会社は20日、同社が運営する自作ゲームの投稿・配信サービス「PLiCy」より、ブラウザRPG『World Wide Adventure(WWA)』のNintendo Switch向け移植版『WWA COLLECTION』を配信開始した。

『World Wide Adventure』は、1996年よりキャラバンサークルが公開しているブラウザゲームで、プレイヤー自身が自由にワールド(作品)を作って公開できるのが特徴。現在の環境では動作させるのが難しくなってきているが、2015年に有志によるHTML5ベースのリメイク版『WWA Wing』がリリースされ、スマートフォン等でもプレイ可能となっている。

今回の『WWA COLLECTION』では、14名の作者によるWWA作品を45作品収録。UIやシステムもNintendo Switch向けに最適化しているとのこと。

PLAYISM、ホリデーセール開催

インディーゲーム配信サイトPLAYISMを運営する株式会社アクティブゲーミングメディアは19日、PLAYISMをリニューアルオープンした。それに伴い19日より1月6日まで、ホリデーセールが開催されている。セール対象の作品は150以上。多くのゲームではPLAYISMで購入するとSteamキーも付属する。

参考までに、もぐらゲームスで紹介記事を掲載したセール対象作品は以下の通り。

Momodora: 月下のレクイエム』60% OFF(オリジナルサウンドトラックも60% OFF。セットで63%になるバンドル版もあり)
記事:メトロイドヴァニアのツボを押さえた『Momodora:月下のレクイエム』は美しくもダークな夜想曲

箱舟のノワール』30% OFF
記事:リソース管理型ノンフィールドRPG『箱舟のノワール』 “幸運”を捧げて極限状況を生き延び、真相を解き明かせ

返校 -Detention-50% OFF
記事:台湾産ホラーアドベンチャー『返校 -Detention-』 歴史の闇を映し出す、恐ろしくも心に残るストーリー

マジックポーション・エクスプローラー』50% OFF
記事:クッキークリッカーライクな自動探索型RPG『マジックポーション・エクスプローラー』。はた迷惑なダンジョンを薬の力(?)で踏破せよ!

ムラサキ』50% OFF(オリジナルサウンドトラックも50% OFF)
記事:『魔王物語物語』『いりす症候群!』のカタテマから6年ぶりの完全新作が登場。連鎖爆発パズル物理アクション+弾幕ゲー、その名も『ムラサキ』!(※フリー版公開時の記事。PLAYISMで購入するとキーを入手できるSteam版ではSteamの実績やクラウドセーブなどに対応している)

なお、21日により開始されたSteamのウィンターセールでも100タイトル以上のPLAYISMパブリッシング作品がセール対象となっている。

超水道、10周年記念サイト開設

ノベルアプリ制作チーム超水道は16日、10周年記念サイトを開設した。

2018年11月16日をもって結成から10周年を迎えたことを記念して開設されたサイト。10年間の活動内容などを綴った年表が公開されているほか、10周年記念企画の第一弾として描き下ろしイラストによる壁紙が配布されている。

ゲームエンジン「Light.vn」バージョン6.2.0公開

ゲームエンジン「Light.vn」のバージョン6.2.0が17日に公開された。

ビジュアルノベル系作品の制作に適したスクリプト型のゲームエンジン。専用エディターが用意されており、エディター上でのリアルタイムプレビュー機能が大きな特徴となっている(紹介記事)。バージョン6.2.0では起動処理の軽量化や変数機能強化などが施されている。


MSXの限界を追い求める伝説的な人物による新作にして、ユーモアたっぷりの探索アドベンチャー『タロティカ・ブードゥー』

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1983年、マイクロソフトとアスキー(現:アスキー・メディアワークス)が提唱した8~16ビットのパソコン共通規格「MSX」は、テレビに接続できる低価格のパソコンを目指して設計され、ROMカートリッジによる機能拡張という特徴的な機能も宿していたことから、国内のゲームメーカーから多種多様なゲームソフトが発売された。

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そして当然ながら、パソコンということで、プログラミング機能も標準搭載。BASIC、アセンブリ、COBALなどの言語を用い、ゲームを始めとするソフトウェアを自作することもできる。
その特色から、徳間書店より刊行されていたMSX専門誌『MSX・FAN』では、自作ソフトウェアの投稿コーナーが設けられ、毎月10本前後の投稿プログラムが紹介され、採用者には自作ゲームのROMカートリッジがプレゼントされるなど、当時のユーザーの間で大きな賑わいを見せていた。このコーナーで名を馳せた投稿者も少なくはなく、特に『まものクエスト』、『ネイティガの悪魔』と言ったRPG作品を発表されていた「TPM.CO SOFT WORKS」こと東郷生志氏は、当時のユーザーから”神様”と謳われている伝説的な人物だ。

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そんな東郷氏は2018年現在の今もなお、MSXの限界を追い求め、ゲームを作り続けている。今回紹介する『タロティカ・ブードゥー』は、1998年にオリジナルのMSXで動作するフロッピーディスク版が発売され、2017年12月29日にPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で配信された作品だ。本作は2014年以降、「Bit Summit」を始めとするインディーゲームのイベントにも度々出展されており、2018年9月20日から2018年9月24日まで、千葉・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2018」でも遊ぶことができた。

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実は筆者も「東京ゲームショウ2018」において、本作をプレイしてきた。先日に掲載された「「東京ゲームショウ2018」注目のインディーゲーム6選」でピックアップすることも考えたのだが、ゲームがリリース済みであること、制作開始から完成に至るまでの軌跡から、此度の単独レビュー記事として取り上げる形とさせて頂いた。

なお、Steamで配信されているPC版にはMSXの公式エミュレーター「MSXPLAYer」が内包されており、ゲームはこちらで動かしてプレイする仕組みになっている。また、イベント出展の際に得られたフィードバックを元に、ゲームバランスにも再調整が施されている。更に日本語のほか、英語、韓国語、中国語 (繁体字&簡体字) の5カ国語に対応(しかも、フォントも東郷氏自らドットで打ったもの)。今後、更に3カ国語への対応が予定されている。

そして、先んじて紹介してしまうが、無料のダウンロードコンテンツで、本作の技術書、開発ツールも付属。プログラムは全て閲覧可能で、本作がどのように作られているのかを知ることもできる。

設計図風のマップ上で繰り広げられる、探索型アドベンチャー

改めてゲームの内容を解説すると、探索型のアドベンチャーとなる。

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ある日、空を航行していた旅客機がエンジントラブルを起こし、墜落への一途を辿り始めた。
墜落地点とされる場所には大きな屋敷が。
だが、そこに住まう家族は夕食を終わらせない限り、その場から動こうともしなかった。

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プレイヤーの分身となる主人公は、あちこちにいる家族を中央の居間に集め、夕食を御馳走した末に脱出させるべく、屋敷の探索に乗り出す。ストーリーの大筋はこのような感じだ。

旅客機が墜落する大惨事が起きようとしているのに、夕食優先とか何と悠長な、どんなシチュエーションだよと突っ込みたくなってしまうかもしれないが、そういうストーリーなのだから仕方がないということで何卒、ご了承のほどを。

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とにもかくにも、ゲームは屋敷を上から見下ろした、設計図風のマップで展開。カーソルを動かし、怪しいところを探って仕掛けを動かしたり、謎を解いたりしながら探索範囲を広げていく。

怪しい所は、カーソルを合わせると点線で描かれた四角形のアイコンが現れ、ボタンを押すと、画面右上のウィンドウに拡大表示される。
ここで方向キーを動かすと拡大した対象を動かすことができ、特定の状態(例えば窓なら全開にするなど)にした後、マップへと戻ると「チャイム」が鳴り響き、次の部屋に連なるドアの施錠が解除されたり、時には部屋に新たな仕掛けが現れる。

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この「怪しい所の確認⇒拡大表示し、方向キーで動かすなりしてみる⇒チャイムが鳴ったら更に詳しく調べる」の過程を繰り返しながら進めていくのが基本となる。

最終目的は中央の居間に家族全員を集め、厨房で夕食を作って食べさせることだ。居間へは比較的早い段階で辿り着く。だが、そこに居るのは屋敷の主だけ。残る家族は閉ざされた部屋にいるので、屋敷のあちこちを探索していくことになる。

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ちなみにこの屋敷には「火の精」が住んでいて、仕掛けを動かすに当たっては彼らの力が必須。はぐれた精霊も多くおり、彼らを探し、見つけ出すことも夕食提供への大きな足掛かりとなる。

そもそも、どうして精霊が屋敷にいるのか、という点で首を傾げてしまうかもしれないが、ストーリー同様、そういう世界観なのだから仕方がない、ということでご了承頂こう。

このゲームの9割はユーモアで出来ているのだ。(極論)

独特ながらも良心的な難易度

また、探索を進めていくと、敵との戦闘も発生。

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戦闘はリアルタイム形式で、方向キーの上下で盾を構えたり、剣を振ったりしながら攻防を繰り広げていく。画面右下に表示された「いのち」が空になる(カーソルが左端まで行ってしまう)と、プレイヤーの敗北。ただ、負けてもゲームオーバーにはならず、マップ探索に戻されるだけなので、何度も気軽にリトライすることができる。

その分、難易度はやや高め。盾で防御姿勢を取っても、敵の攻撃を受ける度に「いのち」が削られていくので、積極的に攻めていくことが求められる。何より、方向キーの上を長押しして剣を振り、そこから防御姿勢に戻すにも方向キーの下を長押ししなければならないなど、行動の際に間を挟むので、タイミング次第では一気に「いのち」を削られる。

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敵も個体ごとに異なるリズムで攻撃を展開してくるため、それに応じた戦術で攻める必要がある。力押しなんて言語道断だ。そうも仕組み自体は単純で取っつき易いが、独特な操作と防御時の設定、そして敵ごとの個性付けも相まって、一筋縄ではいかない手強さ。文字通り手に汗握る展開が楽しめる戦闘システムに完成されている。

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特に初プレイ時は、序盤で遭遇する「ゾンビ」には大いに悩まされることだろう。こんなの倒せないと思うこと請け合い。だが、ちゃんと倒せる。それもかなり単純な方法で、だ。幾度かのトライ&エラーを重ねてそれに気付かされた際、きっと肩の力が抜け落ちる感覚に襲われるだろう。

難易度に関しては探索周りも基本、手探りで行っていくので高め。しかし、こんなの気付くかと憤る意地悪な仕掛けは皆無。行き詰まっても、決まって調べが甘かったと気付かされるオチを迎える。

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意外にヒントとなる手がかりも散りばめられている。「なんだこれ?」と初めはよく分からなかった情報が、実は答えに繋がる手がかりだったり、謎の注意書きが実は本当にその通りだったりと、いずれも直接的になり過ぎず、かと言って理解を妨げない表現でまとめられているところに巧の仕事が炸裂している。

他に戦闘も勝利すれば、削られた「いのち」は自動的に全回復するので、わざわざプレイヤー自身に回復用アイテムを探して使わせる手間を省く配慮も施されている。

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80年代のMSXで作られたゲームということで、当時のイメージから本作の難易度には「難しい」、「理不尽」という印象を抱くプレイヤーも少なくないかもしれない。だが、その実はとても良心的で、自力で解き明かす面白さを尊重した絶妙なバランスになっている。

先述の通り、本作はイベントに出展した際に得たフィードバックを元に4年もの歳月を費やしてバランスを調整したという。実際にそれだけの年月をかけたのがよく分かる塩梅で、昔風ながらも現代にも通ずるやり応えが全編に渡って表現されている。

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特に若い世代ほど警戒心を抱いてしまうのも無理はない。だが、当時特有の難しさとハードルの高さはない。それどころか、時間を忘れてのめり込んでしまうこと確実。そして、昨今のゲームにない、唯一無二なプレイ感に魅了されるだろう。

現代も生き続けるMSXの底力と息吹がここに。

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他にも、本作はデモシーン、戦闘シーンにおいて、手描きのマウス絵によるアニメーションが挿入。見た目は簡素だが、動きは驚くほど滑らかで、場面ごとの情景を見事に描き切ったものに完成されている。アニメーションに費やしたイラストの数も600枚以上に及ぶとのことで、まさに執念と情熱の結晶。MSXで作られたゲームの視点で見ても、表現面の限界に挑戦した仕上がりになっているので必見だ。

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ボリュームはスムーズに進めば1時間以内でのクリアできる。しかし、入り組んだ謎と個性豊かな仕掛け、手に汗握る戦闘も相まって、密度は濃い。また、更なるやり応えを求めるプレイヤーに向けた「ヘルモード」を無料のダウンロードコンテンツとして用意するなど、アフターフォローも万全だ。

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▲東京ゲームショウ2018の展示にて。

東京ゲームショウ2018の展示では、MSXを知らない若い世代も並び、謎の数々に頭を悩ませつつも楽しむ姿を見ることができた。筆者は、女性のプレイヤーが笑顔で遊んでいたのがとても印象に残っている。そんなMSXの時代を知らない世代にも楽しめ、当時を生きた世代にも限界に挑む作者の本気とMSXへの並々ならぬ愛に溢れたゲームに仕上がっている本作。探索アドベンチャーとしての出来も非常によく、遊び応え抜群なので、興味があれば是非、プレイしてみて頂きたい。現代にも通じるゲームが作れるMSXの底力に触れてみよう。ゲーム作りに興味のある方は、付属の技術書も要チェックだ。

[基本情報]
タイトル:『タロティカ・ブードゥー』
制作者: TPM.CO SOFT WORKS
クリア時間: 1~2時間
難易度:初級~上級者向け
対応OS: PC(Windows)
価格: ¥980

購入はこちらから

スタイリッシュSFシューティングバイクレースRPGwithラーメン『Desert Child』

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いきなりのジャンルマシマシ全部盛りに面食らうかもしれないが、この作品を1フレーズで言い表そうとするならばこのようなことになるのは避けられないだろう。端的に言えば怪作の部類である。

『Desart Child』はOscar Brittain氏の制作によるレーシングRPG。
2017年6月にデモ版が公開された後、kickstarterによるファウンディングを経て開発が進められ、2018年12月11日に正式リリースとなった。Alpaka Gamesの販売でWindows PC/Nintendo Switch/PlayStation4/XBox Oneの各機種でリリースされており、日本語表記にも対応している。

ホバーバイクレーサーとなり、最低の惑星から抜け出せ

舞台は荒れ果てた地球。居住可能地域が狭まり、もはや星を脱出するしか希望の無い状態の中、政府は突如として移住許可を締め切る発表を行う。
捨て子たるバイクレーサーは地球が爆発してしまう前に火星へ向かうためのチケットを入手するべく賞金稼ぎに奔走することとなる。

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頼れるものはガレージに残された愛車のホバーバイクと銃一丁。残された時間は、14日。

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本作ではプレイヤーはバイクレーサーとなり、14日の期間のうちに資金を稼いで火星行きのチケットを入手することが目的となる。
ゲーム開始時にはガレージで銃を一丁だけ選択することができる。
銃には癖のない直進型や、ショットガンタイプの短距離拡散型などの種類が存在している。銃の選択は後々の難易度設定も兼ねているため慎重に選択しよう。

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市街では各施設でバイクの修理やレースへの登録、食事などを行うことができる。
バイクレースでパフォーマンスを発揮するには、バイクと搭乗者、その双方のコンディションが重要になる。
質屋でアイテムを質に入れるなどして資金を得て、それを元手にバイクの修理をし、完全栄養食・ラーメンで腹ごしらえをしよう。

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そう、ラーメンだ。SFで麺類といえば、映画『ブレードランナー』の「2つで十分ですよ、わかってくださいよ」という有名な台詞を連想する向きもあるだろう。こと本作においては、レースで打ちのめされた後になけなしの金を払って食べる具なしラーメンの哀しみは何物にも換えがたい。どれだけサイバネティクスが進化しようとも人間とハングリーは切りはなせないものであり、本作に流れるサイバーパンクの血を感じさせる象徴的な存在と言える。

その走りはただひたすらにスタイリッシュ

本作のメインともいえるレースパートは横スクロール方式となっている。
バイクを操作してブーストゲージを消費して加速するブースト、ショットを駆使し、別のレーサーと1対1の直接対決で競い合って先にゴールすれば勝利となり賞金を獲得できる。

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ショットはライバルを直接妨害したり、ドローンを撃ち落としてスピードアップすることが可能。
また、ショットには弾数制限が存在しており、弾切れとなった場合は補給車が登場し、弾数を補充することができる。ただし要注意ポイントとして、この補給車にはブーストを使わないと追い付くことができない。コンディション等によってはブースト切れと弾切れの両方を引き起こして泣き寝入りの状態に陥ってしまうことになる。
過度に銃を連射したりブーストしたりせず、的確にドローンを射抜きつつ、ここぞのタイミングで差しに行くようにするのがレースを勝ち抜くポイントだ。

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パースの効いた背景に、高速スクロールと粗い粒度で描かれた砂埃や水飛沫が組み合わさることで生まれる荒々しい疾走感、レースでゴールインすると共にビタリと止まるBGMといった切れ味抜群の演出の数々は、スタイリッシュという以外の言葉を探すことのほうが難しい。
勝利のカットインと共にブーストを思い切り吹かして格好を付けたくなるような、そんなクールさに満ち溢れている。

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目指すは栄光の「グランプリ」

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大枚をはたいて無事に火星行きのチケットを入手できたら、次はレーサー最大の晴れ舞台である「グランプリ」への挑戦が目標となる。しかしグランプリに参加するには多大な参加料が必要になる。また金か。

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実際のところグランプリ参加料はレースの稼ぎだけではなかなか到達することのできない金額となっているため、悪態のひとつやふたつも吐きたくなる。幸いにも火星は地球よりも栄えている場所であり、いくらかの働き口があるので、様々な”アルバイト”に手を染め…精を出すのが良いだろう。

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加えて火星到着後にはバイクのカスタマイズ機能が解禁される。パーツを集めて愛車をチューンし、来たるべきグランプリでの戦いに備えよう。

本作は「スタイリッシュさ」という一点に強烈に尖った作品であり、その一点においてだけでも手に取るだけの価値はあるといえる。ぜひともそのスタイリッシュさを堪能してほしい。

[基本情報]
タイトル: Desart Child
制作者: Oscar Britain
クリア時間: 5時間~
対応OS: Windows
価格:  $11.99 / ¥1280

↓ダウンロードはこちらから
(Steam)

(Nintendo Switch)
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000010508

(PlayStation4)
https://www.jp.playstation.com/games/desert-child-ps4/

(Xbox One)
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/desert-child/c5jnn7bzf8cc

東方二次創作アクション『天壌のテンペスト』Steam配信開始、戦略SRPG『インペリアライザー』新体験版公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は東方Project二次創作の2DアクションゲームのSteam配信開始など8本です。

東方Project二次創作・2Dアクションゲーム『天壌のテンペスト』Steam配信開始

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同人ゲーム制作サークルLION HEARTの2Dアクションゲーム『天壌のテンペスト』のSteam配信が26日に開始された。26日より1月2日10時(予定)までは配信記念セールとして10% OFFで購入可能。パブリッシャーはDLsiteで、DLsiteでも販売中。

東方Projectの二次創作作品で、比那名居天子を主人公に射撃、打撃、剣撃という3種の攻撃を使い分け、相手の「気質」を掌握して「天候」を操作することで戦いを有利に運ぶシステムが特徴。スキル解放によるキャラクターカスタマイズやスペルカードも駆使し、行く手に待ち受ける強者たちに立ち向かっていくという内容となっている。ドット絵で描き込まれたキャラクターアニメーションや派手な演出も見どころ。

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天壌のテンペスト(LION HEART)

東方Projectを題材とした、二次創作アクションゲームです。

戦略シミュレーションRPG『インペリアライザー』新体験版公開

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渡鳥之氏は21日、開発中のシミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』の新しい体験版(バージョン2.00)を公開した。

大陸の果ての地にして六大国家が争う「ラグメル」を舞台に、その中央を治める帝国の第二皇女「ラウフェイ」を主人公として描かれる地域制圧型の作品。ヘクスマップのアクティブターン制で、近接攻撃などは対象ユニットと重なることで行うという射程ゼロの概念などが特徴。

本体験版は基本的には5章まで、一定条件を満たすことで10章までプレイ可能。2017年5月に公開された体験版からはさまざまなシステムの変更が施されており、また自軍ユニットがロストしなくなるといった難易度を調整するオプション(デメリットあり)をゲーム開始時に選択できるようになった。

また合わせて、ゲーム本体で保存したログを読み込ませることにより、将棋アプリで棋譜を再生するようにマップ上でのユニットの移動、行動内容を再生するリプレイツールのベータ版も公開されている。

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えーでるわいす、「同人ゲームまとめ動画 2018冬」公開

えーでるわいすは22日、「同人ゲームまとめ動画 2018冬」を公開した。

夏と冬のコミックマーケットで頒布される同人ゲームのPVなどをまとめた動画を制作する企画。同サークルのなる氏がとりまとめを行っている。企画参加作品は一覧ページにてスクリーンショットと共に紹介される。

「コミックマーケット95」頒布作品が対象となる今回は、動画なしで一覧ページへの掲載のみの簡易参加も含め、コミックマーケット2日目(30日)に参加予定の52サークルの作品がまとめられている。

和風カードRPG『やまとの姫』紹介動画公開

ゲーム制作サークルあとらそふとは、和風カードRPG『やまとの姫』の紹介動画を公開した。

巫女として各地を旅している主人公の「ヒミコ」が、呪符(カード)を駆使して、ヤマタイ国で起こる争乱に立ち向かうという作品。コミックマーケット95にて頒布予定。

なお、本動画は上記「同人ゲームまとめ動画 2018冬」にも収録されている。

横スクロールアクションゲーム『双腕のソルダート verC95』PV公開

ふりかけ屋は、横スクロールアクションゲーム『双腕のソルダート verC95』のPVを公開した。

複数の武器を使い分けて敵を倒し、ダッシュや壁蹴りといったアクションでギミックを攻略しながらステージを進んでいく作品。「verC95」は体験版となり、コミックマーケット95にて委託頒布予定。

なお、本動画は上記「同人ゲームまとめ動画 2018冬」にも収録されている。

電波障害ノベルADV『AlexiA ~アレクシア~ 第一章』PV第二弾公開

同人ノベルゲームサークルOperation:Noveltyは、ノベルゲーム『AlexiA ~アレクシア~ 第一章』のPV第二弾を公開した。

「電波障害ノベルADV」を謳う作品。コミックマーケット95にて頒布予定。

なお、本作品は上記「同人ゲームまとめ動画 2018冬」に参加しているが、本PVはまとめ動画の収録動画とは別バージョンとなっている。

深海サスペンスADV『デイグラシアの羅針盤』Nintendo Switch版リリース

有限会社レジスタは27日、カタリスト制作の深海サスペンスADV『デイグラシアの羅針盤』のNintendo Switch版のダウンロード販売を開始した。

水深700mの海底に沈んだ潜水艇を舞台に描かれるSFサスペンス作品。オリジナルのPC版は2015年夏のコミックマーケット88で初頒布され、現在はダウンロード販売が行われている。

「12月29日ラジオ会館でゲーム展示即売会」出展サークル情報公開

関西同人ゲーム製作者交流会は26日、29日に東京・秋葉原で開催するゲーム展示即売会「12月29日ラジオ会館でゲーム展示即売会」の出展サークル情報を公開した。

JR秋葉原駅から徒歩1分の「秋葉原ラジオ会館」で開催される展示即売会。入場は無料。

AIかわいい系ビジュアルノベル『西暦2236年の秘書』Android版公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はビジュアルノベルのAndroid版リリースなど3本です。

ビジュアルノベル『西暦2236年の秘書』Android版公開

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ゲームサークルChloroは3日、ビジュアルノベル『西暦2236年の秘書』のAndroid版を公開した。iOS版も公開予定。

23世紀を舞台とした同サークルのビジュアルノベル『西暦2236年』の関連作品。個人向けのAI秘書システム「マスコ」とその持ち主である「ヨツバ」の交流を中心に、人工知能や仮想通貨といったテーマも扱うSF作品で、「AIかわいい系ビジュアルノベル」と謳われている。PC版も公開中。

タワーディフェンス&落ち物パズルゲーム『つくもの』PC版リリース

shinryu氏は4日、タワーディフェンス&落ち物パズルゲーム『つくもの』のPC版をSteamにて配信開始した。11日までは20% OFFで購入可能。

落ち物パズルゲームでユニットを召喚するタワーディフェンスゲーム。プレイヤーキャラクターごとに異なるスキルでユニットを援護するのもポイントとなっている。Android/iOS版も広告付きの無償アプリとして公開中。

「フリゲ2018 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム」結果発表

フリーゲームの人気投票イベント「フリゲ2018 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム」の結果発表が12月31日に行われた。

赤松弥太郎氏により、2008年から毎年行われている企画。2017年12月1日から2018年11月30日までに公開・更新されたゲームを対象に投票が行われ、881作品が得票した。有効総票数は3,077票。得票数が最多となったのは、約2年ぶりの大型アップデートが行われた長編RPG『ざくざくアクターズ(ざくアク)』(関連記事)。フリゲ2018のサイトには得票作品の作者や投票者からのコメントも掲載されている。

もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2018年おすすめフリゲ・インディゲーム15選

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さまざまなフリーゲーム・インディーゲームが登場した2018年、みなさんはどんなゲームをプレイしただろうか?

2019年が明けてまだ間もないこの時期、これから遊ぶゲームを探し始めている人もいることだろう。今回は、そんな読者の方々に向けて、もぐらゲームスの執筆陣が、2018年にプレイしたゲームの中で特におすすめできるフリーゲーム・インディーゲーム15作品を一挙特集する。

各執筆者が2018年に遊んだ中で心に残った「各々の名作」をいくつか紹介していくので、気になった作品があればぜひ遊んでいただきたい。

昨年の記事はこちら。
もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2017年おすすめフリゲ・インディゲーム20選

『ピトロクス・ギア 』

『ピトロクス・ギア』はサークル「盛り合わせC」の制作によるシューティングアクションRPG。現在は作者サイト上にてダウンロードが可能となっている。
タイトルの通り「歯車」をモチーフとしており、人類が姿を消し「箱神(ピトロス)」が暮らす世界に降り立った記憶喪失の少女「ピクセル」が、自身の手掛かりを求めて「ピトロクス・ギア」と呼ばれる場所を目指す。

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遠距離攻撃用のショットと近距離攻撃用のブレードの2種の攻撃と、回避アクションである「クロックアップ」から発動する「スロー」を駆使して戦いつつ探索を進めていく。
主人公の移動に慣性が効くためスピーディな機動戦が中心となり、移動に合わせて歯車がカラカラと鳴り響くなどキャラを操作する手ごたえを感じさせてくれる。

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成長要素として、敵を倒してレベルアップした際に得られるポイントを使用して「スキルギア」を取得することでステータス強化を行うことができる。スキルギアはマス目状に配置されており、ひとつ取得するごとに隣接しているスキルギアが公開されていく。
スキルギアを埋めて強力なステータスアップを探り当てていく点も楽しみのひとつとなっている。

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加えて、静寂感漂う終末世界の世界感や、キャラクター達の掛け合いも本作の魅力。
口は悪いが時に漢気を見せる相棒「エックス」が筆者のお気に入りだ。
(真野 崇)

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タイトル: ピトロクス・ギア
制作者: 盛り合わせC
クリア時間: 12時間~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア
ダウンロードはこちらから
http://neroringa.wixsite.com/moriawase-c/blank-2

『Lightfield HYPER Edition』

Lost in the Garden開発の近未来レースゲーム『Lightfield HYPER Edition』は、2017年にPlayStation4で配信されていた『Lightfield』のアッパーバージョンにあたり、2018年8月から配信中となっている。『HYPER Edition』からは待望となるPC版もリリースされた。
日本語表示にも対応しており、ローカライズは架け橋ゲームズが担当している。

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本作を一言で言い表すならば、「壁を走り、空を飛ぶ」フリーダムなレースゲーム。プレイヤーが操作する飛行船は空中を自在に飛ぶことができるうえ、レースにおいてもチェックポイントさえ通過していればどのようなコースをとっていてもかまわない。
ただし空中ではスピードが出にくいため、より速くゴールを目指すためにはスナップ(設地)とジャンプによる加速も駆使していく必要がある。

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天地無用のコースの数々は平衡感覚が無くなるトリップ感を味わえること間違いなし。
レース以外にも、ドリフトやアクロバットに挑戦したり、マップ内を散策してアイテムを集めるなどの楽しみ方もできるようになっている。
一般的なレースゲームに飽き足らない人にオススメしたい作品だ。ただし、三半規管の弱い方はご注意を…
(真野 崇)

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タイトル: Lightfield HYPER Edition
制作者: Lost in the space
クリア時間: 6時間~
対応OS: Windows / PlayStation4
価格: $14.99 / ¥1500
ダウンロードはこちらから
(STEAM)

(PlayStation4)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/EP2292-CUSA07628_00-JPPS400000000001

『uVu -ユー バーサス ユニバース-』

有限会社アンブレラが2018年3月7日にリリースした『uVu -ユー バーサス ユニバース-』は、スマートデバイス向けの縦スクロール2Dシューティングゲーム。2DSTGにクリッカーゲームの要素が取り入れられている点が特徴となっている。

プレイヤーは自動生成される「ユニバース」内にあるエリアを、設定された制限時間内のなかで進むことになる。被弾すると残り時間がマイナスされ、タイムアップとなった場合はそれまでに進んだエリアの中から再出撃が可能。出撃回数は時間経過などで回復する。
最終エリアのボスを倒し囚われのプリンセスを解放することで、コレクションアイテムである「ギフト」を入手でき、更なる「ユニバース」へと進むことになる。

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出撃前には集めたポイントを消費して制限時間の増加や攻撃力アップなどのパワーアップを行うことができる。パワーアップはポイントが続く限り際限なく行う事ができるため、2DSTGは自信が無いという人であっても、繰り返し出撃して強化を続けていけば敵を押し切って先へと進むことができる。
パワーアップによって億単位のダメージをたたき出し、規格外なまでに巨大化する自機は存在感抜群。

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また、際限なくパワーアップが可能だからといって決してヌルくはなく、効率よく先に進むためには被弾を避けるのはもちろんのこと、複雑な動きを見せる敵編隊を素早く倒し、早回しで時間の消費を抑えるといった技量を活かす余地もある。育成要素と実力勝負が程よくブレンドされた、初心者から上級者まで唸らされる作品と言えるだろう。
(真野 崇)

タイトル: uVu -ユー バーサス ユニバース-
制作者: 有限会社アンブレラ
クリア時間: エンドレス
対応OS: iOS / Android
価格: 基本無料 (ゲーム内購入要素あり)
ダウンロードはこちらから
(iOS)
icon-app-store

(Android)
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『ウルトラファイトだ!キャン太2』

2018年を振り返ってみると、大規模格闘ゲーム大会「EVO」の初の日本開催となる「EVO Japan」を筆頭に、「e-sports」「プロゲーマー」をキーワードとして対戦格闘ゲームというジャンルに改めて注目が集まった1年だったことには異論はないだろう。
そんな時節を顧みて、本稿でも格闘ゲームからオススメをひとつ選出したい。

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『ウルトラファイトだ!キャン太2』はカス美社(羽良麻セルフ氏)が開発している2D対戦格闘ゲームである。2017年10月にitch.io等で初版が公開され、以降もバージョンアップが継続的に行われている。今後はSTEAMでの展開やキャラクターの追加なども計画されている。

ゲームを始めるとまず、キャラクターセレクト画面でトンガった奴らが目白押しのビジュアルと、朗々と歌われるラップに圧倒される。

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本作はコマンド必殺技が存在せず、ワンボタンで必殺技や超必殺技が出せるシンプルな操作となっている。格闘ゲームの心得が多少なりともあれば、ゲームを始めて10分から15分程度でキャラクターをモノにして、対戦相手との間合いや攻撃の隙を推し量る本格的な対戦を始められるだろう。

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システム面では、入力がシビアだが相手の攻撃をタイミングよく受け止めて優位を作り出すことができる「パーフェクトガード」や、1~3人の範囲でキャラクター数を決めることができるチームオーダー等が搭載されている。加えて、他の格闘ゲームでは見られない点として、キャラクター同士がぶつかっても押し合いにならずに入れ違いになるという特徴がある。

フリーキーさとシンプルさ、そしてシンプルであるが故のシビアさを兼ね備えた摩訶不思議な魅力を持った格闘ゲームとなっている。
ロビー方式のネットワーク対戦を標準搭載している点も注目ポイントだ。
(真野 崇)

タイトル: ウルトラファイトだ!キャン太2
制作者: カス美社
クリア時間: 30分~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア
ダウンロードはこちらから
https://harama-self.itch.io/ultrafightdakyanta2

『FATAL TWELVE』『CisLugI-シスラギ-』

2018年もフリーゲーム・同人ゲームを中心にさまざまなゲームを楽しませていただいた。RPGについては個別記事で語りたいことをおおむね語りきったので、本稿ではテーマ的に重なる部分もあるノベルゲーム2作品『FATAL TWELVE』『CisLugI-シスラギ-』を併せて紹介したい。

まず1本目の『FATAL TWELVE』は、あいうえおカンパニー制作のサスペンスビジュアルノベル。爆発に巻き込まれて死んだ女子高生・獅子舞凛火をはじめとした12人が、お互いに脱落させ合い、残った者だけが死の運命をなかったことにできるという儀式≪女神の選定≫の参加者になったことから物語が展開していく。

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他の参加者の氏名・死因・未練という3つの情報を集めて「指名」することで脱落させるというルールは頭脳戦によるデスゲームという昨今の人気ジャンルを想起させるもので、実際そういった要素も面白い作品ではあるのだが、何より胸を打つのは12週間にわたる≪女神の選定≫を通して掘り起こされる、参加者達それぞれの生き様だ。未練を知るというのはすなわちその人が大切にしている「今」や叶えたい「未来」を知ることでもあり、世代も出身国もバラバラな人々による群像劇という観点もある作品となっている。最初はいかにも敵役らしく描かれていた人物も深く知っていくことでその魅力を感じられ、それだけに脱落という事実が重く切ない。本作はフルボイスで、声の演技による真に迫った感情表現もキャラクターの魅力を引き出している。

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一介の女子高生に過ぎなかった凛火が選定の参加者達と関わっていき、ときには想いを託され、運命と戦う決意を固めていくさまも熱い。選定の参加者には凛火の親友である未島海晴も入っており、自らを犠牲にしてまで凛火を生き残らせようとする海晴と二人で生きることを模索する凛火という、命懸けの重量級百合も注目のポイントだ。

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デスゲームものとしては、基本ルールは情報戦でありつつも序盤では暴力の扱いに慣れた者が一般人から実力行使で情報を引き出したりと、特別な力を持たない者がこうした事態に巻き込まれたらどうなるかがリアルに描かれるのがユニーク。中盤以降は残った強者達による探り合い・化かし合いに手に汗を握ったり、終盤には≪女神の選定≫そのものの謎にも迫ったりと、進行に応じて異なる楽しみ方ができ、最後まで熱中できる内容となっている。

タイトル:FATAL TWELVE
制作者:あいうえおカンパニー
クリア時間:約20時間
対応OS:Windows/Mac OS/Linux
価格:2,500円前後(サイトによる)
ダウンロードはこちらから

FATAL TWELVE

FATAL TWELVE(あいうえおカンパニー)
十二人の中で、再び生きることができるのはたった一人だけ。これは、死から始まる命の物語――フルボイスでおくるサスペンス・ビジュアルノベル。

2本目の『CisLugI-シスラギ-』は、NextVillage制作のSFノベルゲーム。自殺が合法化され、「死にたい」と口にするだけで脳内に埋め込まれた「尊厳維持装置」により苦しまず死ねるようになった世界を舞台とした作品で、主人公やヒロインの異なる4つのシナリオを収録したオムニバスという形式が特徴だ。

4つのシナリオはゲーム開始直後の「貴方にとって自殺は、」という問い掛けに対する選択肢で分岐する。たとえば「止めたい」を選ぶと始まるシナリオ「罪過の兎は手を伸ばす」は尊厳維持装置の撲滅を目指すテロリスト集団の工作員「日野原矜次」が主人公で、パワードスーツなどのガジェットも登場するアクション要素の強いシナリオだ。人情味と元軍人らしい冷徹さを併せ持つ矜次はとても主人公らしい主人公で、「英雄とは何か」をも問うような展開も見どころ。互いに支え合う仲間達との絆や宿敵との矜持や想いのぶつかり合い、絶望的な展開からの再起など、ストレートに熱い物語となっている。

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また、最初の選択肢で「止めてはならない」を選ぶと始まるシナリオ「道化の電波時計は時を刻むのか」は、尊厳維持装置を製造する企業の社長である「金剛寺春人」が主人公。今は亡き許嫁の幻覚を見るというパラノイアに苛まれる彼が「幽霊が見える」と自称する少女と出逢うことから物語が動き出していく。サイコサスペンスと電波系が混然としたような展開と春人の人を食ったような性格が相まって終始プレイヤーを翻弄しつつ、そうして散りばめられた謎の数々がロジカルに解明されていく終盤は圧巻だ。

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……といった感じで、登場人物の立ち位置から作品のテイストまで、本当にバラバラな作品が並立しているのが本作の醍醐味。各シナリオの主要人物が直接的、間接的に他のシナリオの人物と関わったりといったクロスオーバーも楽しめる。主人公達を取り巻くキャラクターも個性的な人物ばかりで、あるシナリオでは敵である人物が別のシナリオが主人公の導き手となったりと、オムニバスならではの多面性も描かれ、群像劇としても読み応えのある作品だ。

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なお、4つのシナリオは最初からどれを選ぶこともでき扱いはあくまで同列……ではあるのだが、「罪過の兎は手を伸ばす」の終盤は、ある意味本作全体の集大成とも言えるような内容となっている。各シナリオは並行で読み進めることも可能なので、筆者としては「罪過の兎は手を伸ばす」でそろそろクライマックスかな、と感じた所から先を読む前には他のシナリオを読み終えておくことをお勧めしたい。

タイトル:CisLugI-シスラギ-
制作者:NextVillage
クリア時間:約15時間
対応OS:Windows
価格:3,240円
ダウンロードはこちらから

CisLugI-シスラギ-

CisLugI-シスラギ-(CisLugI-シスラギ-)
これは、命を問う物語

死と隣り合わせの世界観で、だからこそ炙り出される生を描いていく2作品。いずれもクオリティの高いキャラクターグラフィックや背景美術、そして情景や心情に寄り添った音楽の数々により、骨太なテーマに説得力を与えている。両作品とも体験版も用意されているので、テーマや世界観、キャラクターやビジュアルなど何かしら気になる点があれば、ぜひプレイしてみてほしい。
(中村 友次郎)

『Celeste』

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「The Game Awards 2018」にてBEST INDEPENDENT GAME(ベストインディーゲーム)を受賞した山登りアクションAVG「Celeste」。その高難易度で名を馳せた本作ですが、攻略法をひらめいて達成したときの喜びやドラマチックなストーリーテリングなど、一言では語りきれない魅力に溢れたタイトルでもあります。

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主人公Madelineが挑むのは、登る者の内面を実体化する山「セレステマウンテン」。ひとつひとつのマップに仕組まれたギミックは綿密に配置されており、ステージごとにさまざまなバリエーションを見せてきます。少しの操作の違いが命取りとなる一方、リトライの時間がほとんどかからないため、モチベーションが途切れることなく挑戦し続けることが可能。何度も死を繰り返しながら攻略の糸口を見つけ、頂上に到達したときの達成感は、ほかには代えがたいものがあります。

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Celesteの注目すべきもうひとつの側面は、ゲームプレイと物語の融合。Celesteはけして雄弁に多くを語るゲームではありません。しかし、精神疾患を抱えたMadelineが、登山者や自身の分身との出会いの中で心が変化していく様子を、幻想的なマップデザインやシームレスな音楽によってダイナミックに描いています。何百、何千の死を乗り越えて限界を超えて挑むプレイヤーと、自身の試練を打ち勝とうとするMadelineが一体化する終盤は、ゲームでしか成し得ない鮮烈な体験をさせてくれます。
(ノンジャンル人生)

関連記事:ひらめきと挑戦の傑作アクションアドベンチャー『Celeste』 幾多の死を乗り越え、遙かなる頂きを目指す

タイトル: CELESTE
制作者: Matt Makes Games
クリア時間: 7時間~
対応OS: Windows、Mac、Linux、Nintendo Switch
価格: 1,980円
ダウンロードはこちらから

(Nintendo Switch)
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000010822

『ALICE HOLE』

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「ALICE HOLE」では小さな部屋で目覚めた少女アリスを操作して、「フランシスカに会わなければいけない」というわずかな記憶を頼りに、広大な迷宮を渡り歩くこととなります。いわゆるダンジョン探索型RPGである本作の魅力は、例えばメトロイドヴァニアやダークソウルシリーズのように、自分の手でダンジョンを探索して道を切り開いていくことにあります。

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アリスの行く手を阻むのは、古代の王が眠る墓、人のいない城下町、炎が燃え盛る地下迷宮など……。そのひとつひとつのダンジョンに大量のモンスターやトラップが配置される一方、ダンジョンの怪しげな所には隠し部屋があり、強力な装備や閉ざされた扉の鍵が見つかることも。探究心が刺激されたプレイヤーは、いつの間にか迷宮の奥深くへと誘われます。

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また、その世界観は謎めいており、迷宮に散らばった書物を集めていくことで、迷宮の全貌が少しずつ解き明かされていくのも魅力のひとつ。断片的な情報が集まることで、かつてこの世界で何が起こったのか判明し、やがてアリスは物語の確信に迫ります。

ALICE HOLEは往年の名作フリゲ「Nepheshel」「Histoire」の構成を引き継いでおり、クラシカルな遊び心地を保ちつつも、それぞれの持ち味がバランスよく整理されています。新たに「666人目のアリス」シナリオも追加され、より壮大な冒険があなたを待っています。
(ノンジャンル人生)

関連記事:フリゲ探索RPG『ALICE HOLE』 名作の遺伝子を引き継ぐ迷宮を制して、立ちはだかる困難を“克服”せよ!

タイトル: ALICE HOLE
制作者:  黒木静
クリア時間: 10時間~30時間
対応OS: Windows
価格: 無料
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/16515

『Into the Breach』

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はるか未来、地中より現れた「Vek」なる巨大生物群により、文明社会は崩壊。人類も滅亡寸前にまで追い込まれた。巨大戦闘用メックと搭乗するタイムトラベラー達は過去へと遡り、来たる滅びの未来を変えるための戦いに身を投じる。『Into the Breach』は宇宙船ローグライク『FTL:Faster than Light』で鮮烈なデビューを飾ったインディーディベロッパー「Subset Games」による、完全新作の戦略シミュレーション。2018年2月27日、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」でリリースされた。

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三体のメックを動かし、多彩な装備を駆使してVekの脅威を退けていくというのが主な内容。戦略シミュレーション王道のターン制でゲームは展開するが、「Vekがマップを移動→攻撃目標などが決定→プレイヤーのターン開始→ターン終了後、Vekによる目標への攻撃などが実施」と、あらかじめ敵の行動と結果が明示され、それを覆すための戦術、戦略を練り、実行していくプレイスタイルを最大の特色としている。

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また、Vekは居住区、民間施設などのマップ上の建物を目標として定めてくる。建物が破壊されると画面上部に表示された「パワーグリッド」が喪失し、全て無くなるとゲームオーバー。滅びの未来が確定し、最初のマップからやり直しとなる。しかし、マップごとの戦闘は5ターン以内に決着する仕組みで、所要時間も最長で10分程度と短め。エンディングまでの一周に要する時間も1時間半~3時間程度。この手のジャンルとしては珍しい、抜群のテンポと高いリプレイ性を誇る。ただその分、マップごとの密度は濃い。特にVekは毎ターン増援が現れては周到な攻撃を展開し、プレイヤー側も戦力面からして全滅させるにも様々な試行錯誤が要求されるので、文字通り、脳が休まることのない戦いが繰り広げられる。ゲームオーバーからやり直す度にマップの形状、クリア特典も変化するランダム要素も実装されているので、なおのこと一筋縄ではいかない。

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昔懐かしいビジュアルに小さなマップと、お手軽な見た目をしているが、中身はかなりの本格派。戦術、戦略を練る醍醐味をこの上ないほど味わえる作品に完成されている。考え抜いた戦略が見事に当てはまって、ピンチな状況を覆せた時の快感も格別。移動だけに費やすパートを発生させず、常に戦闘が展開されるよう設計されたゲームデザイン、バランスも極まっていて、遊び始めれば1~2時間が裕に飛ぶなど、中毒性も高い。他にも個性に富んだメックごとの性能と武器、デフレ特化の数値周り、タイムトラベルの設定を活かした周回要素など、語り尽くせないほどの魅力がある。

2018年8月31日には海外向けにNintendo Switch版も配信され、今後、日本での展開も予定されている。戦略シミュレーションの最も面白い部分を磨き上げた、傑作と豪語できる逸品に仕上がっているので、同ジャンルの好きなプレイヤーなら要プレイだ。難易度選択機能も搭載されているので、ジャンルに苦手意識のあるプレイヤーも興味があればぜひ。ただ、繰り返しになるが中毒性は非常に高い。くれぐれも日常生活に支障をきたさぬよう。
(シェループ)

タイトル:『Into the Breach』
制作者: Subset Games
クリア時間: 1時間半~3時間(※やり込み要素のコンプリートは除く)
対応OS: PC(Windows、Mac、Linux)、Nintendo Switch(※2019年1月現在、海外のみ)
価格: ¥1520

購入はこちらから

※Nintendo Switch版(海外アカウントがあれば、国内からも購入可能)
https://www.nintendo.com/games/detail/into-the-breach-switch

『Copy Kitty』

アクションゲーム、シューティングゲーム共に、巨大なボスが派手な爆発と爆音と共に散る瞬間は、強敵を打ち倒したという手応えと気持ちよさを高めてくれる。だが、あくまでも筆者の主観だが、シューティングゲームはまだしも、アクションゲームはここ数年、特にインディー界隈において、その演出が一歩足りていない作品が目につく。
そういうのを見る度に言いたくなる。

もっと派手に散れよ!爆音響かせろよ!」と。

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そんな筆者の求める爆発観(?)に応えてくれたのが『Copy Kitty』だ。二人の個人開発者によって結成された「Nuclear Strawberry」制作の横スクロール型アクションゲームで、2018年4月20日に「Steam」、「itch.io」でリリース。制作には7年近くを費やしており、2016年頃より早期アクセス版がリリースされ、コミュニティからのフィードバックを受けながら完成へと漕ぎ着けた。

ヒーローに憧れる猫の少女「Boki」が、叔父の「Savant」が作った電脳世界を舞台に様々なロボット軍団を相手に戦いを繰り広げていくというストーリー。短めのステージを舞台に、ターゲットとして指定される敵などを撃破していく単純明快な内容だ。

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戦闘はショット攻撃を駆使して立ち回る形だが、その種類の豊富さが最大の特色。初期装備の単発のほか、敵が落とす武器アイテムを獲得することによって、追尾型、拡散型、グレネード、電撃、さらには化学薬品に鞭、昇竜拳(?!)まで、多彩な攻撃を繰り出せる。さらに武器は最大三つまでストックでき、対応するボタンを押せば、それらをミックスしたショットを放つことも可能。追尾性能を持った爆弾、電気を帯びた剣まで、その組み合わせはなんと170以上におよび、その全てを発見、使いこなそうとするだけでも相当なやり込みを強いられる作りになっている。おまけにステージも130以上。さらに叔父の「Savant」でプレイする専用シナリオも用意されているほか、宙を漂いながらステージを進んで敵を戦うなど、戦闘スタイルもBokiと別物。全要素を堪能するだけでも、アクションゲームとしては規格外なボリュームになっているというのは容易に想像が付くだろう。

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演出面にもこだわっており、敵を倒した時には派手な爆発エフェクトが周辺一帯を覆い、気持ちのいい爆発音が鳴り響く。最後のターゲット、ボスを倒した時に至っては専用のエフェクトが画面全体を覆い尽くすほどに広がり、音圧十分の爆発音も鳴って、強敵を打ち倒した手応えと達成感をこの上ないほど引き立てる。ボス戦も序盤は相手の出方を読みながら動く真剣勝負だが、ボスの持つ武器を手にして以降はその威力に任せた「処刑タイム」な展開に一転するという、独特な構成になっていて面白い。

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「アクションゲームにもっと爆発を!」と筆者のように欲求不満な思いがあるなら、ぜひプレイいただきたい快作。派手にした反動で視認性が悪い、組み合わせの豊富さゆえに全容の把握が困難を極めるなどの分かりやすい難点があるが、そんなの知ったことかと派手さを徹底的に突き詰め、貫き通した作りは圧巻。混じりけなしのインディー魂、そして爆裂魂に刮目せよ!ちなみに日本語対応の予定もあるとのこと。作中のテキスト量が膨大なため、実現まで時間を要するようだが、待ち遠しい限りだ。
(シェループ)

タイトル:『Copy Kitty』
制作者: Nuclear Strawberry(※販売:Degica)
クリア時間: 4~5時間(※Savant編込みなら16~20時間ほど)
対応OS: PC(Windows、Mac)
価格: ¥1520

購入はこちらから
※Steam

※itch.io
https://entanma.itch.io/copy-kitty

『The Messenger』

「悪魔王」率いる軍勢により、滅亡の危機に陥った一族を救うべく、世界の命運を握る「巻物」を手にした忍者が呪われた世界を駆ける。

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『The Messenger』はカナダ・ケベック州を拠点とするインディーディベロッパー「Sabotage」制作による横スクロール忍者アクションゲーム。2018年8月31日にNintendo Switch、PC(Windows)向けにリリースされた。販売はDevolver Digital、日本語版のローカライズ並びにパブリッシングサポートは架け橋ゲームズが担当している。

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刀、手裏剣を駆使して行く手を阻む悪魔の軍勢を倒し、ステージ最後に待ち構えるボスの討伐を目指す、大枠こそ正統派のステージクリア型アクションゲーム。プレイヤーアクションも壁への貼り付き、滑空など、これぞ忍者なものが揃っており、軽快な挙動と手応えを特色とした操作感を味わえる。また、ステージ上で手に入る「時のかけら」を消費することによる、スキルツリー形式のステータス強化要素も。道中にも「力の封印」なるアイテムを探し出す寄り道要素があり、一度クリアするだけでは終わらない密度で構成されている。

ここまでの概略だけなら、平凡なアクションゲームとの印象に終わるだろう。本作が凄いのはステージクリア型アクションというのが仮の姿であることだ。独自のシステムで、8ビットと16ビットの世界を行き来できる、グラフィックから音楽も一変する仕掛けが盛り込まれているのだが、この解禁と同時にゲーム内容が著しく変わる。ステージクリア型から、全く別のアクションゲームになってしまうのだ。その詳細は実際にプレイしてのお楽しみだが、8ビットと16ビットの二種類のグラフィック、音楽を用意したことに納得の意味を設けた、とても興味深いものになっている。同時に本作が真の意味で忍者を体現したゲームであることも分かる。まさにステージクリア型は世を忍ぶ仮の姿、しかしてその実態は……だ。実のところ、既に公式側で真の姿はネタバレ済みだったりするのだが、あえてこの紹介では作中に登場する青頭巾の店主の意向に沿い、伏せよう。

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他にストーリーも忍者のイメージにそぐわぬ、ファンタジー全開のなんでもありな内容。メタフィクションなネタも多く、中でもステージの中間地点でもある扉の先に待つ青頭巾の店主との会話はハチャメチャの極み。「面白い話は?」と尋ねれば、本当にゲームと無関係の面白い話を聞かせてくれるというだけでも、その一端が分かるだろう。
ちなみに本作の翻訳を担当された小川公貴氏(※代表作:『Owlboy』、『RUINER』、『Battle Chef Brigade』など)いわく、総テキストの半分がこの面白い話に割かれているとのこと。力の入れどころがおかしい。

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灯篭を攻撃して行う二段ジャンプの癖の強さ、先述の実態が明かされて以降、落下ミスが余計になる難点もあるが、途中からのゲーム内容変化、メタフィクション満載のストーリーで強烈な印象を残してくれる本作。2019年も無料アップデートによるコンテンツ追加など、新展開が告知されている。今から遊んでも遅くはないので、若き忍者と共に不思議いっぱいな世界を旅してみよう。旅に疲れたら、店主から面白い話を聞いてみよう。きっと明日に役立つ無駄な何かが手に入る……かどうかは分かりません。
(シェループ)

タイトル:『The Messenger』
制作者: Sabotage(※販売:Devolver Digital / ※日本語版ローカライズ:架け橋ゲームズ)
クリア時間: 15~20時間(※実績、やり込み要素の攻略を除く)
対応OS: Nintendo Switch、PC(Windows、Mac)
価格: ¥1980

購入はこちらから
※Nintendo Switch版
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000012841

※PC(Windows)版

『VASTYNEX』

2018年はシューティングが賑わいを見せた一年でもあった。特にNintendo Switchでは往年の名作が数多くリリースされたほか、新作でも『BLACK BIRD(ブラックバード)』が話題を呼び、当もぐらゲームスにもレビューが掲載された『ネコネイビー』も『デイドリーム・エディション』なる新要素を追加したパワーアップ版がリリースされた。

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もちろん、PCでもインディー、フリーを問わず、魅力溢れる作品が多数リリース。その中から今回は『VASTYNEX(ヴァスティネックス)』をピックアップする。本作は2018年8月22日にフリーゲームとして配布された作品。制作は個人のWebサイト「喜撃屋本舗」において、多種多様なシューティングゲームを公開・無料配布しているzakichi氏。同年1月12日にステージ3まで遊べる試遊版を公開し、幾度かのアップデートを経た後、完成版の公開へと至った。ダウンロードは先述の「喜撃屋本舗」より実施する形となり、紹介ページのある「フリーゲーム夢現」からでも同様のルートを辿る形となる。

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内容は王道の横スクロール型シューティングゲームで、五つの武装を状況に応じて切り替え、迫り来る敵を撃墜していく。最大の特色は突き抜けた”熱さ”。自機、背景に至るまで粗いドット絵で描写されているが、その見た目とは裏腹に動きは滑らかで、ステージの展開に合わせたドラマティックな演出と派手な爆発でプレイヤーの感情を揺さぶる。バックに流れる音楽もそれらを引き立てる熱い楽曲が揃っており、特にボス戦はステージごとに固有の曲を設けているこだわりぶりだ。

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ボスにもシューティングゲーム好きなら思わず突っ込みたくなるだけでなく、腹筋までも刺激される、往年の名作を元にした驚愕のパロディが詰め込まれている。しかも、本編に登場する全てのボスは段階的に変形。その形態もパロディてんこ盛りに留まらず、プレイヤーの想像の裏を突いてくるパターンになっているので、元ネタを全く知らずとも楽しませてくれる。中でもステージ3のボスは恐れ知らずにも限度がある、もの凄いことになっているので必見だ。戦闘中の演出もクライマックス感溢れる熱さ。中盤のボスなのに、最終ボスと戦っているかのように錯覚してしまうほどだ。念のためだが、最終ステージであることを伝える演出はちゃんとある。騙されぬようご用心を。騙されても実害ゼロだが。

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昨今のシューティングゲームにしては珍しく難易度選択機能がない一本特化型で、ゲームオーバー後のリトライでもクレジットを消費する仕組みだが、その数が9と多めで、意外に力押しも効く。全体のバランスも回避困難な弾幕が展開される場面も少なく、トライ&エラーを繰り返すことで突破口も見えてくる理に適った調整が図られている。ビジュアル通りに視認性の悪さを感じてしまう場面もあるほか、一部、激しい点滅表現(しかも色合い的に危険な類の)が含まれていたりもするが、完成度は高く、火傷するほどの熱さを秘めた作品に完成されている。シューティングゲーム好き、特に80年代から同ジャンルを親しんでいる世代なら是が非でも遊ぶ意義のある作品。粗いビジュアルの裏に潜む、猪突猛進・天元突破な本気のパロディとドラマティックなゲーム展開を体験してみよう。その先にあなたは本作に込められた尋常ならざぬ”シューティング・ラヴ”を見る
(シェループ)

関連記事:見た目以上に熱い展開目白押しのフリゲSTG『VASTYNEX』。五つの武装を駆使して、変形を繰り返す”ヤツラ”を撃ち落とせ!

タイトル: 『VASTYNEX』
制作者:喜撃屋本舗(zakichi)
クリア時間: 30~50分
対応OS: PC(Windows)
備考:一部、激しい点滅表現あり
価格: 無料

ダウンロードはこちらから
http://zakichi.ojaru.jp/vastynex.html

※フリーゲーム夢現(紹介ページ)
https://freegame-mugen.jp/shooting/game_7382.html

『GRIS』

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年の瀬の迫る12月には多くの新作ゲームがリリースされる。その中には一年のベストタイトルに名を連ねる、「遅れてやってきた逸材」な新作が紛れ込んでいることがあり、一度、決めかけていた候補が増えたり、入れ替わる展開に見舞われたりする。2018年もまた、そのようなタイトルがNintendo Switch、PC(Windows、Mac)向けに参上した。『GRIS』である。かつてユービーアイソフトなどに所属した二人の開発者、スペインはバルセロナで活躍するアーティストによって設立した独立系スタジオ「Nomada Studio」のデビュー作。販売は先述の『The Messenger』に引き続きDevolver Digital、日本語版ローカライズおよびパブリッシングサポートも架け橋ゲームズが担当している。

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美しい歌声を持つ少女「GRIS」はある時、声を発せられなくなり、その悲しみから絶望に暮れてしまう。歩くこともままならぬ彼女だったが、やがて気力を取り戻し、失われた声を取り戻す手がかりを求め、不思議な世界を巡る旅に出るというストーリー。

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内容は横スクロールで展開するアクションゲームで、基本的には主人公のGRISを動かして行く手を阻む障害を乗り越えながら、「星」を集めていく。道中に敵は登場せず、戦闘も発生しない静かな作りであるが、舞台となる世界(フィールド)がGRISの心情を投影したかのような構造をしていて、先へ進む度に思わず息を飲む変化を見せていくようになっている。始めは白黒だった世界に色が戻って風が吹き、不思議な生き物が現れるなどして活気づいたり、自然が蘇ったり。合わせてGRISのアクションも増え、壊れた床を壊せるようになったり、水中を魚のように進めるようになるなど、行動範囲も広がっていく。それに合わせるかのように現れる、彼女の内面の不安を具現化した”闇”。進むべき道を破壊したり、巨大な怪物になって迫ってきたりのスリリングな逃亡劇も繰り広げられる。逃げるだけでなく正面から闇に立ち向かうこともあり、その際には声を失って絶望した少女の再生が芸術的なグラフィックと場面に見合った音楽、そしてアクションゲーム独自のプレイスタイルと同時に描かれ、言葉に表しがたい高揚感が襲い来る。様々な経験を経て辿り着くエンディングもそれまでの集大成と言わんばかりの美しさで、思わず見とれてしまうほど。

戦闘がなく、謎解きも一部を除いて簡単な作りなので、難易度は低め。しかし、適度に緩急をつけた構成と素晴らしい演出、行動範囲の広がりもあって、アクションゲームとしての確かな手応えも味わえる、秀逸なバランスになっている。エンディングまでに要する時間も2~4時間程度と短めだが、色んな要素が凝縮された構成もあって物足りなさは皆無。手応えを求めるプレイヤーを対象に実績を始めとするやり込み要素も備えられている。

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一部、プレイヤーが小さく表示されて場所を見失う場面(特にNintendo Switchの携帯モードでプレイした際に顕著)がありはするものの、アクションから演出、ストーリーに至るまで高いレベルでまとめられた正真正銘の”作品”。美しい映像と音楽、そしてアクションゲームという名の”体験”を通じて描かれる再生と喪失の物語を体験してみよう。

2018年12月13日リリースということで、これまで取り上げた作品の中でも特に新しいが、間違いなく同年度の締め括りに相応しい一本。雰囲気を楽しむゲームが好きであれば、今すぐにでもプレイしてみていただきたい。
(シェループ)

タイトル:『GRIS』
制作者: Nomada Studio(※販売:Devolver Digital / ※日本語版ローカライズ:架け橋ゲームズ)
クリア時間: 2~4時間(※やり込み要素のコンプリートは除く)
対応OS: Nintendo Switch、PC(Windows、Mac)
価格: ¥1780

購入はこちらから
※Nintendo Switch版
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000014007

※PC(Windows、Mac)版

『ヨルダケ 』

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毎晩、虚ろな目で外へ出かけてしまうようになった兄。心配した弟がその後を追うと、異様な光景の広がる地下世界に辿り着いていた…。
過去に「睡眠時遊行症(すいみんじゆうこうしょう)」、またの名を「夢遊病(むゆうびょう)」の疑いをかけられたイラストレーターで個人制作者のじゃむさんっぽいど氏が、その経験を元に制作した探索型アドベンチャーゲーム。2018年9月25日に「ふりーむ!」にて、PC(Windows)用フリーゲームとして配信された。

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横にスクロールするマップを進み、何かに導かれるように地下世界の奥地へ向かう兄を追いかけていくという内容。行く手には様々な障害が待ち受けており、それらを突破したり、時に戦闘を繰り広げていく。さらに本作はタイトル通り”夜だけ”、午後21時から午前3時の間にしかプレイできない制限がかけられている。それ以外の時間に起動しても、特殊なメッセージが表示されたり、主人公が就寝中の姿が映し出されるだけで、そこから先へと進むことは叶わず。極めて革新的且つ、独特な設計になっている。

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また、台詞、メニュー周りのテキストも日本語、外国語ですらない独自言語で記述。登場人物が何を言っているのか、何が書かれているかも理解できない。ただ、各文字は日本語の五十音順に基づいて関連付けられているので、法則性を発見すれば分かるようになるほか、ゲームを進めるに当たって、それらを理解していないと乗り越えられない場面はない。ただ、何が起こっているのか全く分からず進んでいくので、心はモヤモヤ。全く分からないからこその得体の知れぬ不気味さも同時に襲い掛かってくる。これらの特色からも明らかな通りに、とにかく作りが異質。尖りに尖ったゲームに仕上げられている。

しかしながら、深海をモチーフにした世界観、異様な姿をした住民達と居心地の悪い空気感、言語の法則を発見することで判明する驚愕の真実など、数多くの魅力的な要素が随所にあり、唯一無二の体験を提供する。グラフィック、音楽を始めとする演出周りも独特の世界観を引き立てており、特に前者の「いけない世界に迷い込んだ」という気持ちを高める色遣いとデザインは圧巻だ。戦闘も基本はオーソドックスなコマンド選択型だが、一対一で相手に語りかけ、ハートゲージを満タンにすれば勝利という一風変わったルールが異彩を放つ。アドベンチャーということでレベルの概念はなく、プレイヤーの体力はハートの数で示され、受けたダメージは戦闘終了後に回復、他の回復手段は限定的などの独自仕様もあるほか、戦闘で敗北すると……これ以上は実際にご覧いただきたい。

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居心地の悪さを演出するため、メッセージ送りの遅さなど、快適性を意図的に犠牲にしている部分もあり、先述の制限から現実的な意味でも人を選ぶが、だからこその個性と魅力が際立った作品。純粋に探索型アドベンチャーとしても、優しすぎず難しすぎずの謎解きの難易度、特徴的なマップの構造など、見所の多い作りになっているので、そちら目的のプレイヤーも要チェック。時間の制限からプレイするのが難しいという方も、エンディングまでの所要時間は1~2時間程度と短めなので、どこかしら合間を縫ってプレイしてみて欲しい。
それでは、良き夜のひとときを。おやすみなさい。
(シェループ)

関連記事:よるしかあそべない、ふしぎなあーるぴーじー『ヨルダケ』 こんやも、さまようあにをおいかけます。

タイトル:『ヨルダケ』
制作者: じゃむさんっぽいど
クリア時間: 1~2時間
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料
備考:出血、ホラー描写あり(※推奨年齢:12歳以上)

ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/18573

『細胞神曲 -Cell of Empireo-』

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「ゲームという形式を、非常に有効に活用した物語体験」を楽しめる作品。ホラーあり、探索あり、バイオレンスあり、アクションあり、謎解きあり……と、一口でどんなゲームかを説明するのかは難しいが、それらすべての要素がゲーム内で語られる「物語」にとって不可欠な体験となっているように感じる。

探偵事務所に勤める阿藤春樹は、ある日、後輩の失踪事件に遭遇する。手掛かりとなるのは「至高天研究所」という宗教団体。阿藤は、この得体のしれない団体の施設に潜入することになるが……。

物語自体の質の高さや個々の演出要素に加え、登場人物の掘り下げがとても巧み。「人間を描くこと」に向かい合っているからこそのシナリオの奥深さであり、マルチエンディングで描かれるストーリーをそれぞれ追うだけでなく、ゲーム中に入手できる資料などを読み進めていくことで、人間や物語の多面性を味わうことができるだろう。

2018年プレイしたフリーゲームの中では『真昼の暗黒』と並んでシナリオが印象深いゲーム。以前にリリースされた体験版の段階で作りこみの綿密さが目立っていたが、完成版でも全編を通して変わらないこだわりが感じられた。ぜひ、この作品に立ち向かってほしい。
(poroLogue)

タイトル:『細胞神曲 -Cell of Empireo-』
制作者: 鱶尾工業
クリア時間: 10~30時間
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料
備考:バイオレンス、ホラー描写あり(※推奨年齢:17歳以上)

ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/17735

あとらそふと最新作の和風カードRPG『やまとの姫』DL販売開始、RPG『アスクギア』攻略本DL販売開始など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はコミックマーケット95頒布作品のダウンロード販売開始など5本です。

和風カードRPG『やまとの姫』ダウンロード販売開始

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ゲーム制作サークルあとらそふとは6日、和風カードRPG『やまとの姫』のダウンロード販売を開始した。初頒布はコミックマーケット95。

戦巫女として各地を旅している主人公の「ヒミコ」が呪符(カード)を駆使して、ヤマタイ国で起こる争乱に立ち向かうという作品。多彩な効果を持ち発動条件や効果量の計算式なども様々なカードでデッキを組み、戦闘では基本的にカードのドローや使用でターンが経過する仕組み。敵は数ターンごとに行動するほか、ゲームを進めると仲間を増やすことができ、こちらも数ターンごとに独自の行動で戦ってくれる。

カードは探索や戦闘などで入手できる霊力を消費して任意のものを作成や強化し、自由にデッキを構築していくことが可能。

やまとの姫

やまとの姫(あとらそふと)
和風カードRPG

RPG『アスクギア』攻略本「アスクギア コンプリートガイド」ダウンロード販売開始

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同人ゲームサークル稲穂スタジオは5日、RPG『アスクギア』の攻略本「アスクギア コンプリートガイド」のダウンロード販売を開始した。

コミックマーケット95で頒布された書籍の電子版。96ページにわたり『アスクギア』の攻略データや設定資料、後日談小説などを収録している。

アスクギア コンプリートガイド

アスクギア コンプリートガイド(稲穂スタジオ)
ド直球RPGアスクギアの公式攻略本!大丈夫?先生の攻略本だよッ!

なお、『アスクギア』はDLsiteにて2月4日正午まで20% OFFセール中。

アスクギア

アスクギア(稲穂スタジオ)
遺跡の中に眠る少女と出逢いから始まる物語。市販RPG並みの大ボリュームの王道&激熱のド直球RPG!

アドベンチャーゲーム『イービルウィッチ2』公開

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ハコノネコは4日、アドベンチャーゲーム『イービルウィッチ2』を無償公開した。ふりーむ!およびフリーゲーム夢現からダウンロード可能。ブラウザー版も用意されている。

「クトゥルフ×推理ゲーム」を謳う作品で、ヨグ=ソトースの娘の少女「あかね」とネコの姿のニャルラトテップ(通称ニャテップ)が怪異事件に挑むという内容。連作としてリリースされており、第2話にあたる本作では制御不能となった人造のマジックアイテムを破壊するため、あかね達が人工島にそびえるタワーへ向かうことから展開していく。

謎解きは画面のクリックや文字入力により行う。公称プレイ時間は約30分。

ビジュアルノベル『‎西暦2236年の秘書』iOS版公開

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ゲームサークルChloroは3日、ビジュアルノベル『西暦2236年の秘書』のiOS版を公開した。

23世紀を舞台とした同サークルのビジュアルノベル『西暦2236年』の関連作品。個人向けのAI秘書システム「マスコ」とその持ち主である「ヨツバ」の交流を中心に、人工知能や仮想通貨といったテーマも扱うSF作品で、「AIかわいい系ビジュアルノベル」と謳われている。PC版およびAndroid版も公開中。

音楽素材集「VOLCANO -Asgard Aube season3-」ダウンロード販売開始

趣味工房にんじんわいんは、フルオーケストラのゲーム用音楽素材集「VOLCANO -Asgard Aube Season3-」のダウンロード販売を開始した。「RPGツクール」などで使用可能なループ処理済みのOggファイルとMP3ファイルが用意されている。

VOLCANO -Asgard Aube season3-

VOLCANO -Asgard Aube season3-(趣味工房にんじんわいん)
物語に彩りを添える、豪華でハイクオリティなフルオーケストラRPG音楽素材集。 全曲が2018年に作られた新作楽曲です。

ミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』パッケージ委託販売開始など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はコミックマーケット95で頒布されたノベルゲームの委託販売開始など5本です。

ミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』パッケージ委託販売開始

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TABINOMICHI SOFTのミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』のパッケージ委託販売が開始された。

謎と危険に満ちた絶海の孤島「シロナガス島」を舞台に、探偵「池田戦」と助手の天才少女「出雲崎ねね子」が奇怪な殺人事件の謎に挑むという作品(コミックマーケット92で頒布された未完成版「DEAD END Ver.」の紹介記事)。マウスクリックで画面上のものを調べたり、時間制限付きのイベントといった趣向も凝らされているほか、緻密に描き込まれミステリーらしい趣のある背景グラフィックやアニメーションによる演出なども見どころとなっている。コミックマーケット95にて完成版が初頒布された。

女性向け恋愛ファンタジーADV『心を開く歌い方』リリース

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roseVeRteは17日、フルボイスの女性向け恋愛ファンタジーADV『心を開く歌い方』をリリースした。リリースから1週間は10% OFFで購入可能。体験版も公開されている。

人間と、ルクレシアと呼ばれる半人半猫種族が暮らす「エルーリア島」を舞台とした「エルーリア物語」シリーズの第3弾。前作『嘘つきな王様の騙し方』に登場した、ルクレシアの国の長である歌姫「ミャーナ」が主人公で、物語はミャーナが人間の国を訪れ、エルーリアの近衛兵長「ルドビク」と出逢うことから展開していく。

短編散策ゲーム『TAKANARIA』公開

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crownbirdは15日、短編散策ゲーム『TAKANARIA』をSteamにて無償公開した。

植物学者のアネンシと無人島タカナリア諸島の管理人のヤフルの二人が、小さな島を散策するという内容。明確なストーリーやゲームクリアの概念はなく、自由に島を散策し、島の風景や二人の会話の掛け合いを楽しめる作品となっている。日本語・英語・中国語(簡体字)に対応し、メッセージ表示ではこの3言語が同時に表示されるのも特徴。

RPG『バトルアックスは乙女のたしなみ』リリース

智之ソフトは17日、RPG『バトルアックスは乙女のたしなみ』をリリースした。

主人公の少年クレスが、斧に呪われたお嬢様を救うため共に冒険の旅に出るという作品。戦闘はサイドビューで、落ち物パズルゲームのように画面の右側から押し寄せてくる敵を、属性の相性などを考慮しつつスキルや隊列変更などを駆使しながら倒していくものとなっている。

バトルアックスは乙女のたしなみ

バトルアックスは乙女のたしなみ(智之ソフト)
暴力ヒロインと旅するラブコメRPG!

『スーパーフックガール』シリーズ音楽CD委託販売開始

コミックマーケット95でリリースされたQpicのフリーゲーム『スーパーフックガール』シリーズの音楽CDの委託販売がメロンブックスにて開始された。

アクションゲーム『ニュー・スーパーフックガール』と短編アドベンチャーゲーム『スーパーフックガール外伝』の全BGMおよび未使用曲、計全25曲を収録したサウンドトラック『スーパーフックガール オリジナルサウンドトラック マジカルメロディー』と、『ニュー・スーパーフックガール』のBGMアレンジコンピレーションアルバム『ニュー・スーパーフックガール アレンジアルバム 秘密の演奏会』の2作品。


怪獣とのデートに遅れるな!ロボット建造ドタバタアクション『KAIJU SUPER DATETECH』

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お正月もすっかり終わってしまったが、読者の皆様は年末年始には何をして過ごされただろうか?
もぐらゲームスはコンピュータゲームを取り上げているWebサイトであるので、その読者とあればカルタや羽子板、凧揚げや独楽といった正月の伝統的な遊びをして過ごしたという方は少数派かもしれない。かく言う筆者もゲーム漬けだったわけだが、今回は正月の伝統的な遊びのひとつ「福笑い」を彷彿とさせる作品を紹介したい。

作品名は『KAIJU SUPER DATETECH』。オーストラリア・メルボルンに籍を置く開発チーム「Powerhoof」が制作した作品で、2018年12月よりitch.ioにて配布中。価格は任意価格(Name your own price)方式となっており、無料でのダウンロードも可能となっている。

第二京都市に怪獣出現!町の平和は君の会社の巨大ロボに託された!

『KAIJU SUPER DATETECH』ではサラリーマンを操作し、道端に落ちているパーツを拾い集めて巨大ロボットを組み立て、怪獣の元へ向かわせることが目的となる。

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ロボットの建造、パーツの接続は横スクロールアクション方式により、人間の手作業で行う。操作は十字の左右で移動、下でしゃがみ、Aボタンでジャンプ、BボタンでスイッチのON/OFF,Xボタンでパーツの持ち上げ/投げ捨て/接続、L・Rボタンでパーツ回転となっている。

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ロボットの高い位置にパーツを取り付けたい場合には、先に鉄骨を拾ってきて足場を取り付け、高い位置に上れるようにする必要がある。また、パーツは先に取り付けた物が前に来るようになっている。胴体を構成する部分のパーツを後から別のパーツを入れ替えたいといった場合には、それまでに取り付けたパーツを順番に取り外していく必要があるため、工事には難儀することだろう。
落ちているパーツの種類はランダムで、望んだパーツが必ず使用できるとは限らない。あらぬパーツがあらぬ場所に接続されている状況はまさしく福笑いのそれだ。

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頑張って胴体を組み上げても、怪獣の元へ向かわせることができなければ鉄の張りぼて。そこでロボットを進ませるための動力源として重要になるパーツがホイールとジェットだ。
これら動力源パーツは取り付けただけでは効果はなく、パーツにあるスイッチをON/OFFすることで動作を切り替える。ホイールは地面に接触していなければ空回りになるし、ジェットは推進力が強力なぶん扱いが難しい。取り付け位置を工夫して、ロボットを転倒させないように前へ進ませよう。

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って、言ってるそばから倒れたあああああ!!

ロンリー怪獣、デートのお相手募集中。

対怪獣ロボットを作り上げ、いざ怪獣とのバトル!…にはならないのも本作のユニークなところ。
寂しがり屋の怪獣のために素敵なお相手を作り、穏便にお帰りいただけばよいのである。なにも暴力に訴えかける必要は全く無かったのだ。
では、怪獣の御眼鏡に叶う素敵なお相手になるにはどうすればよいだろうか?

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それにはオシャレである。道端には胴体を構成するシャシーや動力源の他にも、サングラスやバッグ、道路標識、魅惑的な唇といったパーツが落ちている。それらを取り付けてロボットを着飾らせていこう。

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ロボットの「背の高さ」も重要な要素だ。怪獣は自分よりも背が高いハンサムが好みだし、目玉や唇といった「顔」に関わるパーツなどは、足腰のあたりに取り付けても”TOO LOW”(低すぎる)の表示が出てオシャレポイントは加算されない。
先述したとおり高い所へのパーツの取り付けには足場が必要になるうえ、転んでしまえば台無しなので、作業の段取りがプレイヤーに問われることになる。一方で「腕が足になっている」ような、フリーダムな造形美を追及する遊び方もまた一興だ。

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怪獣の元にたどり着くと、ポイントの採点ののち、お見合いが成功(CONFIRMED)か失敗(FAILED)かの判定が行われる。
とはいえ、最初のうちはロボットの組み立てや移動でてんやわんやになること請け合いなので、オシャレのことを考えるのはゲームに多少慣れてきてからがオススメだ。

Let’s みんなでロボット福笑い

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本作は最大10人までのローカルマルチプレイに対応。ゲームモードとして、1体のロボットを全員で作り上げる協力(Co-op)モード、画面分割方式で2チームに分かれてスピードとオシャレを競う対決(Versus)モードの2種類のモードが用意されている。

大人数で寄ってたかってロボット建造に従事すれば、誰かがホイールの前進と後退のスイッチを押し間違えるといったアクシデントで1人プレイ以上に大変なことになるのは火を見るよりも明らか。
大人数が集まった際のパーティゲームとして遊ぶのもまた良し、な一本といえるだろう。

…なお、タイトルロゴに燦然と輝く日本語テキストについては、そっとしておく事にしておきます。

[基本情報]
タイトル: KAIJU SUPER DATETECH
制作者:  Powerhoof
クリア時間:  30分~
対応OS: Windows , macOS , Linux
価格: 任意価格 (Name your own price)

↓ダウンロードはこちらから
https://powerhoof.itch.io/kaiju-super-datetech

『チルノフリーザー』ほか東方二次創作ACT・STG計4作品がサークル10周年記念で無償公開、ノベルゲームエンジン「Light.vn」バージョン7公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は東方二次創作ゲームの無償公開など4本です。

ZWEi、サークル10周年記念として過去作品を無償公開

サークルZWEiは25日、サークル初作品の制作から10周年を記念して、過去にリリースした東方Project二次創作ゲーム4作品の無償公開を開始した。サークルのBOOTHふりーむ!よりダウンロード可能。

公開されたのは、横スクロールアクションゲーム『チルノフリーザー』、横スクロールシューティングゲーム『アインスリング』、横スクロールワイヤーアクションゲーム『ソウルアンカー』『ソウルアンカー2』。

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凍らせた敵を足場にしたり投げたりしながらステージを攻略していくアクションゲーム『チルノフリーザー』

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破壊できる壁や動く壁といった変化に富んだ地形や、ペアで登場するボスなどが特徴のシューティングゲーム『アインスリング』

ゲームエンジン「Light.vn」バージョン7公開

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ゲームエンジン「Light.vn」のバージョン7.0.0が19日に公開された。なお、21日には不具合修正などが施されたバージョン7.1.0が公開されている。

ビジュアルノベル系作品の制作に適したスクリプト型のゲームエンジン。専用エディターが用意されており、エディター上でのリアルタイムプレビュー機能が大きな特徴となっている(紹介記事)。

バージョン7.0.0では処理速度が大幅に向上したほか、スクリプト言語「Lua」の正式サポートなどが追加された大型のアップデートとなっている。アップデート内容を紹介する動画も公開されている。

短編アドベンチャーRPG『風のリュート ~恋人未満の戦士たち~』公開

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Moon☆Windは19日、短編アドベンチャーRPG『風のリュート ~恋人未満の戦士たち~』をフリーゲームとして公開した。公称プレイ時間は1~2時間。

半魔族の戦士リュートと、神官戦士のティリスという男女ペアの冒険者による冒険譚を描く作品。甘めの恋愛要素や、物語の展開に応じて発生する自作システムによる戦闘が見どころとなっている。

戦闘ではさまざまな特殊状況が発生し、敵との会話などから適切な行動を判断していく要素が特徴。剣攻撃によって最大5まで溜まるMPのやり繰りもポイントで、シンプルなターン制コマンド型ながら先読みやリソース管理に頭を使う、歯応えのあるバトルに仕上がっている。

電猫遊戯、サークルメンバー募集

同人ゲームサークル電猫遊戯は19日、サークルメンバーの募集を開始した。

これまでファンタジーRPG『星樹の機神 プラネットルーラー』や現代ラノベ風RPG『エーテルコード』をリリースしているサークル。8月のコミックマーケット96に向けて制作中の3D TPS『星樹の機神 ユニティユニオンズ』の制作に伴い、3D関連のデザイナーやアニメーターをメインに、音楽制作やUnityのエフェクト制作などさまざまな分野で募集が行われている。応募期限は27日まで。

ファンタジー作品投稿バトル企画 「pixivファンタジア Last Saga」開催など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は従来以上にゲーム的な要素が増したpixivのユーザー発企画の開催など2本です。

ファンタジー作品投稿バトル企画 「pixivファンタジア Last Saga」開催

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イラスト投稿サイトpixivにて、ファンタジー作品投稿バトル企画 「pixivファンタジア Last Saga」の開催が1日に開始された。

「pixivファンタジア」は、pixivユーザーのarohaJ氏が2008年より年に1回程度のペースで開催している投稿企画。投稿者が複数の陣営に分かれて作品の閲覧数を競い、その結果に応じてストーリーが変化していくというゲーム的な要素が特徴となっている。

今回の「pixivファンタジア Last Saga」は、pixiv公式が開催をサポート。これまでは集計対象ではなかった小説作品がpixivの協力により集計対象となったほか、投稿作品をワールドマップ上の関連する場所に配置する機能や、作品の投稿数や傾向によって変化するアバターおよび称号といったシステムにより、ゲーム的な要素がより増している。

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Krachware、「ウィンドウ&UIパーツ素材セット3」ダウンロード販売開始

Krachwareは31日、ゲーム制作向けのウィンドウ&各種デザインパーツ素材集「ウィンドウ&UIパーツ素材セット3」のダウンロード販売を開始した。

バリエーション違い込みで全157種類の素材を収録。ウィンドウ素材はすべてWOLF RPGエディターの「お手軽ウィンドウ」機能に対応するほか、RPGツクールMV用の素材も少数収録している。

ウィンドウ&UIパーツ素材セット3

ウィンドウ&UIパーツ素材セット3(Krachware)
ゲーム制作のためのウィンドウ+デザインパーツの詰め合わせ第三弾です。157種類収録。

長編フリゲRPG『デイドリームリバー』。一つの凄惨な事件を機に幕を上げる、恐怖と混沌の宴。

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石川県金沢市「香林(こうりん)中学校」。
夏休みを間近に控えたこの学校である朝、一人の男子生徒の死体が発見された。

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学校中が騒然となる中、死亡した生徒と同じ学年の籏崎健斗(はたざきけんと)、伊沢京介(いさわきょうすけ)は前日の深夜、彼から電話がかかってきていたことに気付いた。留守番電話を再生すると、そこには彼が死に至るまでの様子を生々しく伝える音声が残されていた。只ならぬ気配を感じた二人は、部活動の先輩である岡梨優也(おかなしゆうや)の協力も得て、深夜に学校へと忍び込む。そこで彼らを待っていたものとは…。

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『デイドリームリバー』は2018年11月23日にフリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」にてリリースされた、Windows用長編ロールプレイングゲーム。作者は「莞爾の草(かんじのくさ)」氏。「RPGツクールVX Ace」で制作された作品であり、プレイに当たっては同ツールの専用RTPのインストールが必須となる。(ダウンロードはこちらから)

真夜中の学校を舞台に繰り広げられる学園ホラーRPG…?

本作は男子生徒の死の真相を明らかにするため、真夜中の学校を探索していく。ホラーアドベンチャーっぽくあるが、内容はRPG。マップを歩むと敵との戦闘がランダムで発生し、勝利すれば経験値が入り、一定量に達するとキャラクターのレベルが上がって強くなる、純然たる作りになっている。

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なので、探索中に”なにか”が襲い掛かってきても、戦闘を通して退けられる。しかも、本作の登場人物達は皆、炎、氷、雷などを自在に操る超能力を”当たり前のように”所持。特定の人物に至っては、傷を治す回復の能力も持ち合わせている。

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また、戦闘に勝利すると経験値とは別に「パッシブポイント」なるものも獲得。メニュー画面にある「パッシブ」で、特定のステータスを底上げしたり、耐性を備え付ける「パッシブスキル」との交換ができ、個々のキャラクターの強化も図れる。

ここまでの説明で、心の奥底から言いたくなったと思われる。

どんな世界観だ、と。

そして、超能力が使える者達が探索するなら、あまり怖くなさそうとも思うかもしれない。

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だが、実際はその逆。登場人物達が万能な力を持つ分、太刀打ちできない”なにか”が次々と襲い掛かっては、プレイヤーを恐怖へと陥れていく。

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不意にドキッとさせる仕掛け、出血・身体欠損を始めとする残酷な表現も豊富。特に後者は鮮烈で、”なにか”によって登場人物が見るも無残な姿にされる様子が、一枚絵の演出と共に克明に描かれる。劇画調で歪みも表現されたキャラクターデザインも、それらのシーンをより不気味且つ、印象深いものにしていて、嫌でも目に焼き付いてしまうインパクトに満ちている。

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当然ながら、戦闘を通しても退けられない”なにか”も存在。
そのような者から逃げなければならない展開も発生する。

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極めつけで謎解きにも、手順を間違えれば、恐るべき事態へと至るものが。

RPGらしい仕組みの数々から、舞台設定から連想される怖さは薄そうも思うかもしれない。だが、実際は薄いどころか濃い目。例え退ける力を持っていようが、人でない存在に歯向かうのは容易ではないことを痛感させられる、独特な体験が得られる内容になっている。

そして面白いのが、ここまでのパートが全体の一部でしかないことだ。

混沌の様相を呈する濃厚なストーリー。

実は本作、狭い空間を舞台にした、ホラー系RPGではない。
あるタイミングを境に真夜中の学校の探索が終わりを迎え、以降は街中などの広範囲が舞台となる、ジュブナイル系RPGへと一変するのである。

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同時にストーリーも思わぬ方向へと進んでいく。少しネタバレすると、学校探索が終わりに差し掛かる頃、ある大きな事件が起きる。しかも、その事件には一見、無関係に見える男子生徒の死、真夜中の学校でうごめく”なにか”も絡んでいることが示される。登場人物達は一連の出来事の関係を明かすため、街中などで調査を繰り広げていき、やがては巨大な陰謀の渦へと巻き込まれていくことになるのだ。

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そのようになって以降のストーリー展開たるや、真夜中の学校探索が小さく見えてしまう程度にスケールが大きい。しかも親と子、いじめ、共依存、現世と常世、資本主義と共産主義などのテーマも入り混じって、複雑な様相を呈してくる

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▲折り返し点に来る度、歴史上の人物が遺した名言が表示されたりも。

それでいて驚くべきは、これほど複雑な内容になろうとも、ストーリー全体の勢いが落ちないどころか、加速すること。各々のテーマの掘り下げが浅くなったり、語りすぎて中だるみすることもなく、テンポ良く繰り広げられていくのである。

沢山のテーマを盛り込んだストーリーというのは得てして破綻を招きやすい。また、一部のテーマが掘り下げられる反面、残りが浅くなる弊害も生じる。本作はそのようなことがほとんど起きることがなく、最後の最後まで全てのテーマにまつわるイベントがバランスよく展開。プレイヤーをくぎ付けにし続けるのだ。圧巻としか言い様がない。

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構成も素晴らしく、二転三転する事態が矢継ぎ早に発生するので、(いい意味で)止め時が作りにくい。それどころか、全てが終わったと思われた後にも驚愕の展開が。そこから予想だにしない結末へと行き着く流れも、唖然となってしまうインパクトがある。

勢いを重視したあまり、登場人物達が当たり前のように超能力が使える設定の解説タイミングが遅く、序盤は世界観に入り込みにくい、雰囲気の緩和を意図して入れたとされるギャグが余計に感じてしまうなどの難点もある。
また、これは苦手なプレイヤーへの配慮を踏まえ、あえてネタバレするが、本作はハッピーエンドとはならない。非常に心苦しい締めとなる。先の通り、ホラー演出も容赦なく、あるタイミングで克明に描かれるいじめの表現も、苦手な人なら胸糞必至だ

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しかしながら、中だるみがほとんどないこと、綺麗ごとで終わらせず、ご都合主義にも逃げずに描き切った作りは素直に引き込まれるものがある。

RPGにはシステム以上に記憶に残る濃厚なストーリーを。それを求めるプレイヤーなら、本作が要プレイの作品であるのは、言うまでもないだろう。

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かと言って、マップやシステムの作りも甘くない。特に前者は謎解きあり、チームに分かれての探索ありなど、工夫を凝らした作りになっていて飽きさせない。あるマップに至っては、戦闘の発生がランダムから、敵との接触(シンボル式)へと変わるという、システム的に凝った仕掛けまで用意されているぐらいだ。

ボリュームもメインストーリーだけでも15時間以上と盛り沢山。寄り道のサブクエストも用意されていて、それらの攻略も含めれば30時間は超過する。

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どうしてもストーリーの濃さに目が行ってしまうが、ちゃんとストーリー以外を求めるプレイヤーの欲求にも応えてくれる。ただ、どちらが最も魅力的かと言われれば、圧倒的にストーリー。それほどまでに濃い。強烈な印象を残すものになっているのだ。いい加減、しつこく感じてしまうかもしれないが、実際にプレイすれば、何度も繰り返す理由がきっと分かるだろう。

まさに混沌の宴。白昼夢のごときストーリーの結末を見届けるべし。

難易度はレベルを上げての力押しが効く部分のあることから低め。ストーリー展開の都合でチーム分け、単独行動を強いられる場面も頻繁にあり、回復アイテムをどれだけ持っているかで難しさが大きく上下する部分もある。さすがに行き詰まるほどの難しさはないものの、縛りを強調した調整は好みが分かれるかもしれない。

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戦闘システムも王道のコマンド選択型ながら、ターンごとに参加メンバー、装備の変更を自由に実施できるなど、戦略の立て直しがしやすい作りになっているのがユニーク。リング状のコマンドインターフェース、強力な技を仕掛けた際のカットインなど、デザイン面でも独自の工夫が満載。キャラクターも特定のステータスが際立って高いなど、分かりやすい個性付けが図られていて、状況に応じて最適なメンバーを考えて実行に移す楽しさがある。

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全体的にホラー、残酷な表現が豊富にあるため、人を選ぶ作風ではある。そのことから12歳以上対象の推奨年齢が設定されているが、筆者の主観では17歳以上対象が相応しいのでは、と思う。やや演出過剰なところもあり、中でもフレームレートが落ちるマップ移動中の拡大表現は余計に感じてしまう。

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そんな粗さも目立つ出来ではあるが、終始、勢いを保ち続ける濃厚なストーリー、起伏に富んだマップで楽しませてくれる本作。まさに怪作というに相応しい一本だ。この「混沌の宴」と言うに他ないストーリーに身を委ねてみよう。
きっとそれは、あらゆる意味で忘れられない体験として残る……はず。

[基本情報]
タイトル:『デイドリームリバー』
制作者: 莞爾の草(かんじのくさ)
クリア時間: 15~20時間(※サブクエスト攻略込み:35~40時間)
難易度:初級~上級者向け
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料
備考:ホラー、出血・暴力表現あり(推奨年齢:12歳以上)※筆者の主観では17歳以上推奨

ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/18952

オセロから着想を得た、ユニークなシステムが魅力のカジュアル・アクションパズル『HASANDE PON! -はさんでポン!-』

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白と黒の石を交互に盤の上へ挟むように打ち合っていき、最終的にひっくり返した色の多い側が勝利となる「オセロ」。その起源は19世紀のイギリスで考案・誕生した「リバーシ」であるとか、考案者を名乗る人物が中学生時代に囲碁を基に生み出した遊びであるなど、所説あってハッキリしないが、将棋、囲碁に並ぶ歴史あるボードゲームなのは間違いない。

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今回紹介する『HASANDE PON! -はさんでポン!-』は、そんなオセロを基にしたアクションパズルゲームだ。2018年10月5日にWindows用フリーゲームとして、同ゲーム配信サイトの「ふりーむ!」、「フリーゲーム夢現」にてリリース。

作者はmdk氏(mdkGAMES)。
キャラクターイラストは漫画家兼イラストレーターの七条メルル氏が担当している。

パネルをひっくり返し、敵のロボットを倒せ!

ルールは単純明快。自機となるロボットを操作し、8×8のフィールド中央に置かれた赤と青のパネルをオセロの要領で挟んでひっくり返しながら、敵のロボットを倒していく。

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制限時間内に全ての敵ロボットを倒せればステージクリア。
時間切れ、敵ロボットに接触、パネルを置けるマスが無くなるとゲームオーバーとなる。

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プレイヤーができることは移動とパネル設置の二つ。パネルは自機の色に準じたものが置かれ、それと同時に違う色へと変化する。青なら赤、赤なら青という具合だ。また、パネルの置けるマス目は、自機の色で1つ以上挟めるパネルがある場所に限定され、それ以外の所に好き勝手置くことはできない。読んで字のごとくのオセロだ。もちろん、間にあるパネルも挟んだ際の色に変わる(ひっくり返る)仕組みとなっている。

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そのひっくり返るパネルの上に敵ロボットが重なっていれば、巻き込む形で倒すことができる。以上の手順を踏んで、フィールドを動き回る敵ロボットを倒していくのが基本となる。

ひっくり返すタイミングに合わせることから、難しそうに感じるかもしれないが、敵ロボットの行動ルートは完全に固定されている。なので、あらかじめどのようなルートを辿るかを把握して、パネルの設置を心がけていけば、難なく倒せるようになっている。

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しかし、ステージが進むと時限式の地雷を設置する、高速で移動する特殊なタイプが登場。一度に登場する数も増え、行動ルートが特定のタイミングで重なり合うことも生じるようになって、見極めるのが難しくなる。そして、あるステージでは行動範囲を狭めるブロックも登場し、パネルを引っくり返すのにも一工夫必要となることも。

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このように、やることはとても簡単。だが、オセロ特有の適切な場所にパネルを置き、範囲を広げていくテクニック、敵ロボットがどう動くかを見極めるアクションゲーム的なテクニックの二つが求められてくるのもあって、なかなかどうしてやり応えのあるゲームに仕上げられている。アイディア勝負の姿勢を貫き通した作りだ。

”一人で遊べるオセロ”を実現したゲームシステム

例によって、本作の魅力はゲームシステムにある。

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特に”一人で遊べるオセロ”を実現しているのが面白い。オセロというのは基本的に二人前提の遊びだ。一人で遊ぶことは想定されていない。一説によれば、一人で遊ぶことによって精神面が鍛えられ、思いやりの心も学べるらしいが(ほんまかいな)、明らかにハードコアな遊び方であるのは間違いない。

そんなオセロを一人でも手軽に遊べるようにするには、どんな案があるか。本作はまさにその答えを示している。アクションゲームの敵と戦う要素、その動きを見切って決定打を放つ楽しさ、そして一つの結果を導くための流れを組み立てては探るパズルゲーム由来の試行錯誤。これらをオセロの枠組みに入れ、違和感のない一人プレイを実現させている

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パネルをひっくり返して自分のものにしていくことを、敵を倒しやすくするための環境を作るという、対戦主体のオセロと異なる意味合いを持たせているのも面白い。範囲を広げれば広げ、複数のパネルをひっくり返せる状況を作れれば、より多くの敵をまとめて倒せ、高得点も得られるメリットが得られるのも、オセロ特有の逆転を狙う面白さと爽快感に満ちている。

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リスクを重ねれば重ねるほど、大きなリターンが得られるよう作られているのもこのシステムの秀逸な部分だ。実際に多くのパネルをひっくり返すのに合わせて敵も倒せれば、相応の高得点を獲得できる。しかし先の通り、パネルが置けなくなればゲームオーバー。敵と接触した場合もまた然りなので、狙うとなると非常に難しい。

それもあって、上手く決められた時の快感はひとしお。こう言ったパズルゲームなどではお馴染みの溜めに溜めた後、解き放つ楽しさと高得点を目指すやり込みの楽しさもしっかりしていて、極め甲斐もある。

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実際にスコアアタックを楽しんでもらいたい意図でか、他のプレイヤーに最高スコアを見せつけるTwitterと連携したシェア機能も実装。限界を突き詰めるとなれば、何度でも遊べる。

ステージも全部で10、一つクリアするのにかかる時間も最長で3分程度と、短時間で何度も遊べることを狙ってか、控え目にされているので、やり込みのハードルも低い。

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裏を返せば、クリア目的で遊ぶとアッサリした内容だが、面白さは盤石で、アイディアで勝負した本作の制作姿勢を実感させられる。オセロという二人前提の遊びをいかなる形で一人用にしたのか。そこからどんな遊びが生まれたのか。この一つの問いの答えが気になるのなら、今すぐにでも本作をダウンロードし、遊んでみていただきたい。

短めながら、可能性を感じさせる作品

全体的に興味深い作りをした本作だが、勿体なさを感じてしまう部分もある。特に終盤のステージ10は、それまでの9つのステージと趣の異なる内容にながら、一発ネタで終わってしまっているのが大変に惜しい。あと2つか、3つぐらいはあっても良かった。

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スコアアタックも、ゲームオーバー後にそれまで獲得したスコアがリセットされないのは甘い。リセットする仕様にすれば、クリアするのを目的に遊んだ時とは異なる緊張感のある展開が描けていただけでなく、プレイスタイルの差別化にも繋がっていただけに、可能であれば検討して欲しかったところである。

グラフィックのパターンも少なく、音楽も数曲程度なので演出面も控え目。ただ、スッキリしているのもあって、お洒落な雰囲気が醸し出されている。ストーリーが無いため、位置付け的に謎の存在だったりするが、右下に描かれたロボットの少女もパネルをひっくり返したり、ミスする度に可愛らしいリアクションを見せてくれるので必見だ。

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コンパクトなゲームだが、侮りがたい魅力が詰まった本作。少し変わった、それでいて短時間で遊べるアクションパズルをお求めであれば、ぜひプレイしてみていただきたい一本だ。まさに”一人で遊べるオセロ”と言わんばかりの意外な手ごわさをぜひ。

筆者個人としては、発展の可能性を節々で感じられたので、いずれステージ総数、仕掛け、演出面の強化を施した続編やリメイクの登場に期待したいところだ。もちろん、その暁にはロボットの少女も続投で何卒、お願いいたします。

[基本情報]
タイトル:『HASANDE PON! -はさんでポン!-』
制作者: mdk(mdkGAMES)
クリア時間: 25~40分
難易度:初級~上級者向け
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料

ダウンロードはこちらから
※ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/18637

※フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/puzzle/game_7468.html

WebGLベースの新ノベルゲームエンジン「SKYNovel」一般公開開始、『被虐のノエル』ドラマCD発売決定など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は新ノベルゲームエンジン一般公開開始など4本です。

ノベルゲームエンジン「SKYNovel」一般公開開始

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Adobe AIRベースのノベルゲームエンジン「AIRNovel」の作者として知られるふぁみべぇ氏は2日、新ノベルゲームエンジン「SKYNovel」の一般公開を開始した。ライセンスはMITライセンスによるオープンソース。

WebGLを基幹技術として採用しており、デスクトップ、スマートフォン、ブラウザーなどHTML5+JavaScriptが動作するさまざまな環境に対応するマルチプラットフォームのエンジン。対応する環境であればGPUで描画するため高速動作が可能。スクリプトはKAG3系を採用している。

Visual Studio Code(VSCode)上でのスクリプト編集が推奨されており、VSCodeのターミナル上からテスト実行やパッケージ化が可能。VSCode用の拡張機能も提供されており、導入することでシンタックスハイライトやコマンドパレットからのAPIリファレンスの参照などが可能となる。

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伝奇アドベンチャーゲーム『被虐のノエル』ドラマCD「SEASON 0 ~叛逆~」発売決定

連載型の伝奇アドベンチャーゲーム『被虐のノエル』のドラマCD『ドラマCD「被虐のノエル」SEASON 0 〜叛逆〜』が、東宝より発売されることが発表された。発売日は4月24日。

『被虐のノエル』はカナヲ氏が株式会社バカーのゲーム配信サイト「ゲームマガジン」でフリーゲームとして連載している作品。契約によって願いを叶える悪魔が実在する世界の港町「ラプラス市」を主な舞台に、両手両足を奪われた少女ノエルと大悪魔カロンのコンビによる復讐の物語が描かれる(紹介記事)。ドラマCDの内容はカナヲ氏監修による新作シナリオとのこと。

なお、4月27~28日に開催される「ニコニコ超会議2019」にて、会場でのドラマCD購入者限定でカナヲ氏のサイン会が開催予定。参加方法などは後日発表予定となっている。

ゲーム投稿イベント「ウディフェス」新公式サイトオープン

ゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」製ゲームの投稿イベント「ウディフェス」の新公式サイトがオープンした。以前の公式サイトよりURLが変更となり、デザイン等も一新されている。

「ウディフェス」は有志による企画で、公式イベントである「WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)」と異なり順位を競うコンテスト形式を取っていないことが特徴。次回の作品募集は2月14日より行われる予定。

フリー画像素材「Fantasyモブ立ち絵素材Vol.1」公開

智之ソフトは8日、フリーの画像素材「Fantasyモブ立ち絵素材Vol.1」を公開した。

村人などのキャラクターの立ち絵素材。「モブなので、なるべく主張を抑えたデザインを心掛けたつもりです」とのこと。画像は透過PNG形式で、表情差分も収録されている。

イラスト投稿サイトを“ゲームエンジンとして使う”とは?「pixivファンタジア」主催のarohaJ氏に聞く

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イラスト投稿サイトpixivでは、お題に沿ったイラストを投稿するテーマ企画など、ユーザー発の企画が盛んに行われている。そのうちの定番の一つであり、10年以上続けられているのがファンタジーイラストの投稿企画「pixivファンタジア」だ。2008年の1月に第1回が開催され、以後は年に1~2回ペースでシリーズとして開催されている。

pixivファンタジアではシリーズの各作品ごとに世界地図や国家の概要といった舞台設定とストーリーが示され、これに沿ったイラストを投稿する。そして大きな特徴として、国ごとに覇権を争うなどイラストの閲覧数をベースとしたゲーム要素が存在する。pixivファンタジアの“ゲームデザイン”はシリーズを重ねながら進化を続け、11年目を迎え2月1日に始まった最新企画「pixivファンタジア Last Saga」ではpixiv公式が開催協力を行い、今まで以上に本格的なゲーム要素が実装された。

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「pixivファンタジア Last Saga」メインビジュアル

今回もぐらゲームスでは、pixivファンタジアの主催者で、インディーゲーム開発者でもあるarohaJ氏に話を伺った。これまでの振り返りや「Last Saga」の見どころ、また氏の本企画に対する想いなどを紹介していきたい。(ちなみにarohaJ氏が制作したフリーホラーゲーム『FS』のもぐらゲームスでの紹介記事はこちら。)

10年以上にわたり続けられてきたイラスト投稿企画

pixivのサービス開始は2007年9月。pixivファンタジアの初回開催が翌年1月と、本作はまさにpixiv黎明期からの企画となっている。arohaJ氏によると、pixivの中で新しいことをやろうという動きがある中で特定のテーマのイラストを描く企画がいくつか上がっており、それを見て『面白そうだな』と思ったのが最初のきっかけとのこと。そして何より同氏がpixivに惹かれたのは閲覧数やブックマーク数など、イラストレーターが個々のサイトでのみ活動していた時代にはなかった共通の指標が存在する点で、これを『ゲームエンジンとして使えないか』ということからpixivファンタジアという企画を生み出したのだという。

企画の題材としてファンタジーを選んだのは、もともと「指輪物語」のようなハイファンタジーや「ロマンシング サ・ガ」などスーパーファミコン時代のRPGが好きだからとのこと。『指輪物語は映画の「王の帰還」も好きで、あの長い映画を映画館で3回くらい観ましたね』と笑いながら語ってくれた。その延長として歴史も好きで、実際の歴史上の出来事がpixivファンタジアのストーリー制作においてヒントになることもあるという。

こうしたバックグラウンドのもと開始されたpixivファンタジアだが、シリーズを重ねるごとに試行錯誤が行われ、“ゲームデザイン”が固まっていった。

現在のおおまかなルールとしては、2カ月程度の開催期間をいくつかの章に分け、章ごとに複数の「戦場」を設定。参加者は任意の勢力での参戦を示すタグを付けて作品を投稿し、タグごとの閲覧数で各戦場の勝敗が決まる。その結果によってストーリーが展開し、新たな戦場にイラストが投稿され……という流れで、最後の結果をもってストーリーが完結するという形だ。勝敗に応じ国の占領などが発生して勢力分布が移り変わっていくほか、ストーリー展開のために用意されたNPCが戦死することもある。

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pixivファンタジアの基本的なゲームデザイン(画像は「Last Saga」のもの)

言わば「プレイヤー」である投稿者達の手により展開が変化するマルチシナリオとも言えるものだが、ストーリー執筆も自ら行うarohaJ氏によると、プロットはある程度先まで、複数の展開分用意されており、章の決着がついたところで結果に応じたものが実際に執筆されることになるという。実現しなかったプロットが表に出ることはなく、まさに参加者達によって歴史が選択されていくというのがゲーム的に面白いポイントだ。

企画への参加の仕方は参加者によってさまざまで、自分のキャラクターで漫画を描いたり、イラストのキャプションでストーリー展開をさせる人も。公式のストーリーはありつつも自分のストーリーを作れる、かつ他の投稿者のキャラクターを自由に借りて二次創作してもよいことになっているのも本企画の売りだという。参加者間でギルドを組み、例えば騎士団の制服など共通のモチーフでイラストを投稿するといった「企画内企画」も自然と生まれて来たとのこと。そういった盛り上がり方を見て『こういう展開が望まれるな』と思ったら途中でストーリーを書き加えたりすることもあるなど、ところどころ調整を入れることもあるという。

参加者とのインタラクションによりストーリーを紡ぎ、ときには反応を見て手を加えていく……といった作りは、テーブルトークRPG(TRPG)に通じるものもある。arohaJ氏自身TRPGをプレイしたことがあるのかと聞かれることも結構あるそうだが、実はpixivファンタジアを始めるまで、TRPGの存在は知っていたものの未経験だったとのこと。

その後実際にプレイしてみて、確かに通じるものはあるが『TRPGがどういうものか『知らなかったからこそ、この企画をできた』とも感じているそうだ。TRPGに詳しかったら最初からルールを複雑にしてゲーム的な要素の方が強く出るようにしていただろうが、その場合は今のように広く受け入れられていたかはわからない。ファンタジーを盛り上げるための企画にゲーム要素を『ひと加え』したのが盛り上がりの秘訣だったのかもしれない。

ゲームとして運用していく上で要となるタグごとの閲覧数の集計だが、3回目の開催まではなんと作品ごとの閲覧数をひとつひとつ見て、手動で集計していたとのこと。友人に手伝ってもらい、5人くらいで集計していたという。その後、pixivの新機能としてタグごとの閲覧数推移グラフが「ピクシブ百科事典」に表示されるようになったため、これを利用することで集計が格段に楽になった。

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「ピクシブ百科事典」に表示されるグラフでタグごとのイラスト閲覧数の日別集計が可能(画像は前回の「pixivファンタジア Revenge of the Darkness」の項目のもの)

なお、これまで開催された中では、2014年に開催された「pixivファンタジア Fallen Kings」が一番投稿数が多かったという。pixivファンタジアは複数の勢力が協力して大きな敵と戦うレイドバトル的なルールの回もあるが、やはり勢力同士で争って勝者を決める回の盛り上がりが大きく、とくに「Fallen Kings」はダークファンタジーがテーマで、1章ごとに負けた勢力のNPCが必ず一人死ぬというハードなゲームシステムも反響を呼んだそうだ。

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ダークな世界観が人気を博した「pixivファンタジア Fallen Kings」

pixiv公式の協力によりゲーム要素がより色濃くなった「Last Saga」

そんなpixivファンタジアの最新作、それが「pixivファンタジア Last Saga」だ。今回の大きな特色としてpixiv公式が開催に協力しているが、これは昨年、10周年を迎えたpixiv側がarohaJ氏へと「お互い10周年ということでお祝いさせてもらいたい」と声をかけ、話を詰めていった結果実現したとのこと。

これまではある意味、arohaJ氏がpixivのシステムを「ハック」して(もちろん不正な利用というわけでは一切なく、想定外の使い方という意味合いだが)ゲームエンジンへと仕立て上げていたわけだが、pixiv公式が協力することで、技術的にできることの幅が広がった。たとえば小説は閲覧数が前述の閲覧数グラフに掲載されないため集計ができず「投稿は自由だが集計の対象外」という位置付けだったが、今回はpixiv公式が集計を行うことで小説も集計対象となっている。

さらに、pixiv側で開発を行うことで「ゲーム」としての見せ方がより本格的になっている。なかでも注目はワールドマップ。pixivファンタジアでは毎回arohaJ氏が作成する地図も世界観を感じさせる見どころなのだが、今回はこの地図が動的に拡大・縮小可能となり、さらに地図上の任意の地点に投稿したイラストなどを登録可能となっている。その地に縁のあるキャラクターの設定やそこで起きた出来事などを自由に登録でき、『世界を参加者全員で作っていく』感覚が視覚化されるのが面白い。

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任意の場所へ作品を登録できるワールドマップ

これまで中間発表や最終結果発表でしか見えなかった各戦場での戦況が、「Last Saga」では毎日更新されるようになったのも大きな特徴。勢力同士の形勢がバナーでグラフ表示され、さらにバナーをクリックすると表示される各戦場の詳細ページでは、ストーリーも毎日更新される。

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戦況とストーリーが毎日更新に。arohaJ氏渾身のシナリオを存分に堪能できる

また、投稿の傾向に応じて姿や称号が変わっていくアバター要素もあり、称号の取得条件は公表されていないのでその探求も『pixivを使った新しいゲーム』という趣がある。いわゆる実績要素のような「国家ミッション」もあり、こうした機能にまとめてアクセスできるユーザーページは、まさにブラウザゲームのホーム画面のようなUIだ。新たにチュートリアルも用意され、今回初めてpixivファンタジアに参加するという人も遊び方を理解しやすくなっている。

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ブラウザゲームさながらのユーザーページ

「本来のソーシャルゲーム」の再誕か?今後の展開にも期待

最近ではソーシャル要素の過多にかかわらず運営型アプリゲームの代名詞のようになっている「ソーシャルゲーム」という言葉だが、元来はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)をプラットフォームとしたゲームのこと。その意味では「イラストコミュニケーションサービス」を謳うpixivをプラットフォームとしたpixivファンタジア、とくにゲームとしての見せ方を追究したLast Sagaは、アプリゲームに趨勢が移る中で下火になってきた「本来のソーシャルゲーム」を、参加者のクリエイティビティと結びつけることで再誕させたものと言えるかもしれない。

物語性の高いソーシャルゲームを、今回はpixiv公式のバックアップも大きいとはいえ個人発の企画として実現できるというのは非常に興味深い。公開情報を使うぶんには門戸は誰にでも開かれており、その活用にはまだまだ未知の可能性もありそうだ。arohaJ氏も『pixivファンタジアはファンタジーですが、別のジャンルでもこういう企画が生まれてくれたら』と期待を語る。

今回の副題である「Last Saga」について、arohaJ氏は「今回の舞台であるラスト大陸でのサガ」と「最後のサガ」のダブルミーニングであると語る。今回で終わってしまうのかとも思ってしまうような名前だが、arohaJ氏はその点は明言を避けつつ、『今回で終わっても悔いはないくらい盛り上がる企画にしたい』と意気込みを語ってくれた。また、pixivファンタジアは以前の企画を知らない人でも参加できるよう毎回世界観は一新されるが、その上で今回の「Last Saga」に登場する3つの勢力は、これまで登場してきた勢力を凝縮して3つに分けたような、セルフオマージュ的な要素もあるとのこと。そういった意味でも集大成と言える企画となっている。

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今回の戦いの舞台となる「ラスト大陸」

とはいえ実際のところ、今回だけのためのものとしては大掛かりなシステムとなっているようにも感じられる。それについて取材に同席いただいたpixiv側のプロジェクトマネージャーである岡村亮氏に伺ったところ、最初は汎用的に使い回せるシステムにしようという路線もあったが、『pixiv公式が絡むからには最大限に盛り上げないと意味がないだろう』ということで、完全に「Last Saga」向けたチューニングを行っているという。結果として生まれたものを他で活用できるかもしれないが、『今は全力でLast Sagaに取り組んでいる』とのこと。

執筆時現在すでに投稿数が2,000件を超えて盛り上がっている「pixivファンタジア Last Saga」。戦いの決着はもちろん、pixivのようなサイトをゲームエンジンとして使う試みのモデルケースとしても注目度が高い。arohaJ氏が『割と命を賭けているくらい、特別な回にしたいという意気込みで作っているので、ぜひ参加してほしい』と語る本企画。世界観やゲームシステムに興味があればぜひチェックしてみてほしい。

■pixivファンタジア Last Saga

企画ポータルサイト:https://www.pixiv.net/special/pfls/lp/

arohaJ氏による開催告知:https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=72934234

「pixivファンタジア」公式Twitterアカウント:https://twitter.com/pixivfantasia


アクションゲーム『Devil’s Slave』デモ版公開、ビジュアルノベル『死線間の友人』公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はアクションゲームのデモ版公開など5本です。

アクションゲーム『Devil’s Slave』デモ版公開

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Project Liberatorは9日、アクションゲーム『Devil’s Slave』のデモ版を公開した。

「ダークファンタジー」と「スピードアクション」の融合がコンセプトの作品。2つの攻撃ボタンとダッシュ・ジャンプの組み合わせによる多彩なコンボや、敵の攻撃をギリギリで回避することにより発生するカウンター攻撃などが特徴となっている。本デモ版ではチュートリアル的なステージとボス1体を収録している。

ビジュアルノベル『死線間の友人』公開

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同人サークル疑似集団Xは12日、ビジュアルノベル『死線間の友人』をフリーゲームとして公開した。

思春期に入ると無作為に陥れられる「死線」という現象を軸に、かつて「死線」を越えた少年と「死線」に興味を持つ少女、二人の視点で描かれる作品。独特の世界観や、選択肢以外にも条件があるルート分岐などが特徴となっている。異能が登場するファンタジーと、少年少女達が抱える欠落や焦燥感などを描く青春ものが混然となったようなシナリオも見どころ。公称プレイ時間はおよそ3~5時間ほど。

動的伝奇ビジュアルノベル『キョンシー×タオシー』新体験版公開

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サークル電動伝奇堂は14日、動的伝奇ビジュアルノベル『キョンシー×タオシー』の新体験版を公開した。

導士の少女リンリンと彼女に偶然救われ弟子となった元殺し屋のルアンが、不死の秘薬を巡って妖怪や犯罪組織などと闘いを繰り広げていく冒険活劇。アニメのような動的演出とフルボイスが大きな特徴となっている。今回の体験版は一章から三章までを収録しており、公称プレイ時間は5~6時間ほど。

「ざくアク夏休み絵日記」体験版公開

はむすた氏は、RPG『ざくざくアクターズ』の関連コンテンツ「ざくアク夏休み絵日記」の体験版を公開した。

夏休みまたは夏をテーマにしたイラストを募集し、集まったイラストをもとに同氏が8月1日から31日までの夏休み日記を書くという企画により制作された作品。近日発売予定で、体験版では5日から7日までの日記を収録している。

ゲーム投稿イベント「ウディフェス」開幕

ゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」製ゲームの投稿イベント「ウディフェス」の投稿受付が14日に開始された。受付期間は3月3日12時くらいまでで、投稿された作品は順次公開されている。

「ウディフェス」は有志による企画で、公式イベントである「WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)」と異なり順位を競うコンテスト形式を取っていないことが特徴。投稿されたゲームに対する応援イラストを投稿することも可能で、こちらの受付期間は3月17日12時くらいまで。

アクションゲーム『Little Witch Nobeta』デモ版公開、「ざくアク夏休み絵日記」発売など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間のフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題はアクションゲームの体験版公開など4本です。

アクションゲーム『Little Witch Nobeta』デモ版公開

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Pupuya氏は19日、アクションゲーム『Little Witch Nobeta』のデモ版を公開した。

可愛らしい魔女「ノベタ」を操作し、遺跡を探索していく作品。攻撃方法は杖による攻撃と魔法による射撃で、エイムにより敵の弱点を射撃したり、詠唱で魔法を強化したり、回避アクションで敵の攻撃を回避したりといった要素がポイントとなっている。

「ざくアク夏休み絵日記」発売

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はむすた氏は16日、RPG『ざくざくアクターズ(ざくアク)』の関連コンテンツ「ざくアク夏休み絵日記」を発売した。体験版も公開されている。

夏休みまたは夏をテーマにしたイラストを募集し、集まったイラストをもとに同氏が8月1日から31日までの夏休み日記を書くという企画により制作された作品。日記の記述者となるキャラクターはさまざまで、ほとんどの日付では複数の日記が収録されており、絵日記の総数は全74話分に及ぶ。

さらに、応募されたイラスト238作品のすべてを同氏のコメント付きで閲覧できる「ざくアク美術館」も収録されている。

シューティングゲーム『Devil Engine』リリース

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Protoculture Games開発のシューティングゲーム『Devil Engine(デビルエンジン)』が21日にリリースされた。プラットフォームはPC(Steam)およびNintendo Switchで、パブリッシャーはDANGEN Entertainment。

32bit時代の名作STGからインスピレーションを受けたという作品で、3種類に切り替えられるショットとボム、弾消しができる「バースト」を駆使して戦っていく。ドット絵で細かく描かれたグラフィックも特徴。また、音楽をセガサターン・PlayStation用STG『サンダーフォースV』の楽曲などで知られる九十九百太郎氏が担当する。

長編ファンタジーRPG『ミツリの切り札』体験版公開

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kainushi氏は、長編ファンタジーRPG『ミツリの切り札』の体験版を公開した。ダウンロード版およびブラウザー版が用意されている。体験版の公称プレイ時間は1~2時間程度。

どことも知れぬ施設で目を覚ました記憶喪失の少女が、記憶の手がかりを探しながら冒険を進めていく作品。能力上昇やアクティブ・パッシブスキルの習得などが可能な「カード」を複数装備してキャラクターをカスタマイズするシステムが特長で、キャラクターが扱える武器等のタイプを増やしたりできる「クラスカード」や奥義を習得できる「切り札」をそれぞれ1枚ずつ装備することもでき、キャラクターカスタマイズの自由度と戦略性の高さがポイントとなっている。

なお、本作は同作者の前作『神の切り札』の続編だが、「前作を遊んでいなくても楽しめます」とのこと。

ニンテンドースイッチで探して掘り出す、”カワイイ”良作インディーゲーム六選

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今日も、Nintendo Switchでは数多くのインディーゲームが発売されている。昨今は日本の個人制作者によるインディーゲーム、同人ゲームの数も増えてきているほか、内容、価格面で大作レベルに当たる作品も出てきている。

一週間の内に発売されるゲームの数も二桁が当たり前となり、逆に一桁の時は何があったのかと心配されてしまうほどである。そして、数が増えることによって、埋もれてしまう作品も相対的に出やすくなってきている。

そんなタイトルを掘り出し、陽の光を当てるために我らがもぐらゲームスは存在する。

ということで、再び「探しだす・掘り出す」の理念に基づき、六本の注目すべき良作インディーゲームを紹介したい。

なお、今回は”可愛さ”を特徴とするゲーム中心にピックアップした。

Yono(ヨノ)

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まず最初に紹介するのは、可愛いゾウさんが主人公のアクションアドベンチャーゲーム『Yono(ヨノ)』。制作はスウェーデンに拠点を置くインディースタジオ「Neckbolt」で、海外では2017年10月13日にNintendo Switchのほか、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」にてWindows版も発売された。日本国内では2018年5月3日に発売。販売及びローカライズは「CIRCLE Ent.」が担当している。

1000年に一度、星より産み落とされる世界の守り手「エレファント」の子供である「ヨノ」となり、三つの種族から成り立つ「ナイチンゲール王国」を舞台に、各地を冒険しながら様々ないざこざの解決に取り組んでいくというのが主な内容。
ゲームは見下ろしの斜め視点で構成されたフィールドを舞台に、行く手を阻む仕掛けを動かしたり、謎を解いたり、時には敵と戦ったりしながら進む。アクションアドベンチャーとしては王道だが、街を除く全てのフィールドにパズル、謎解きと言った仕掛けが張り巡らされていて、常に頭を使いながら道を切り開く展開が繰り返される。
極端に言えば、街以外全てがダンジョンと言った具合だ。

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主人公「ヨノ」もエレファントこと象ということで、長い鼻を用いた特技を披露。鼻息で仕掛けを動かしたり、水を吸って放出したりなど、ユニークなアクションを楽しめる。武器、防具を装備することはできないが、その分、パワフルな体当たりで敵に強烈な一撃を与えたり、時には行く手を阻む箱、岩などを粉砕。見た目に忠実な力任せなプレイも楽しめる。そして、何より「ヨノ」自身がとても愛らしい。歩くだけでも心がホッコリしてしまう。

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反面、ストーリーはシリアスで、種族ごとの価値観の違いによる対立、民主主義と権力問題、哲学的思想などの深刻な題材を元にした展開が描かれる。やり込み要素として、国の歴史を解き明かす資料集めもあり、そこでも政治、戦争と言った重い背景が描かれる。冒険を通じて出会う三つの種族もそれぞれ異なる価値観と、他種族に対する認識を持っており、この複雑な世界を通し、ヨノはどのような知見を得ていくのかも見所の一つとなっている。

可愛い見た目とは裏腹に、日常や世界情勢に関して考えるきっかけも与えてくれる一作。ボリュームはコンパクトだが、豊富なパズルを盛り込んだ構成も相まって、密度の濃い展開が楽しめる。ヨノの可愛さ目当てで遊んでも十分に元が取れるので、アクションアドベンチャー好きには要チェックの一作だ。なお、Steamで配信されているWindows版は日本語非対応のため、ご注意を。ついでに価格もNintendo Switch版の方が安くてお得だ。

[基本情報]
タイトル:『Yono(ヨノ)』
制作者:Neckbolt(※販売&日本語ローカライズ:CIRCLE Ent.)
クリア時間:4~6時間(※サイドクエスト攻略を除く)
価格: ¥1000

購入はこちら
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000009918

Yoku’s Island Express ヨクのアイランドエクスプレス

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続く二本目はこれまた可愛らしいフンコロガシの郵便屋さん「ヨク」が頑張る『Yoku’s Island Expressヨクのアイランドエクスプレス』。先述の『Yono(ヨノ)』と同じく、スウェーデンに拠点を置くインディーディベロッパー「Villa Gorilla」が制作、イギリスの「Team17」がパブリッシャーを務める探索型アクションゲームだ。日本語版のローカライズは架け橋ゲームズが担当。Nintendo Switch以外にも、Steamで販売されているWindows版がある。こちらも日本語に対応。また、2018年10月11日にはPlayStation 4版の配信も始まっている。

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「モクマナ島」と呼ばれる、広大で大自然いっぱいの地を舞台に、何者かによって深手を負った島の守り神「モクマ」を救うべく、そのカギを握る三人の島のリーダー達を招集するため、各地を駆け巡るというのが主な内容。

最大の特色はピンボール要素。本作の主人公「ヨク」は手紙がまとまった白い球を転がしながら歩く設定で、ジャンプすることができない。それを補うのがフィールドのあちこちに設置された「フリッパー」。ZL、ZRボタンを押すとこれが動作し、その上にヨクがいれば、反動によって彼自身が飛び上がり、普段届かない高い足場へと移動できるのだ。フリッパーには左と右とで色分けされた種類も存在し、この場合は方向に該当するボタン(※左ならZL、右ならZR)を押せば、ヨクを飛ばせる。加速による勢いがついた状態でフリッパーを動かせば、飛距離もアップ。この特色を活かして閉ざされたゲートを開けるアイテムを回収したり、遠くにある幅も狭い通路にヨクが届くように角度を考慮しながら打つことも求められてくる。

まさに純然たるピンボール。それを探索型アクションとして昇華させてしまったという、革新的なゲームデザインが炸裂している。もちろん、探索型アクションお馴染みのアップグレードも完備。関連するアイテムを入手することで探索範囲も広がる、ジャンルの醍醐味もちゃんと押さえられていて、ピンボールでありながらちゃんと探索型アクションゲームを遊んでいる手応えも得られる。本編もストーリーに沿って発生するクエストを攻略していく構成で、マップに目的地が表示されるなど、迷って右往左往しないための配慮が万全。それでいて、マップの仕掛けもバリエーション豊富で起伏に富んでいるほか、ある程度、ゲームが進むとボス戦まで繰り広げられるという、驚きの展開も用意されている。

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Nintendo Switchで配信されている探索型アクションゲームでは、当もぐらゲームスでもレビューを掲載し、前回のこの特集でも取り上げた『Dandara』も革新的なゲームデザインが光る作品だが、本作もそれに負けず劣らずの奇想天外な発想が炸裂した作品に完成されている。難易度もゲームオーバーの概念がない(ただ、ピンボールのパートで打ち漏らしをした回数は記録される)のもあって優しめ、それでいてボリュームは盛り沢山で、100%クリアを目指すとなれば入念な探索が求められる。間違いなく唯一無二の探索型アクションゲーム。同ジャンル好きはもちろん、初めての人にも楽しめる仕上がりなので要チェックだ。フンコロガシのヨクくんも可愛いですよ。転がすのも”アレ”ではございません。

でも、”アレ”自体はごく一部で登場するのでご用心。

[基本情報]
タイトル:『Yoku’s Island Express ヨクのアイランドエクスプレス』
制作者:Villa Gorilla(※販売:Team17 / ※日本語ローカライズ:架け橋ゲームズ)
クリア時間:4~6時間(※100%クリア時を除く)
難易度:初級~上級者向け
価格: ¥2160

購入はこちら
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000001577

海のカケラ

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三本目は可愛いけれど、設定が謎めているキャラクターが主人公を務める『海のカケラ』。個人開発者「潮騒セイレーン」制作によるアクションゲームで、2018年5月5日にiOS、Android用アプリ、PC(Windows、Mac OS)用ソフトとしてitch.ioで発売。続く同年7月26日にNintendo Switch版が発売された。販売元はメディアスケープ。同社が推進する「Play,Doujin!」プロジェクトの一作でもある。

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体が6つの色に分離してしまった主人公を操作し、様々なステージを冒険していくのが主な内容。最大の特徴は円形の足場で構成されたステージで、円の外周を回りながら隣り合う円へジャンプで渡り進み、ゴールへの到達を目指すという独特な展開が繰り広げられる。操作もコントロールスティックの上で移動、下でブレーキ、Bボタンでジャンプ、Yボタン押しっぱなしで加速と一風変わっていて、少しばかりレースゲームを想起させる。また、ゲームが始まって間もなくすると、「カラーチェンジ」のアクションが追加。Aボタンで主人公の体の色を赤、紫に変えられるようになる。これに関連して色にちなんだ仕掛けが行く手を阻むようにもなり、それぞれに対応した色に体を変え、無効化させて潜り抜けていくことが求められるようになる。もちろん、対応していない色で接触すれば即刻ミス。本作はダメージ制を採用しておらず、仕掛けに一度でも接触すればやられてしまうシビアなルールなので、慎重且つ、的確な判断を下しながら進めていく必要がある。とは言え、その分、チェックポイントが豊富に配置されているので、ミスからの復帰は早い。ゲームオーバーの概念もないので、気軽に何度でもチャレンジ可能だ。

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ルールは単純明快だが、独特すぎるステージ構成と操作性で、一筋縄ではいかないやり応えに富んだアクションゲームに完成されている。特にステージは円形の構造だからこそできたアイディアが豊富に盛り込まれていて、プレイヤーを飽きさせない。ステージごとの個性付けも丁寧に施されていて、似通った展開が全くないのも驚きだ。難易度も後半になると、高度な操作が要求される場面が登場するが、何十回ものトライ&エラーが試される場面を乗り越えた後、直にチェックポイントを登場させるなど、難所を潜り抜けた後に更なる難所を用意して、プレイヤーを疲弊させないようにする気を遣った配慮が徹底されている。入念なテストプレイを実施して全体のバランスを整えたことをうかがわせる。

ボリュームもステージは6+1つと少なめながら、ステージ内に隠された「記憶」の回収を始めとするやり込み要素も揃っているほか、タイムアタックなどの特別なモードもあって、やり応え十分。可愛らしくも幻想的で美しい世界観とグラフィック、メロディアスな音楽、意味深なストーリーなど、演出面もこだわっており、強く印象に残る。全体的に難易度はやや高めだが、一風変わったアクションゲームをお求めであれば、プレイしてみて頂きたい一本。円形の足場をジャンプで渡っていく、シンプルながらも侮りがたいやり応え、そして奇想天外なアイディアの数々を体験してみよう。

[基本情報]
タイトル:『海のカケラ -Fragment of Marine-』
制作者:潮騒(しおさい)セイレーン(※販売:メディアスケープ)
難易度:中級~上級者向け
クリア時間:1~2時間(※真エンディング、やり込み要素攻略を除く)
価格: ¥500

購入はこちら
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000011749

Ninja Striker!(ニンジャストライカー!)

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続く四本目はニンニンな忍者達が所狭しと駆け回る『Ninja Striker!(ニンジャストライカー!)』だ。探索型アクションゲーム『Ninja Smassher!(ニンジャスマッシャー!)』、クラフト要素を盛り込んだローグライク『アルケミックダンジョンズ』を手掛けたインディーディベロッパー「Q-Cumber Factory」制作による、スタイリッシュな横スクロール型アクションゲーム。元々はiOSアプリとして誕生した同名作品のリメイクである。また、Nintendo Switch版以外に「Steam」でWindows版もリリースされている。

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忍者を始めとするプレイヤーキャラクターで行く手を阻む妖怪を斬り刻みながらステージを進み、ゴールを目指すステージクリア型アクションゲーム。しかし、ステージ間移動の根幹を担うのが斬り込み攻撃で、敵を倒して宙を舞いながら突貫していくという、攻撃的なプレイスタイルを特色としている。敵も攻撃による移動を主としている関係から、列に並ぶように配置されているほか、攻撃も対応するボタンを押せば近くにいる敵を自動的にロックオンし、瞬時にキャラクターが高速移動。そのまま攻撃が実施される、スピード感とテンポの良さを尊重した設計になっている。かと言って、攻撃を連発し続ければいいほど大味でもなく、時折、列のように並んだ敵が途切れることも。その際は二段ジャンプ、或いは横方向に高速移動する回転斬り兼ダッシュを駆使して流れを絶たせないようにするなど、一定のテクニックが求められる。もちろん、攻撃を途切れなく続け、ステージ内に散らばるコインも回収すれば「コンボボーナス」も発生し、それによってスコアも大きく上下。スコアはステージクリアの評価にも響くので、高みを目指すならば、連続攻撃の展開は必須。見た目とは裏腹に手に汗握る戦術的な展開が楽しめる作りになっている。

攻撃特化型のアクションゲームならではの唯一無二のスピード感、それ相応の派手な演出が冴え渡る内容で、爽快忍者アクションの肩書きに相応しい爽快感が魅力。反面、極めるとなると沼に陥る裏の顔も持ち合わせていて、最高評価の三つ星を目指した際の難易度は、アクションゲーム熟練者も発狂寸前にまで追い込まれるほど。ボリュームもステージ総数は20以上と豊富ながら、一つのステージが1分足らずでクリア可能なので、短め。しかし、スタンダードな「忍者」以外にも性能が異なるどころか、戦術まで一変する三人のプレイヤーキャラクターが用意されていて、全てをやり尽すとなればかなりの密度に。ステージの構造も短めながら敵配置、仕掛け共に作り込みがしっかりしていて、ちゃんと印象に残る場面が用意されている所に匠の技が光る。

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サクッとズバッと気軽に楽しめるアクションゲームをお求めなら、自信を持ってお薦めできる一本。しかも、お値段ワンコイン。ちなみに先に紹介した『海のカケラ』もワンコインだ。可愛く、ライトな見た目からは想像も付かないスピード感とやり応えが詰まった作品になっているので、興味があればお試し頂きたい。

なお制作者曰く、本作の実況配信は大歓迎のこと。配信すれば作者自らコメントもしてくれるほか、攻略アドバイスもしてくれるので、配信環境のあれば挑戦してみよう。ついでに個人的にお薦めしたいゲームを流れで紹介すれば、買ってくれるようです。でも、プレミアタイトルを推すことはやめましょう。もぐらゲームスからの大事なお願いでした。

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なお、「Q-Cumber Factory」は本作に続くNintendo Switchタイトル第二弾として、ローグライクRPGの『アルケミックダンジョンズDX』を2019年2月14日にリリース。2017年に発売されたニンテンドー3DS版にさらなる新要素を加え、ゲームバランスにも再調整を施した豪華版に仕上がっているので、興味があればこちらもぜひ。

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かわいい「くのいち」(※『ニンジャストライカー!』から「にんじゃ」とのコンビで出演)、「エルフ」に「ヴァルキリー」、「ウィッチ」も登場しますよ。

[基本情報]
タイトル: 『Ninja Striker!(ニンジャストライカー!)』
制作者:Q-Cumber Factory、パンサウンド、スキップモア(※販売:フライハイワークス)
クリア時間:1~2時間
難易度:初級~上級者向け
対応OS: Nintendo Switch、PC(Windows)
価格: ¥500(Nintendo Switch) / ¥410(PC版)

購入はこちら
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000008465

Floor Kids

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五本目として紹介する『Floor Kids』は可愛いとカッコイイが混在する、ブレイクダンスゲームだ。カナダはモントリオール在住のアニメーターであるJonJon、グラフィック・アーティスト、映画監督、DJと言った多彩な才能を持ち合わせるカナダ出身のターンテーブリストのキッド・コアラを中心にしたクリエイター集団「MERJ Media」が制作。日本語ローカライズを架け橋ゲームズが担当している。2018年6月7日にNintendo Switchで発売。その約一ヶ月前には「Steam」にてPC(Windows、Mac OS)版も発売されている。また、2018年11月27日にはPlayStation 4版も発売された。

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ダンスゲームと言われると多くの場合、画面上部などから降りてくる譜面に合わせ、ボタンを押していくことが求められるリズムアクションが連想されがちだ。本作はそのような動きを指示されることは、楽曲中に二回発生する「コーラスパート」以外は無し。プレイヤーの思うがままにアクション(ムーブ)を決めてキャラクターを躍らせ、周囲の観客を盛り上げることに徹するフリースタイル方式になっている。時々、観客から「この踊りを決めて!」というリクエストが飛んできたりもするが、応えるか応えないかは自由。高得点を目指すなら、答える必要が出てくるが、基本的にはプレイヤーそれぞれ、自由に踊りを楽しんで欲しいという意図が込められた、緩めの難易度。ダンスを失敗したり、「コーラスパート」でリズムを取り漏らしたりしてもお咎めなしのカジュアル設計だ。

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ゲームの流れも好きなキャラクターを選び、三つの楽曲で構成されたステージに挑戦していく単純明快な構成。ただ、新たなステージの解禁には各楽曲を踊り終えた後の評価で手に入る「星」が必要となるため、ある程度、高得点を意識してダンスを決めていく必要もある。とは言え、序盤は比較的、自由に踊っても星が集まっていくので、難易度は緩い。さすがに中盤以降になると、各キャラクターが持つ四種類のコンボを意識する必要が出てくるが、直感プレイでも概ね何とかなってしまうバランスだ。

フリースタイル形式なのに加えて難易度も控え目と、正直な所、ゲームとしてのやり応えはあまり高くはない。しかし、華麗なダンスとそれに準じた高得点を目指すと底なしで、自らの限界に挑むやり込みを好むプレイヤーには極め甲斐のある内容だ。立ったり、屈んだ状態でステップを踏む、飛び跳ねる、ポーズを決めて静止するなど、実際のブレイクダンスを踏襲したアクションも豊富且つ本格的。選んだキャラクターごとに各アクションを決めた際のスコアも上下する仕掛けも凝らされていて、どのダンスで得点を補うかと言った戦略と構成を練る面白さがあるのもユニーク。手描きタッチのデザインと滑らかなアニメーションが光るグラフィックも、本職のアニメーターが制作しているだけにある盤石の仕上がりだ。

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全体的なボリュームは短め、やり込み要素も最高評価獲得程度と、良くも悪くも現実のブレイクダンスに忠実すぎる作りではある。しかし、様々な技を駆使して自分なりのダンスを踊り、観客をどこまで沸かせられるかに挑む面白さと自由に踊れる気持ちよさは格別。自由に踊る楽しさを味わいたい、と思うプレイヤーには最適の一本だ。華麗に踊る少年少女達となり、自らの限界に挑んでみよう。フロアを制するものは、すべてを制する

[基本情報]
タイトル:『Floor Kids』
制作者: MERJ Media(※日本語ローカライズ:架け橋ゲームズ)
クリア時間:3~4時間
価格: ¥1990

購入はこちら
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000011041

Semblance

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最後に紹介する六本目は、可愛いというよりは不思議系の一面が強い『Semblance』。南アフリカはヨハネスブルクを拠点とするインディーゲームスタジオ「Nyamakop」が開発、オランダのアムステルダムの「Good Shepherd Entertainment」が販売を担当したパズルアクションゲームだ。2018年7月24日にNintendo Switch、翌25日にPC(Windows、Mac OS)版が「Steam」で発売。2018年5月12日~13日に京都で開催されたインディーゲームイベント「BitSummit Vol.6」では、「EXCELLENCE IN GAME DESIGN賞」に選ばれている。

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「スクイッシュ」と呼ばれる、スライム状のキャラクターを操作し、世界を水晶化させる謎の感染症に立ち向かうべく、各地に散らばる「命のエッセンス」を集めていくというのが主な内容。基本的にはステージクリア方式で進行し、あちこちに配置されたエッセンスを回収していくことに徹する。しかしながら、エッセンスの大半は普通のジャンプなどでは決して届かない所に置かれている。そんな遠く離れたエッセンスに近づくべく、プレイヤーがやるべきことは地形の変形。地面、足場などに直接体当たり攻撃を行って形状を変え、辿り着くための道筋を作っていくのだ。例として、離れた場所にある足場を動かしたり、壁にめり込むように体当たりして強引に足場を確保したり。時にはレーザーを始めとする罠が行く手を阻むこともあり、その際は地面を変形させて遮断する壁を作り出したり、射出元がある足場そのものを変形させて軌道をズラして対処する。

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他にも、安全地帯となるスペースを上下に確保し、敵をやり過ごすなど、様々なシチュエーションが登場。ゲームが進むと、スクイッシュ自身の形状を変形させることもできるようになり、その応用による道筋の確保が求められてくる。変形可能なオブジェクトは限定されている(濃い紫色の場所のみ)ので、ありとあらゆるものをプレイヤーの思うがままの形にできる訳ではないが、プレイヤーの想像力を駆使してステージに干渉していく展開は地味ながらも新鮮で、一風変わったパズルを楽しむことができる。

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ステージ及びパズルのバリエーションも個性に富んでいて、アクションゲーム全開な展開もあったりして退屈させない。全体の構成も考え抜かれており、この手のパズル系アクションは後半になるほど、過程が複雑化して間延びしやすいが、本作はそのような展開に陥らぬよう、ステージごとの密度を均一化。更に新しい仕掛けを毎回登場させては、それまでの応用と新たな発想をプレイヤーに求める、テンポと楽しさの維持に神経を尖らせた設計を凝らしている。そのため、モチベーションが殺がれにくい。何よりどの仕掛けも感心させられるものばかりなので、ステージを攻略していく度に次はどんなネタを見せてくるのかと、先が気になって進めたくなってしまう楽しさがある。

変形できるオブジェクトが限定されているなりに解法の幅が狭い、アクション全開の展開になる終盤など、難点も少なくはないが、想像力が謎を解く要となるパズル、テンポを尊重したステージの設計は素晴らしく、唯一無二の遊び応えに富んている。不思議なキャラクターが多数登場する世界観とグラフィック、音楽も独特で、雰囲気ゲームとしても楽しめる一面も。メインビジュアルの奇抜さから、どんなゲームか想像しにくいところもあるが、中身は堅実なパズルアクション。ボリュームも短めで、サクッと遊べるので、短時間で記憶に残るゲームをお求めならぜひ、プレイしてみて欲しい。

[基本情報]
タイトル: 『Semblance』
制作者:Nyamakop(※販売:Good Shepherd Entertainment / ※日本語版窓口:架け橋ゲームズ)
クリア時間: 3~5時間
難易度:初心者~中級者向け
対応OS: Nintendo Switch、PC(Windows、Mac)
価格: ¥1095

購入はこちらから
※Nintendo Switch版
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000011186

蘇る記憶と屋敷に閉じ込められた少女の関係とは。題名も含め、謎が謎を呼ぶ探索アドベンチャー『井戸』

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「どうしてこんな題名が付けられたのだろう」。
ゲームを問わず、小説、漫画、映画などのエンターテインメントに触れていると、時折、内容との関連性が分からない、ネーミングセンスを疑うような作品と遭遇することがある。
だが、本編に触れることで、実は作品の特色に合致した題名であるのが分かったり、時には受け手をあっと言わせる意味であることに気づかされることがある。特に後者の場合、作品自体の印象がより強く残るものである。

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今回紹介する『井戸』も一見、題名が何を指しているのか分からないゲームだ。
続けてストーリーのあらましも紹介すれば、ますます分からなくなる。

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ある日、大きな屋敷の寝室で一人の少女が目を覚ました。間もなく、部屋にある電話のベルが鳴り響く。受話器を取り、耳を傾けると、そこから少女と思しき声が聞こえ、今日はここでゆっくりしていってね、と告げる。

電話の主を突き止めるべく、外に出る彼女だが、その先には人の気が一切ない屋敷の光景が。一体、屋敷の住民はどこへ行ってしまったのか。そもそも、どうして屋敷の寝室にいたのか。彼女はその手がかりを見つけるべく行動し始める……というものである。

「いや、そもそも『井戸』は?」と言いたくなったはずだ。
だが、プレイすれば、ちゃんとその意味が分かる。

人の気配の無くなった屋敷からの脱出……?

前後してしまったが、本作は2018年11月5日にPC(Windows)用フリーゲームとして、「ふりーむ!」にて配信されている探索アドベンチャーゲームだ。作者はにに氏で、制作には「RPGツクールVX」が用いられている。(※そのため、ゲームをプレイするに当たっては「RPGツクールVX RTP」がインストールされている必要がある。ご注意を。)

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本編は主人公の少女を操作し、謎の屋敷を探索していく形で進む。最終目的は屋敷からの脱出……らしい。いや、普通に考えて脱出だろうと物申したくなったかもしれないが、本当にそれが目的なのかと、疑問を抱かせるイベント、シチュエーションが全編に渡って繰り広げられていくのだ。

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その象徴が「記憶」。先述のストーリーの補足となるが、寝室を出る際、少女は「ハンカチ」を手に入れる。それと同時に過去の出来事と思しき映像がフラッシュバック。終わると、それがプレイヤー情報に記録される。

何故、このようなものが……と、疑問に対する説明もなく、とりあえず、集めるべきものらしいとの憶測から、寝室から外へ出ることになる。

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外に出ると大広間へ。当然、その中央には出入口もあるが、固く閉ざされていて開けられない。構造上、内側から鍵がかけられているはずなのに、鍵穴があるとの情報もない。また、屋敷のあちこちに大きな窓もあるが、そこも開けることができない。それどころか、その先は白くて見えないという。

では、どこに脱出口が……という具合に、いきなり八方塞がりの状況になり、孤立してしまうのだ。このような何をするべきか分からない状況下でプレイヤーは屋敷を探索し、脱出に繋がる”かもしれない”手がかりを探っていくのである。

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なので、この探索が何に行き着くのか分からないまま、本編は展開していく。
更に本作最大の特徴として、ゲーム開始時点で、屋敷のほぼ全域を探索できる。別の寝室はもちろんのこと、キッチン、倉庫、ギャラリー、図書室、二階のベランダ、屋上まで、自由に行き来できてしまうのだ。そして、どこから探索していけばいいのかを指示されることもない。基本的にプレイヤーの好きな所から探索を始められる。

それもあって、探索の自由度は非常に高く、突き放し感も強い。プレイヤー自身の入念な検証、推理なくして進めていくのは困難を極めると言っても過言ではないほど。見た目からは想像も付かないほど、難易度高めの作りになっている。

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一応、「記憶」を始め、手がかりは随所に散りばめられているので、それらをじっくり調べていけば、何らかの結果に行き着く。だが、基本的にノーヒントだ。根気が試されるのは言うまでもない。

更に暴露すれば、エンディングを迎えるのに「記憶」を全て集める必要は無い。じゃあ、何のためにそんなものがとなるが、これ以上は本編をご覧になって欲しいとしか言えない。

ここまでだけでも、本作の奇怪さは大体察せるだろう。
そして、肝心のストーリーも謎だらけだ。

断片的な情報から明らかにされる「井戸」の意味

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ストーリーは主に「記憶」を手に入れる度に挿入されるフラッシュバック、屋敷に置かれた日記帳、手帳などで語られる。しかし、いずれも断片的な情報しか得られず、現在の主人公の状況との関連はあまり明かされない。記憶と同様、推測していくしかないのだ。

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また、屋敷内部には異様なものも存在する。突如、主人公に牙を向いてくる仕掛けがその象徴。どういう訳か、屋敷を探索していると一部の置物が襲い掛かってくるのである。もちろん、直撃すればダメージとなり、体力が減る。ゼロになればゲームオーバーだ。中には甚大なダメージを与える仕掛けも存在するほか、回復の機会も一度しかないため、恐怖心を煽る。そして、何故そのようなものが存在し、プレイヤーに牙を向くのかの謎も付きまとう。

他にも実体のない人影がある部屋に鎮座していたり、ベランダの窓、鏡に本来あり得ないものが映し出されたり、特定の部屋に置かれた日記帳には文字が一切書かれてないなど、謎を深める要素はあちこちにあり、屋敷の異様さを際立たせる。

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これらが何を意味しているのかは、最終的にエンディングで明かされるが、その詳細は伏せよう。ただ、本作に『井戸』という題名を付けられた意味はハッキリとする。そして、屋敷全体に漂う”狂気”にも気づかされる。

ネタ自体は特に斬新という訳ではないのだが、断片的な情報を明かしていくストーリーの構成、屋敷の探索と絡める演出の上手さもあって、非常に印象に残るものになっている。更にエンディングは二種類あり、記憶を全て集めたか否かで結末に変化が出る。だが、その記憶を全て集めた末のエンディングも非常に意味深。ここまでに得られた情報も整理すれば、ストーリーの背景と世界観に対する謎がより一層、深まることになるだろう。

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探索自由度の高さもあって、全容を見届けるのには骨が折れる思いをするかもしれないが、最終的にそこまで辿り着くだけの価値はある結末だ。一方で謎も深まるが、その分、強烈な印象が残る。「井戸」が何を示し、屋敷が何のために存在しているのか。大まかな背景が判明した時、貴方は主人公にどんな感情を抱くだろうか。

この探索の行く末に少女と貴方は何を見る。

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本編のボリュームは探索に詰まることがなければ、エンディングまで大体1時間ほどで辿り着ける。しかし、探索難易度の高さから、プレイヤーによっては2倍以上の時間を要することも。特に仕掛けを解くカギとなるアイテムは、大半が見落とし易い所に隠されているので、その調査で手を焼くかもしれない。また、屋敷の全体図を示すマップも無し。部屋の特徴も実際に足を踏み入れて推察しなければならないので、序盤は特に右往左往しやすい。

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正直な所、マップの作りには難があり、中でも1階の通路下に配置された扉は視認性が悪すぎて、初見時は見落としがち。制作ツールの仕様上、表現的に止む得ず、世界観的にも矢印を出すと雰囲気を壊しかねない事情があったのかもしれないが、もう少し、部屋があることを分かりやすくするため、近くの地形に装飾を施すなり、工夫して欲しかったところだ。

また、イベントも人物名称に【】が付いてないのも見た目として違和感がある。筆者は始めて間もない頃、名前と台詞が連動しているように見えてしまったので、できれば付けてより明確に区分して欲しかった。修正自体はそこまで困難ではないと思われるので、可能であればアップデートに期待したいところだ。

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そんな粗も散見されるが、突き放し感強めのゲームデザインと謎に満ちたストーリーで楽しませてくれる内容に完成されている。戦闘要素も無いので、じっくり腰を据えて謎解きを堪能したい、曖昧に語られるストーリーの真相を見る快感に浸りたいプレイヤーにはお薦めの良作だ。謎めいた屋敷を探り、『井戸』の意味を解き明かそう。

[基本情報]
タイトル:『井戸』
制作者: にに
クリア時間: 1~2時間
難易度:中級~上級者向け
対応OS: PC(Windows)
価格: 無料
備考:出血、ホラー描写あり(※推奨年齢:12歳以上)、RPGツクールVX RTPのインストール必須

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https://www.freem.ne.jp/win/game/18828

精鋭電脳遊戯作家ラニヨル”特区解放”ニ刮目セヨ。「東京電脳特区」v0.1 レポート

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2019年2月23日、インディーゲーム展示イベント「東京電脳特区」が東京・渋谷のクラブ「青山蜂」にて開催された。
「東京の一角にゲームクリエイターが集結する”特区”があったとしたら」という設定の下、インディーゲーム作家ら自身により運営され主催団体が存在しないインディペンデントなイベントとなっている。
初開催となる今回は実力派のクリエイター10組が特区に集結し、それぞれ作品の展示を行った。

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加えて「会場内でのゲーム試遊後にSNSでの情報拡散を行うこと」がルールとして設けられていることも本イベントの特徴といえる。
出展者のひとりによれば、各種イベントの後には自身の作品についてのSNSでの反応を作家側で逐次確認していることが多いことから、SNSでの情報拡散を当初からルールとして盛り込んだとのこと。会場内で展示されているゲームの横には情報発信用のQRコードが設置され、ゲームプレイ後にスムーズに感想を送れるよう工夫が凝らされていた。
このような作家目線でのイベント構成が為されている点が本イベントの独自色と言えるだろう。実験的な催しながらも多数の来場者を集めており、注目度の高さを伺うことができた。

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今回、もぐらゲームスでは「東京電脳特区」で見かけた注目作品を4作ピックアップした。
また、試遊後のSNSでの情報拡散をルールとした本イベントの趣旨に基づき、弊誌記者が当日に現地で発信したtwitterのツイートをモーメントとしてまとめている。イベントの雰囲気を感じ取る一助として参照いただければ幸いだ。

Reminisce 『Link:The Unleashed Nexus Restructured Heaven』

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ReminisceのSig氏が開発している『Link: the Unleashed Nexus Restructured Heaven』(以下、『Link RH』)は、ハイスピードなアクションと、透明感のあるビジュアルデザイン・サウンドが美しい3Dアクションゲーム。

『Link RH』は2015年に発表された無印版『Link: the Unleashed Nexus』のリブートにあたる作品となっており、空中を高速で滑空し、宙に浮いている敵を踏みつけて更に飛距離を稼ぐといったパルクール要素が特徴。『Link RH』では加えて地上も高速で滑走可能になっており、敵の攻撃をかいくぐりながら進むなどスピード感と演出面がより強化されている。

会場内でプレイできたのは操作説明を含んだ所謂チュートリアルステージながらも、敵からの容赦のない攻撃が浴びせられ、それを緊急回避アクションでギリギリで回避するといった緊迫感溢れるシーンが展開し手に汗握らされた。

Website:https://www.reminiscedev.com/

おづみかん『果てのマキナ』

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今回の東京電脳特区の中でも一風変わった参加の方法を取っていたのがおづみかん氏。チャットツールに搭載されたボイスチャット機能と画面共有機能を駆使し、会場外から遠隔での展示を敢行。開発中の2Dアクションゲーム『果てのマキナ』を展示していた。

主人公マキナはブーメラン状の剣を所持しており、直接斬りつける他、ブーメランとして投げた先で滞空し、滞空している地点へと主人公がワープできるアクションが最大の特徴となっている。
操作はゲームパッドの左スティックでマキナの移動、右スティックでブーメランを投げる向きの操作、L・Rボタンで斬りつけや投てき・ジャンプを行うという横スクロールアクションとしては珍しいツインスティック方式の操作になっており、トリッキーなブーメランワープの挙動と合わせて狙った操作ができるようになるには習熟を要する。

操作が難しくややとっつきが悪いものの、ブーメランが滞空している最中の回転をエレベーター等の動力として使用する、画面の縦一杯に広がるボスの攻撃をブーメランワープを使って回避するといった、癖のあるアクションを使いこなす醍醐味があり、大きなポテンシャルを感じさせる一作となっていた。

Website:http://ozumikan.com/

NOMANA INTERACTIVE『地獄調査官 樹神妖子』

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NOMANA INTERACTIVEのmachida氏が開発中の『地獄調査官 樹神妖子』は、ツインスティック方式の全方位シューティングゲーム。
プレイヤーは地獄調査官の「樹神妖子」(こだまよーこ)となって、地獄へ連なるダンジョンへと足を踏み入れていくことになる。

プレイヤー側の射撃は地面を水色に、敵側の攻撃は赤色に地面を塗り潰す。
水色のフィールドに立ち続けた敵は身体が水色に染まって防御力が低下し、赤色のフィールドに立ち続けたプレイヤーは100%でゲームオーバーとなってしまう「穢れ」が溜まっていく…というように、プレイヤーと敵が地面を塗りつぶしあってお互いにとって有利なフィールドを作り出せる点が特徴となっている。

ゲームシステムの細部については調整が続けられており、ダンジョンの自動生成、敵を倒すことで様々なアイテムを入手してパワーアップしていくというようなローグライクの要素を取り入れていく予定とのこと。今後どのように内容が変化していくのかに注目したい。

Website:https://nomana.itch.io/yoko

イリリ『RuinsStory』

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『RuinsStory』はイリリ氏が開発中の探索型横スクロールアクションゲーム
少女「ルイナ」が近接攻撃を、お供の猫型ロボ「ネコロ」が遠距離攻撃を担当し、それぞれが持つ攻撃方法やアクションを駆使して廃墟となった世界の探索を行っていく。

またルイナは赤・青の2色の属性を切り替え、同じ色の攻撃を吸収できるシールドをまとっており、レーザー等を潜って進む際にはこの属性切り替えが重要となる。
吸収した攻撃はエネルギーとして蓄積され、誘導弾を放つカウンター攻撃に転用することができる。

本作と同じく2色の属性の切り替えと攻撃の吸収のシステムを持つトレジャー社のシューティングゲーム『斑鳩』を想起させるが、開発者のイリリ氏によると実際に『斑鳩』を強くインスパイアし、それを2Dアクションとして落とし込んだらどうなるかという観点で制作しているとのこと。『斑鳩』のファンには要チェックの内容と言えるだろう。
『RuinsStory』は内容のボリュームアップを図ったうえで2020年のリリースを予定している。

Website:https://clorlles.wixsite.com/ilili-world/ruinsstory

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